株式会社 ブシュロン ジャパンのプレスリリース
現代アートにおける活躍する女性の活動を支援
フランスにて創業し、パリ・ヴァンドーム広場に本店を構えるブシュロン。現在、CEOのエレーヌ・プリ=デュケンとクリエイティブディレクターのクレール・ショワンヌという二人の女性リーダーがメゾンを率いています。創業者フレデリック・ブシュロンの精神を受け継ぎ、従来のハイジュエリーの枠を超え、心を揺さぶるような創造性あふれるコレクションによって、その伝統あるヘリテージを現代に受け継いでいます。
このようなメゾンの価値観を反映し、ブシュロンは2025年にマリ・クレールとアート・パリが創設した「Her Art Prize」を支援するため、パートナーシップを結びました。現代アートの分野における女性アーティストの才能と活動を支援・称賛し、より平等な未来を目指す取り組みです。本賞は、国際的なアワードとして、アート・パリに出展する女性アーティストの中から、卓越したキャリアと芸術の枠を押し広げる革新的な作品を評価し、毎年一名が選出されます。
「女性リーダーとして、またアートを愛する者としてこのプロジェクトには、特別な思いがあります。次世代の才能ある女性たちを支援しながら、私たちの創造性と革新へのコミットメントを示すひとつの形でもあります。そして、これは継承していくべき価値あるものであると捉えています。より多くの女性が壁を乗り越えることで、未来の世代にとって、その壁は次第に消えていくはずです。」
— エレーヌ・プリ=デュケン(ブシュロン CEO)
「Her Art Prize」 初代受賞者:ジャンナ・カディロワ氏が選出
ギャラリー・コンティニュア所属のアーティスト、ジャンナ・カディロワ氏が、「Her Art Prize」の初代受賞者に選ばれました。授賞式は2025年4月5日(土)に開催され、ブシュロンより3万ユーロの賞金が授与されます。また、マリ・クレールとアート・パリによるプロモーションキャンペーンを通じ、フランス国内外で彼女の活動が広く紹介される予定です。
ブシュロンの職人によって手がけられた受賞トロフィーは、創業者が愛した素材であるロッククリスタルを用いて、メゾンの象徴的なエメラルドカットを象ったデザインです。トロフィーには、受賞者の名前が刻印され、アートの未来への願いを込めて贈られます。
創造性に挑むブシュロンのDNA
「Her Art Prize」とのパートナーシップは、ブシュロンにとって自然な選択でした。ハイジュエリーとアートには、ルールに縛られず、出会いによって湧き上がる感情を重視する姿勢が共通しています。
ヴァンドーム広場にブティックを構える歴史あるハイジュエラーとして、ブシュロンは常に芸術的アプローチを大切にしてきました。その象徴が、クレール・ショワンヌが手がける「Carte Blanche(カルト ブランシュ)」コレクションです。彼女は毎年7月に、感情を揺さぶる唯一無二のハイジュエリーコレクションを発表し、「プレシャス(貴重さ)」という概念を問いかけています。
また、ブシュロンは2018年から「Yishu8」への継続的な支援を行っています。毎年3名のアーティストを選出し、北京での研修の機会を提供しています。紫禁城を望むMaison des Arts(メゾン・デ・ザール)にて、創作活動と文化交流の場を提供することで、次世代の才能を支援しています。
さらに、ブシュロンは世界各地に展開するブティックを通じて、アートへの情熱を体現しています。新たなブティックのオープン時には、現地のアーティストによる作品を加えることで、現代アートコレクションを拡充し、ブランドの世界観に新たな視点をもたらしています。その代表例が、メゾンの本店を構えるヴァンドーム広場26番地の歴史的ブティックです。この場所にはブシュロンが所有するアートコレクションに加え、メゾンが属するケリンググループのピノー財団のコレクションの作品が展示されており、ジュエリーとアートが美しく調和する特別な空間になっています。
2025年度の審査員
2025年の「Her Art Prize」の審査員は、芸術の各分野で活躍し、女性の活躍を支援、発信することに深くコミットする多彩なメンバーによって構成されます。
エロディ・ブーシェ(フランスの俳優・審査員長)
エレーヌ・プリ=デュケン(ブシュロンCEO)
セシル・ドゥブレ(ピカソ美術館館長)
ラビ・カイルー(ファッションデザイナー、オートクチュール組合メンバー)
ローラ・ラフォン(作家・作曲家・パフォーマー)
ヴァランティーヌ・ルセットル(Art Paris CEO)
ガリア・ルパン(Marie Claire Internationalチーフコンテンツオフィサー)
カミーユ・モリノー(AWAREディレクター・文化財キュレーター)
カテル・プーリケン(Marie Claire France 編集長)
マリー・ヴィナル(アートコンサルタント・キュレーター・作家)
マリー=セシル・ザンヌ(美術史家・文化事業家)
審査会は、ブシュロン・ヴァンドーム広場本店内のアパルトマン「Le 26V(ル・ヴァンシス・ヴェ)」で開催されました。この場所は、2018年にノセ邸の改装を機に創設され、メゾンの友人たちを迎えるように、特別なお客様が自宅のようにくつろげる空間としてデザインされました。ここでは、ランチを楽しんだり、ヴァンドーム広場を一望できるバスルームでリラックスしたり、さらには宿泊することも可能な特別な空間です。このアパルトマンは、メゾンが大切にするファミリー・スピリットを象徴する場所です。
