EMI JINGU BALLOON LABOのプレスリリース
2025年9月11日(木)、ニューヨーク・マンハッタンの「The Glasshouse」にて開催された「New York Fashion Week 2026SS」において、バルーンアーティスト神宮エミ(EMIJINGU)が最新コレクション「DIVERSITY 〜ひとりひとりが持つ唯一無二の色と輝き〜」を発表しました。
本ショーには、障がいや病を抱えながらも自らの個性を輝かせる9名のモデルが参加。命の儚さと美しさをバルーンで表現した作品群は、観客やメディアから大きな反響を呼びました。

バルーンという儚い素材で、“ひとりひとりが持つ唯一無二の色と輝き”を纏ったモデルたちがランウェイに登場。
1. コレクションの概要
タイトル:「DIVERSITY」
神宮エミが今回のニューヨーク・ファッションウィークで発表した最新コレクションのタイトルは「DIVERSITY(多様性)」。
テーマ:「ひとりひとりが持つ唯一無二の色と輝き」
さまざまな背景や個性を超えて、多様性そのものを美しさとして提示しました。
バルーンという儚い素材を用いた表現
使用した素材は「永遠には残らないバルーン」。その儚さを命の瞬間の輝きに重ね合わせ、光を受けて艶めく表面や空気を宿すフォルムを通じて、ただそこに在ることの尊さと、ひとりひとりが宿す唯一無二の輝きを可視化しています。
2.ランウェイの特徴
多様なバックグラウンドを持つ9名のモデル
今回のショーには、障がいや病を抱えながらも自らの個性を輝かせる9名のモデルが出演しました。車椅子ユーザー、義足のモデル、病と共に生きるモデルなど、それぞれの人生を背景に持つ彼女たちがランウェイに立つことで、多様性を体現する舞台となりました。

一人ひとりに合わせた衣装デザイン
各モデルに事前インタビューを重ね、それぞれの個性や身体性を尊重しながらバルーンドレスをデザインしました。
ドレスのシルエットや装飾には、モデル自身の物語や価値観が反映されており、ランウェイは単なるファッションショーを超えた「表現の場」となりました。

光とバルーンが織りなす幻想的な空間
照明を浴びたバルーンの光沢や粒感は、ステージ上できらめき、会場全体を包み込みました。空気を宿したバルーンが生み出す独特の揺らぎや立体感は、従来のファッション素材では表現し得ない幻想的な空間を生み出し、観客を魅了しました。

3.今回のショーへの想い(デザイナーコメント)
バルーンは永遠に残る素材ではありません。
だからこそ、一瞬に放つその光は儚くも圧倒的な輝きを持っています。
今回のコレクションは、その性質を通して「命のきらめき」を可視化する試みです。
ランウェイに立つのは、障がいや病と共に生きながらも、しなやかさと強さをもって人生を歩むモデルたち。
彼女たちの存在そのものが、バルーンの一瞬の輝きと共鳴し、ステージ全体を命の鼓動を映し出すキャンバスへと変える。
世界の舞台であるニューヨークにおいて、私は挑戦する心と希望を胸に、「社会的メッセージを携えた新たなファッションの形」として、この表現を提示したいと考えました。
4.今回のショーのこだわり
EMIJINGUの作品における最大の特徴は「色の層と質感」にあります。 バルーンを二重に重ねることで、内側の色が透けて外側に奥行きと深みを生み出し、一般的なポップさを超えて重厚感や高級感をまといます。たとえば、外側にゴールド、内側にグリーンを重ねた二重構造は、力強い自然のエネルギーを映し出します。
さらに、透明のバルーンに絵の具を閉じ込める技法では、にじみや揺らぎが偶然に広がります。
その表情は二度と同じにならない美しさを放ち、命の不確かさや儚さを色彩として浮かび上がらせています。


5.NYFWショーハイライト
多様な特性を持つ9名のモデルが登場し、一人ひとりの個性を反映したルックを披露。フィナーレでは観客から大きな拍手が沸き起こり、会場全体が温かな空気に包まれました。

Zia — 遊び心と強さをまとった未来へのドレス
13歳の中国系アメリカ人モデルZiaは、パイバルディズムというユニークな皮膚の特徴を持ち、多様性と創造性を通じて社会に光をもたらす若きアドボケイト。
彼女のルックは、透明バルーンに絵の具を閉じ込めて生み出した“まだら模様”で個性を表現し、13歳らしいみずみずしさと未来を予感させる色合いを融合。フードを加えることで遊び心と力強さを両立させ、Ziaの唯一無二の輝きを象徴するデザインとなっています。

Kaitlin — 優しさが広がり、つながりを紡ぐドレス
脊髄髄膜瘤により18歳から車椅子を使用しているKaitlinは、法律を学びながら障害者の権利を擁護する活動を続け、「障害を持つことを当たり前にする」ことを目指しています。
彼女のルックは、濃いピンクとゴールドのバルーンで優しさと気品を表現し、広がる粒の連なりで思いやりが周囲と響き合う様子を可視化しました。
「強さや希望はコミュニティの中にある」という彼女の信念を映し出し、関係性の力と共に、柔らかくも力強い輝きをまとったデザインです。

