~ サステナビリティとキャリア教育を掛け合わせた出前授業が新たな地域へ ~
株式会社三陽商会のプレスリリース

三陽商会は、2025年9月12日(金)、これまで新宿区を中心に行っていた活動の範囲を広げ、初めて渋谷区立臨川小学校にて「服育授業」を実施しました。当社は2014年より、衣服を通じて豊かなこころを育む「服育活動」の一環として、未来を担う子供たちに向けて、ものづくりの楽しさを体感し、”服を長く大切に着るこころ”を育てることを目的に小学校等での「服育授業」を行っています。
今回の授業では、服ができるまでの流れやアップサイクルについての説明を行った後、当社が衣服などを製造する過程で余った残布をつかって「コースター」をつくるワークショップを行いました。
近年、新学習指導要領におけるSDGs教育強化等を背景に、サステナビリティ教育やキャリア教育の実践的な学びの場が求められています。当社は今後もアパレル企業としての専門性を活かした「服育授業」を通じて、次世代を担う子どもたちの持続可能な社会への意識向上に貢献してまいります。
■「服育授業」実施の経緯と社会的背景
~新宿区での活動実績を基盤に、初めて渋谷区の小学校で実施~
三陽商会は、2014年に、衣服を通じて豊かなこころを育む「服育活動」の一環として、 “服を大切に長く着るこころ”を育てる小学校での「服育授業」をスタートしました。2017年からは、当社が本社を構える新宿区内での取り組みとして、新宿中央公園内のエコギャラリー新宿(新宿区立環境学習情報センター)での環境イベントにも積極的に参画し、地域の子供たちに向けた「服育授業」を行っています。
近年は、こうした新宿区における活動が中心でしたが、サステナビリティ教育の重要性が高まる中、このたび初めて渋谷区広尾にある渋谷区立臨川小学校からご依頼を受け、出前授業を実施する運びとなりました。
~企業の専門性を活かした教育支援で、環境意識とキャリア形成をサポート~
2020年から学校教育に導入された「新学習指導要領」においてSDGsや環境教育の要素が強化される一方で、社会では衣服の大量生産・大量廃棄という課題への関心が高まっています。同時に、学校教育の現場では、子どもたちが実社会のものづくりのプロセスや多様な職業に触れるキャリア教育の機会が求められています。
こうした背景から三陽商会はアパレル企業としての専門性を活かし、サステナビリティ教育とキャリア教育を掛け合わせた「服育授業」を小学生を対象に展開。子どもたちが実際の資源やものづくりに触れながら学べる体験型の学習機会を創出することで、次世代を担う子どもたちの成長支援を目指しています。
■「服育授業」の内容
9月12日(金)に渋谷区立臨川小学校で実施した「服育授業」では6年生を対象に授業を行いました。当社人事部の社員が講師を務め、服ができるまでの流れやアップサイクルについての説明を行った後、当社が衣服などを製造する過程で余った残布をつかって「コースター」をつくるワークショップを行いました。1・2限、3・4限の図工の時間を利用し、6年生2クラス合わせて50名が参加しました。
授業の前半は、「SDGs」の意味や当社のサステナビリティに関する取り組み、綿花等の原料から一着の服ができるまでの流れ、デザイナー、パタンナーといったアパレル業界の専門職について等をクイズも交えた講義形式で説明しました。児童たちは自分の着ている服の品質表示タグを見ながら素材を確認し、中には「リサイクルポリエステル」を発見するなど日常生活と環境問題のつながりを実感する場面も見られました。

後半は、当社の製造過程であまった残布をつかって「コースター」をつくり、「アップサイクル」を体験できるワークショップを行いました。さまざまな色・柄・素材の残布の中からお気に入りのものを選んでコースターをつくり、残布が新たな価値を持つものに変わる過程を楽しく体験してもらいました。
参加した児童たちからは、「コート1着をつくるのに、こんなに多くの人が関わっているなんて知らなかった」、「デザイナーは知っていたけど、パタンナーという仕事は初めて聞いた」、「作ったコースターを敬老の日にプレゼントしたい!」といった声が聞かれ、服づくりの奥深さやアップサイクルの意義について多くの気づきを得られた様子がうかがえました。




■臨川小学校の取り組みとコメント
渋谷区は、文部科学省の「授業時数特例校制度」を活用し、2024年度より探究「シブヤ未来科」というカリキュラムを設け、全区立小・中学校で総合的な学習の時間を充実させる取り組みを進めています。臨川小学校では、月曜日から金曜日まで午後の授業を総合的な学習の時間に充て、環境問題や地域社会とのつながり、SDGsの促進について等、さまざまな主体的な学びの場を増やしています。
今回の「服育授業」は、図工の時間を活用し、「アップサイクル」を通して環境問題について学ぶと同時に、同小学校が取り組む「未来デザイン」のカリキュラムとも関連付けて「働くこととはどういうことなのか?」を考える機会として実施されました。
◆担当の先生からのコメント: 渋谷区立臨川小学校 図工専科 鈴木先生
シブヤ未来科・図工の授業では、作品づくりを通して「児童の生活や社会の見方や考え方が広がり、深まる授業」を目指しています。今回は、SDGsの観点から毎年世界中で大量廃棄させている洋服について着目しました。各家庭で眠っている洋服を回収し、それをアップサイクルし新たな物語をつくることを目指しています。その学習過程で、そもそも洋服は何から出来ていて、どのようにしてつくられているのかなどを子どもたちと学習したく、三陽商会の「服育活動」の出前授業をお願いしました。
授業を受けた子供たちは、綿の違いや洋服の素材を気にするようになりました。また、1枚の洋服を作るために、多くの過程や工程を経てつくられているかを知ったことで、洋服に対する見方や考え方が変化してきた児童が増えてきたと思います。今回の服育授業を生かして、回収した古着をアップサイクルし、ファッションショーを行って、アパレル産業の環境問題を発信していきたいと考えています。そして、働くとはどういうことなのかを考え、それぞれの将来に繋げていってほしいと思っています。
■当社の「服育活動」について
■服育活動について:
https://www.sanyo-shokai.co.jp/company/sustainability/future_investment/about_fukukatsu.html
■「学ぼう!服のこと ~ 服育動画 ~」:
https://www.sanyo-shokai.co.jp/company/sustainability/fukuiku/

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