2025年度 受賞者:ジャンナ・カディロワ
1981年ウクライナ生まれのジャンナ・カディロワは、現在も同国で活動を続けるアーティストです。キエフのタラス・シェフチェンコ国立美術学校の彫刻科で伝統的なアート教育を受けた彼女は、彫刻、写真、映像、パフォーマンスアートなど幅広い分野で作品を発表してきました。
展示空間とその周囲の環境に焦点を当て、創作物が置かれる文脈と歴史的背景の関係を問いかけます。ガラス、タイル、セメントといった現地の建築資材を用いたオブジェやインスタレーションが特徴です。
カディロワは2014年の「オレンジ革命」時に、政治的アートを展開するグループ「R.E.P(Revolution Experimental Space)」のメンバーとして活動。ロシアのウクライナ侵攻後も国内に留まり、戦争の現実を表現する作品を制作し続けています。
彼女の作品は、侵略への直接的な応答であり、市民による抵抗の表現でもあります。武力衝突下におけるレジリエンスを体現するものであり、2023年にコンティニュア・ギャラリーを通じてアート・パリで発表されたシリーズ《Refugees》では、爆撃により破壊された公共建築物の内部を記録。人々の姿や生活の痕跡が消えた空間に、唯一残された植木鉢が、かつての日常の記憶を呼び起こします。同作は、キュレーターのシモン・ラミュニエール氏が手がけたテーマ企画「Out of Bounds」の一環として展示されました。
カディロワ氏は、これまで世界各地のビエンナーレや美術館で作品を発表してきました。2023年のコーチ・ビエンナーレ(インド)、2022年のバンコク・アート・ビエンナーレ(第56回および第58回ヴェネツィア・ビエンナーレの国際企画展の一環として開催)、第55回ヴェネツィア・ビエンナーレのウクライナ館、2017年のキエフ・ビエンナーレなど、数多くの国際的な美術展で展示されてきました。
個展・企画展も多く、ハノーファーのクンストフェライン(ドイツ)、スタヴァンゲル美術館(ノルウェー)、ウィーンのクンストフォーラム(オーストリア)、テルアビブのエレツ・イスラエル美術館(イスラエル)、フランス・パリのポンピドゥー・センターとパレ・ド・トーキョー、ルートヴィヒ美術館(ハンガリー、ブダペスト)、ピンチュクアートセンター(キエフ)、カステッロ・ディ・リヴォリ現代美術館(イタリア、トリノ)など、名だたる機関で作品が展示されています。
近年では、ウクライナの最高芸術賞である「シェフチェンコ国家賞」を受賞した最初の女性となり、過去20年間で初めてこの栄誉に輝いた女性アーティストとなりました。
2025年度「Her Art Prize」ファイナリスト12名
「Her Art Prize」のファイナリスト選定は、アートコンサルタントであり、展覧会キュレーター、そしてマリ・クレール寄稿者でもあるマリオン・ヴィニャールが担当し、アート・パリのディレクターであるギヨーム・ピアンと共に選出しました。最終選考に残った12名のアーティストは、それぞれ異なる分野で活動しながら、自然、テクノロジー、人間の身体との関係性といった現代的なテーマに問いを投げかけています。マリ・クレールでは、これらのテーマをたびたび取り上げられており、とりわけ女性たちが最も影響を受ける問題として扱われています。
サマ・アルシャイビ(1975年、アメリカ) – Galerie Esther Woerdehoff
マティ・ビアイエンダ(1998年、フランス) – Double V Gallery
ジリアン・ブレット(1990年、フランス) – C+N Gallery Canepaneri
スザンヌ・ハスキー(1975年、フランス) – Galerie Alain Gutharc
オダ・ジョーヌ(1979年、ブルガリア) – Templon
ジャンナ・カディロワ(1981年、ウクライナ) – Continua
片山真理(1987年、日本) – Galerie Suzanne Tarasiève
エヴィ・ケラー(1968年、ドイツ) – Galerie Jeanne Bucher Jaeger
マティルデ・ロジエ(1973年、フランス) – Pauline Pavec
キキ・スミス(1954年、アメリカ) – Galerie Lelong & Co.
トゥ・ヴァン・トラン(1979年、フランス・ベトナム) – Meessen , Almine Rech , Rüdiger Schöttle
アニエス・テュルノー(1962年、フランス) – Galerie Michel Rein
ブシュロン オフィシャルサイト https://www.boucheron.com
ブシュロン クライアントサービス TEL 0120-230-441
〈ブシュロンについて〉
1858年にフレデリック・ブシュロンが創業し、自由な精神とスタイルが継承されてきたブシュロン。パリ・ヴァンドーム広場にブティックを構えた最初のハイジュエラーとして、ブシュロンはジュエリーとウォッチの分野において、メゾンの地位を確立してきました。自由で大胆な精神を持つブシュロンの唯一無二のスタイルは、世代を超えて受け継がれ、160年以上の歴史を誇ります。現在、ブシュロンは世界各国で90以上のブティックを展開し、国際的なラグジュアリーグループであるケリングに属しています 。