老舗織り屋、初の展示会出展──遠州発アパレルへの新たな挑戦
古橋織布有限会社のプレスリリース
静岡県浜松市で天然素材にこだわった織物を製造する古橋織布有限会社(創業1928年、代表取締役:古橋佳織理)は、2025年9月3日(水)~5日(金)に東京・青山スパイラルホールで開催される合同展示会「ててて商談会 2025.9」に初出展いたします。
古橋織布は、産地が抱える課題や現状を広く伝えるため、自社製品の展開を“新たな表現手法”として位置づけています。今回の展示では、プロジェクト「ORIYATO(=織り屋と)」より、ユニセックスで日常使いできるアパレルやバッグなどの代表商品を紹介。ともに未来を切り拓く仲間との出会いを目指します。
【古橋織布について】
静岡県浜松市(遠州産地)にて、まもなく100年を迎える織り屋です。コットンを中心とした天然素材にこだわり、世界的にも希少なシャトル織機を用いた布づくりを継承。時間をかけて丁寧に織り上げられる生地は、その風合いや肌触りの良さから、国内外のトップブランドにも採用されています。
織物は多くの工程と職人の技に支えられていますが、現在、各工程で担い手の高齢化や廃業が進み、産地全体が大きな課題に直面しています。さらに、流通する繊維製品のうち“本当の日本製”はわずか約1.8%とも言われ、高品質であるがゆえに一般消費者には届きにくく、知られていないのが現状です。
古橋織布はこの現状を伝える手段として、自社製品の展開に取り組んでいます。世界に誇る遠州産地の繊維業を次世代につなぐため、本展示会を通して、広く多くの「伝い手」や「使い手」との出会いを期待しています。
今回の展示会では、新プロジェクト「ORIYATO(=織り屋と)」から、織物職人の作業着に着想を得たユニセックスパンツ「ウィーバーパンツ」や織物の耳まで残さず使うブラウス「セルビッジブラウス」、バッグを展示いたします。
【ORIYATOプロジェクトとは】
2024年に始動した「ORIYATO」は、古橋織布がさまざまな分野のプロフェッショナルと協働し、自社で織り上げた生地の魅力を最大限に活かして製品化する新しい取り組みです。
2025年3月21日~4月2日に渋谷スクランブルスクエア(9F さんちギャラリー)で開催したPOPUPでは、13日間で255万円を売り上げ、歴代最高記録を達成しました。
今回の展示では、以下の製品を出展予定です。
①ウィーバーパンツ
ヤノモデリストオフィス・矢野弘子氏との共同制作によるユニセックスパンツ。作業着がなく私服で働くスタッフの声から生まれ、一般販売の要望を受けて生地を変更しました。厚手でしっかりとしたコットン100%、古橋織布を代表する人気素材「ボイルウェザー」を使用。オリジナルの強撚糸を高密度に織り上げた生地は、ユニークな凸凹のある表情と、使うほどに肌になじむ経年変化が魅力です。体型を選ばないデザインと存在感のある質感が特徴で、縫製は国内トップブランドを手がける工場に依頼しています。
②セルビッジブラウス
パターンナー「綾織」と縫製工場「アンジーズ」との共同制作による、軽やかで風合い豊かなブラウス。使用したのは、希少で織るのに高度な技術を要する“100番単糸”の特別なタイプライター生地。髪の毛のように細く繊細な極細糸をふっくらと織り上げ、わずか約80gという軽さで、まさに羽衣のような極上の手ざわりを実現しました。
裾には、シャトル織機で織った布の端に現れる「セルビッジ(耳)」をそのまま活かし、織り屋ならではの素材の表情をデザインに取り入れています。
③ドレスシャツ(サンプル展示)
パターンナー「綾織」と制作したユニセックス仕様のドレスシャツ。使用した「コードレーン」は、古橋織布を代表する素材のひとつで、極細の高級綿糸をふんだんに用いて織り上げています。
たて糸に太番手と極細糸を交互に配することで、表面に繊細な凹凸が生まれ、肌離れがよく、湿気の多い季節でもさらりと快適な着心地を実現。後ろ身頃の縦ラインを強調する設計と、裾を垂らしても美しく見えるサイドスリットにより、洗練されたシルエットに。前ボタン裏には、シャトル織機で織った布の耳(セルビッジ)をあしらい、素材の魅力を細部にまで活かした一着です。
④“F” Bagシリーズ
浜松でまもなく創業50年を迎える老舗ブティックとのコラボレーションによるバッグシリーズ。トートバッグとショルダーバッグの2型を展開します。
ウィーバーパンツでも使用した古橋織布の代表素材「ボイルウェザー」にワックス加工を施した生地を使用。コットンならではの毛羽立ちと、デニムのような経年変化を楽しめるユニークな質感を実現しました。ファッション性を優先し、スナップボタンやポケットを排除したシンプルな構造で、間口が広く使いやすいデザインです。
織り屋と歩み、織り屋と作り上げる。
遠州の地で育まれた技術と若手の感性が織りなす布の魅力を、ぜひ会場でご体感いただき、取材していただけますと幸いです。
【展示会概要】
ててて商談会とは、出展者である「作り手」と来場者の「伝え手」 が集い、「使い手」に届くよう対話を重ねるビジネスの場であり、これから先も”ものづくり”を続けるための、共に生きていく仲間との出会いの場です。今回は生活用品をはじめ食や服飾、家具など、さまざまな分野で地域に根差したものづくりを営む作り手75組が全国各地から集います。
ててて商談会 2025.9
会期:2025年9月3日(水)~5日(金)11:00 – 19:00(最終日は17:00まで)
※終了時刻30分前に入場〆切
会場:スパイラルホール(東京都港区南青山5-6-23)
主催:ててて協働組合
入場対象:ショップバイヤー、メディア関係者、デザイナー、スタイリスト、ライター、行政・NPO関係者など、モノと暮らしを繋ぐ仕事に携わる方々
事前登録:https://form.run/@tetete202509preregistration
※事前登録必須
【問い合わせ先】
古橋織布有限会社
代表取締役:古橋佳織理
所在地:〒431-0101 静岡県浜松市中央区雄踏町山崎3597番地
TEL.053-592-1249
公式サイト:https://www.furuhashi-weaving.jp
ご来場を心よりお待ちしております。