TOPPANホールディングス株式会社のプレスリリース
国宝や世界遺産などのデジタルアーカイブで培った技術を服飾分野に応用衣服や布地などテキスタイル資産の保存・継承と、アーカイブデータの新たな利活用を支援
TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:野口 晴彦、以下 TOPPAN)は、国宝や世界遺産などのデジタルアーカイブで培ってきた技術やノウハウを服飾分野へ応用し、衣服などの服飾のデジタル保存とそのデータの多角的な利活用を支援する「服飾アーカイブサービス」(以下、 本サービス)を、2026年10月6日より開始します。
本サービスは、衣服をはじめ布地、織物、織柄など、企業やブランド、研究機関等が保存・継承したい多様なテキスタイルを高精細デジタルデータとして保存・記録するとともに、そのデータの提供・公開や展示コンテンツへの展開、さらには集客や体験型コンテンツとしての利活用までをワンストップで支援するサービスです。
これまで保管場所や展示機会などの制約によって活用が限られていたテキスタイル資産をデジタル化することで、その素材、意匠、技術、歴史的・文化的背景などの価値を保存しながら、さまざまな形で活用できる環境を創出します。企業やブランドが保有する、貴重な衣服や歴史的な染織品など、多様なテキスタイル資産の継承と新たな価値創出を両立し、新しい文化体験や事業機会の創出、伝統的な染織・服飾産業やアパレル産業の発展に貢献します。これにより、テキスタイル分野における持続可能な文化・産業資産の継承モデルの構築を目指します。
なお、本サービスの提供開始に先立ち、アパレル事業者「OLD SPRING」が所有する19世紀後半と推定されるものを含むジーンズ5点を対象に、高精細デジタルデータ化を実施しました。

■ 背景
服飾分野では、限られた年代特有の色合いや形状を持つ歴史的背景を反映した衣服や、時間の経過や使用環境による変色・使用感などが見られる貴重な衣服は極めて価値が高いとされ、その多くは博物館などの文化施設や個人事業主が保有しています。近年、文化財や歴史的資料の恒久的な保存と利活用に向けたデジタルアーカイブの需要が高まる中で、服飾分野においても、こうした多様なテキスタイル資産や、貴重な衣服や衣服にまつわる技術・文化のデジタルアーカイブ需要が増しています。
しかし、衣服や布地などのテキスタイルは、素材や構造、保存状態が多岐にわたるため、繊細な資料に負荷をかけることなく布地の質感や縫製構造、立体的なシルエットを高精細にデジタル記録し保存するには、高度な撮影・スキャン・計測・データ加工などのノウハウが必要です。
TOPPANはこれまで、高精細撮影やカラーマネジメント技術の開発を通じて多様な文化財の保存に取り組んできました。重要文化財「冬木小袖」や「刺繡當麻曼荼羅」のデジタルアーカイブ(※1)においては、繊細な繊維の質感や微細な色彩を高精度に記録・再現し、保護と高品質な鑑賞体験の両立を実現させました。また、国宝や世界遺産など国内外の文化財の高精細デジタルアーカイブにおいて60本以上のVR作品を制作するなど、デジタル化だけでなく、そのコンテンツ化や公開にも取り組んでいます。
こうした中、TOPPANはアパレル事業者「OLD SPRING」が所有する19世紀後半と推定されるものを含むジーンズ5点に対して、衣服への負荷を抑えながら生地の染めや織り、縫製の手法、構造的特徴をデジタルデータとして可視化しました。
この成果を踏まえ、TOPPANがこれまで培ってきた技術やノウハウを服飾分野へ応用し、衣服に限らず、企業やブランド、文化施設などが保有する多様なテキスタイル資産のデジタルアーカイブを支援する本サービスを提供開始します。デジタル化したアーカイブデータを蓄積するとともに、展示や研究、商品開発、情報発信などへの利活用を推進することで、服飾文化の継承と、新たな価値創出を支援します。
■ 本サービスの概要
① 衣服・テキスタイル資産の高精細デジタルアーカイブ
文化施設や研究機関が所有する歴史的価値の高い衣服や着物などの伝統・民族衣装をはじめとする繊細な対象物にも負荷をかけることなく、生地の質感や構造を高精細にデジタルデータ化します。また、アーカイブデータを蓄積し、研究などでの利活用に向けて、提供や公開を行います。
② 服飾産業における技術のアーカイブとブランド支援
伝統的な染織・服飾産業が有する技術や、企業・ブランドが長年蓄積してきた製品・素材・デザインなどの資産をアーカイブし、技術継承やブランド価値向上に活用します。布地の生産工程や職人の手仕事などの技術をアーカイブし、服飾産業が抱える技術継承の課題解決をサポートします。さらに、TOPPANが持つアーカイブ技術と企画・プロモーションノウハウを組み合わせ、地域や企業、ブランドが持つ歴史や技術の価値を可視化・再編集し、国内外への情報発信やブランドコミュニケーションにも展開します。
③ アーカイブデータを活用したコンテンツ開発・体験型ビジネス支援
デジタル化した衣服・テキスタイルのアーカイブデータを活用し、展示、VR・XR、Webコンテンツ、デジタルサイネージなど、顧客の目的や利用シーンに応じたコンテンツを企画・制作します。百貨店や商業施設、文化施設などにおける展示・体験イベントの企画や空間演出にも展開し、集客や顧客接点の創出、ブランド訴求など、アーカイブデータを活用した新たなビジネス機会の創出を支援します。また、アパレル業界・小売業界との連携を通じて現代の服飾もアーカイブし、継続的なデータの蓄積と活用につなげます。
なお、本サービスを通じて制作・蓄積する高精細なアーカイブデータやデジタルコンテンツを活用し、服飾文化史をテーマとした展覧会や、企業・ブランドとの共同企画などへの展開も推進します。デジタルならではの没入感ある表現を取り入れ、文化的価値の発信に加え、集客、ブランディング、商品・サービス開発など、多様な事業活用につなげていきます。

■ 価格
・高精細デジタルデータ化 一式900,000円~
※対象物の数や大きさ、状態によって変動
■ 今後の目標
TOPPANは本サービスを通じて、文化施設や研究機関に加え、アパレル企業、ブランド、繊維・服飾関連事業者などが保有する衣服・テキスタイル資産のデジタルアーカイブを推進します。さらに、アーカイブデータを活用した展示・コンテンツ制作、ブランディング、商品開発などの関連ビジネスへ展開し、2028年までに関連事業で約3億円の売上を目指します。
また、学術機関との共同研究による服飾史や技術の解明をはじめ、企業・ブランドが保有する衣服・テキスタイル資産の継承・活用、新たな文化体験や事業機会の創出など、デジタルアーカイブを起点として服飾文化・産業全体の保存、継承、振興に資する取り組みを幅広く推進していきます。
※1 TOPPANによる服飾関連の文化財デジタルアーカイブ活動
重要文化財「冬木小袖」:
https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2023/10/newsrelease231003_1.html
「刺繡當麻曼荼羅」:
https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2018/07/newsrelease180713.html
* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
以 上