Kara — 義足と誇りを纏う、光を宿した純白のドレス
モデルでありダンサーのKaraは、骨肉腫による左脚切断を経験し、ダンスへの情熱を通じて障害のインクルージョンと認知向上を推進しています。
彼女のルックは、バレエへの献身をもとにデザインされ、パールとホワイトのバルーンが繊細さと力強さを表現。透明バルーンに閉じ込めたパール調の彩りは、彼女自身の個性を新たな光として映し出しました。
義足と純白のドレスのコントラストは「完璧な身体なんて存在しない」という彼女の言葉を体現し、人生の物語こそが人間性を形作ることを示しています。
6.ショーを終えて

今回のNYFWで「DIVERSITY -ひとりひとりが持つ唯一無二の色と輝き-」を発表できたことは、大きな挑戦であり、かけがえのない経験となりました。
事前にモデル一人ひとりと対話を重ね、その言葉からインスピレーションを得て生まれたドレスは、単なる衣装ではなく、その人自身の存在や生き方を映し出すものへと進化しました。
さらに「バルーン」という儚い素材を扱うため、NY到着後わずか4日間で9着を制作するという過酷な条件に挑みました。まさに時間との闘いでしたが、チームが一丸となって作り上げたドレスは、モデルが袖を通した瞬間に命を宿し、舞台の上で儚くも力強い輝きを放ちました。その姿を目にしたとき、私は深い感動とともに、この挑戦の意義を強く実感しました。
この舞台は、仲間や家族の支えがあってこそ実現できたものです。全員の力がひとつになった瞬間をNYという世界の舞台で共有できたことは、私にとって何よりの宝物となりました。
今回の経験を通じて、「多様性」というテーマが、私自身の表現活動に今後も大きな影響を与え続けると確信しています。これからも新たな作品を生み出し、より多くの人々に光と希望を届けてまいります。
7.今後に向けて

今回のNYFWでの発表をひとつの転機として、EMIJINGUはさらなる挑戦へと進みます。 「多様性」や「いのちの輝き」をテーマにした作品を継続し、バルーンという儚くも力強い素材を通して、ファッションを超えた社会的メッセージを発信し続けます。さらに「多様性とインクルージョン」を体現するブランドであり続けるとともに、現代社会が抱えるさまざまなテーマにも目を向け、世界中の人々に思いを届けていきたいと考えています。 そのために、国内外での展示や企業とのコラボレーションを積極的に目指すだけでなく、姉妹ブランドを通じた小児病棟支援など、社会とつながる取り組みにも力を入れていきます。 私たちは挑戦を止めません。これからも新しい物語と輝きを創り出し、世界に光と希望を届け続けてまいります。
8.ブランド&デザイナー紹介

空気と粒に命を宿すバルーンアート
2017年に誕生した EMIJINGU は、永遠には残らない素材「バルーン」に新しい価値を与え、
ファッション・空間デザイン・パフォーマンス・インスタレーションへと表現の領域を広げてきました。
いずれしぼんでしまうからこそ、バルーンは最も強く輝く瞬間を持つ——
私たちはその儚さに力を見出し、強さと繊細さ、そして希望を映し出します。
クラフトのこだわり | 色彩
EMIJINGUの色は「選ぶ」のではなく「生み出す」もの。
バルーンを二重に重ねることで深みを生み、透明のバルーンの内側に絵の具を閉じ込めることで、内側から色が花開くように表現します。
ラテックス本来の自然な艶めきと融合させることで、唯一無二の質感と色調を創り出しています。

神宮エミ(バルーンデザイナー&アーティスト)
札幌出身のバルーンデザイナー兼アーティスト。
アートファッションレーベル EMIJINGU を率い、2018年には作品 Water で全米バルーン大会にて優勝。
国内ではKDDI「inspired by INFOBAR」やUNIQLO TOKYOのキッズエリア装飾、大統領選時アメリカ大使館公邸など、広告・装飾・イベントなど幅広く活動。
2020年に脳梗塞ともやもや病の診断を受けたことをきっかけに、創作テーマを「いのちの輝きと儚さ」へと転換し、代表作 Moyamoya Disease や Life を発表。
現在は東京府中市を拠点に、ウェアラブルアートやインスタレーションへと活動を広げ、バルーンを「装飾」から「表現」へと進化させている。
主な活動の歩み
2013–2016年 子ども向けレーベル p0p0balloon を設立。国内外のバルーンコンペティションで多数受賞。
2017年 ニューヨークで初の個展を開催。EMIJINGU を設立。
2018年 作品 Water にて全米バルーン大会でグランプリを受賞。ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリでのワールドツアーを実施。
2019年 バンクーバーファッションウィークにて初の国際コレクションを発表。
2020年 脳梗塞およびもやもや病を発症(創作活動の転換点となる)。小児病棟へのバルーン寄付プロジェクトを開始。
2021年 代表作 Moyamoya Disease を発表。
2024年 代表作 Life を発表。
2025年 ニューヨーク・ファッション・ウィークにて新コレクション DIVERSITY を発表予定。
9.公式サイト・SNS
本プロジェクト公式ページ:https://www.emijingu.com/divercity
EMIJINGU公式HP:https://www.emijingu.com/
Instagram:https://www.instagram.com/emijingu/