漁網アップサイクル企業amu、累計1.32億円を調達。グローバル展開と人材強化へ

amu株式会社のプレスリリース

廃棄漁具のアップサイクルで新しい製品を開発するamu株式会社(本社:宮城県気仙沼市、代表取締役CEO:加藤 広大、以下amu)は、シードラウンドで累計約1.32億円の資金調達を実施しました。調達資金は、セールス・広報体制の強化、漁網回収網の構築 および海外での新規調達、グローバル販売の開始に活用します。新たに出資していただく皆さまとともに、廃棄漁具由来の素材ブランド「amuca®」の普及を推進し、漁具から価値の常識をひっくり返し、「いらないものはない世界をつくる。」というビジョンの実現を目指してまいります。

今回の引受先・融資元

  • 一般社団法人AgVenture Lab

  • 株式会社TeamMake Capital

  • フィッシャーマンジャパン・ブルーファンドによる匿名組合出資(連携:一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン/取扱者:ミュージックセキュリティーズ株式会社)

  • 他個人投資家

海洋プラスチックゴミの6割が漁具。求められる廃漁網リサイクルの新たな解決策

日本の海岸に漂着している海洋プラスチックごみのうち、漁業関連ごみが質量ベースで59.5%を占めています。(※1)海洋に流出した漁具は、ゴーストギアとして海洋生物を捕獲したり、マイクロプラスチックとなったりと生態系に大きな影響を及ぼします。海洋に流出する前に適切な処理を実施していかなければなりません。

※1:環境省 海洋ごみをめぐる最近の動向

漁業者から排出された漁具は、産業廃棄物として焼却や埋め立て処理されるものの、焼却によるCO2排出や埋め立てによる環境負荷が高いうえに、最終処分場の利用状況も逼迫してきています。これらの産廃処理にかかる高額な費用は漁業者が負担する必要があり、漁師に経済的な負担を強いることになっています。

amuは、こうした課題を解決するため、漁具の回収からリサイクル、そして販売までを一貫して行う仕組みを構築し、廃漁網に新たな価値を生み出しています。漁業者から廃漁網を買い取り、分別・加工の工程を経て、再生素材「amuca®」へと生まれ変わらせています。amuca®の販売や製品開発を通じて、海洋環境や生物多様性の保全、そして漁業者の経済的負担の軽減にも貢献しています。

amuca®の製品例

資金調達の目的・用途

(1)セールス・広報体制の強化

セールス・広報人材の採用を強化し、国内外での認知拡大および販売体制の構築を行います。アパレルブランドやアウトドアメーカーをはじめとした様々な企業への営業活動や、ブランドの世界観・ストーリーを正しく伝える広報体制を強化。国内外の市場において持続的な販売基盤を築き、事業拡大を推進します。

(2)漁網回収網の構築・グローバル新規調達

これまでamuは、日本全国50ヶ所を超える漁港を訪問し、使用済み漁具の回収網を構築してきました。今後はさらなる回収網の構築と、国内での知見を活かし、回収網をグローバルに拡大。より安定的かつ大量の漁具を回収することで、確固たる回収基盤を築くとともに、世界規模での環境貢献を実現します。

(3)グローバル販売の本格開始

海外市場における販売を本格化し、グローバル展開を加速します。

出資者及び協力者からのコメント

一般社団法人AgVenture Lab

代表理事理事長 荻野浩輝 様

amuは「いらないものはない世界をつくる」というビジョンのもと、廃棄漁具を新たな製品へ再生する企業です。

年間800万トンにのぼる海洋プラスチックごみの約4割を占めるとされる漁具は環境へ負荷を与え、漁業現場における廃棄物処理の課題として顕在化しています。

あぐラボは、スタートアップ支援を目的とする「JAアクセラレータープログラム」の第6期でamuを採択し、同社への伴走支援を実施しています。この支援の過程で、持続可能な漁業や地域経済の実現につながるamuの事業に大きな可能性を見出し、新たな出資対象とすることを決めました。あぐラボの出資プログラム「AgVenture Lab Incubation Fund Program」を通じて、実施されます。

株式会社TeamMake Capital

代表取締役社長 松永和彰 様

前職で創業期に投資をさせていただきましたが、今回シード調達のタイミングで改めて出資させていただきました。

創業者の加藤さんは稀有な巻き込み力をお持ちで、顧客・協力会社・チームメンバーと広く・深く繋がり事業・組織を拡大されてきました。

amuが取り組んでいるグリーンテック領域は世界的にも、そして日本でも今大きな注目を浴びている領域です。海洋プラスチックごみの最大の要因に対して「漁網のアップサイクル」というユニークな取り組みで解決を目指し、社会的意義とビジネスの大きな可能性も兼ね備えているamuを心から応援しております。

株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング

代表取締役社長 津田 祐樹 様

amu株式会社が取り組む漁網リサイクル事業は、フィッシャーマンジャパン・ブルーファンドが掲げる「海洋環境保全とブルーエコノミーの両立」という理念に深く合致するものです。廃棄漁網を新たな製品へと再生する循環型のビジネスモデルは、海洋ゴミ問題の解決に貢献するだけでなく、漁村における新たなビジネス創出の可能性も秘めています。

私自身も同社の製品を愛用していますが、廃棄漁網から再生されたとは思えないほどのクオリティに驚かされており、今後の事業成長に大きな期待を寄せています。

今回の出資を通じて同社との連携を一層強化し、持続可能な海の未来に向けて共に歩んで参りたいと思います。

amu株式会社 代表取締役CEO 加藤広大 コメント

この度、新たな投資家の皆さまがamuの航海に加わってくださいました。 個人投資家の方々に加え、フィッシャーマンジャパン・ブルーファンド様の全国の漁業者ネットワークをお借りし、より多くの漁業者の皆さまと共に歩んでまいります。また、AgventureLab様とは漁業にとどまらず、新たな挑戦として「農具」の資源化の可能性を共に模索してまいります。

仲間が増えたことで、私たちが掲げる「いらないものはない世界をつくる」というビジョンの実現に、一歩ずつ近づいていることを強く実感してわくわくが止まりません。私たちの旅路は始まったばかり。荒波を乗り越え、必ず目的地へと辿り着きます。

<代表取締役CEO 加藤広大 プロフィール>

二松学舎大学文学部在学中、(株)Gaiaxにて「TABICA」立ち上げを経験。大学中退後、当時最年少で(株)サイバーエージェントに入社。AbemaTVの番組プロデューサーを担いTwitter世界トレンド1位3回、チャンネル優秀賞獲得。2019年宮城県気仙沼に移住後、廃漁網アップサイクルに興味をもち事業検証を行う。2023年5月amu(株)設立。アジアで活躍する30歳未満のリーダー「Forbes 30 Under 30 Asia 2025」に選出。

「廃漁網アップサイクルベンチャー」amu株式会社について

全国の漁港から回収した廃漁網をアップサイクルして価値ある製品を生み出す、宮城県気仙沼市発の廃漁網アップサイクルベンチャーです。「いらないものはない世界をつくる。」をビジョンに世の中のゴミ、無価値とされているものを再資源化して新たな価値を吹き込みます。

会社概要

社名:amu株式会社

本社所在地:〒988-0017 宮城県気仙沼市南町2丁目2-25

代表取締役:加藤広大

出資元:ANRI株式会社/UBE株式会社/株式会社ANOBAKA

事業内容: 廃漁網の回収、プロダクト開発販売

設立: 2023年5月

HP:https://www.amu.co.jp/

ブランドサイト:https://amuca.world/

ブランドサイト(EN):https://amuca.world/en

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