~いわて三陸 螺鈿の世界~「澤井正道 螺鈿展」 【令和6年度卓越技能者 受賞】
螺鈿 澤井工房のプレスリリース
東京下町出身の澤井正道と いわての宝との出会い
東京都墨田区の生まれである澤井正道は、昭和40年、中学卒業と同時にかんざし職人の修業に入り、糸鋸の目立てに始まる技法のすべてを一から学びました。手切りの糸鋸を自由に使いこなして土台を作ること、素材が白蝶貝の厚貝のようにツルツルすべるようなものでも、かんざしの彫り方で金魚の尾びれの流れるような美しさや、紅葉の葉脈一本一本を彫り込む技術も学びました。かんざし職人の修業をしているとき、いろいろな職人の仕事場に出入りすることがあり、螺鈿職人の仕事に触れる機会があり、かんざしとは違う面白さを感じて、かんざし修行の合間に独学で螺鈿を学び始めました。
15年後かんざし工房から独立して、妻の実家である岩手県に家族で移住してからは、リアス式海岸として名高い三陸の海や豊かな山々から流れ来る川で、趣味の釣りをするため毎日出かけていました。そうしたなかで国宝の修理に使われるほど良質で透明感のある岩手県産の浄法寺漆の存在を知ったこと、美しい三陸の海から生まれた、角度によってその輝きを変え、深みのあるピンク色の三陸のアワビ貝の美しさに触れたこと、それは予想していなかった大きな出会いとなり、澤井正道は平成21年、螺鈿澤井工房を立ち上げ、螺鈿職人として生きていくことになりました。
全国でも数少ない螺鈿職人 螺鈿澤井工房、澤井正道
螺鈿澤井工房は、素晴らしい岩手の自然が生み出した貝と漆を使って作品を製作し、関東、関西の百貨店をはじめ全国の展示会に出展し、お客様お一人お一人に美しく完成した螺鈿といわての良さをお届けしています。
螺鈿製作において他社の製作した土台を使うのではなく、螺鈿澤井工房では土台作りから完成に至るまで、一貫して澤井正道が製作しています。銘木とされる10年以上乾燥させた黒檀の板を糸鋸で切り出していきます。
螺鈿に使用している貝は、岩手でしかとれない、今では貴重とされる大きな美しいピンク色の三陸産のアワビ貝を使用し、夜光貝や色鮮やか貝も使用しています。漆は貴重とされる日本産漆の中でも、特に質の高いことで知られる岩手県産の浄法寺漆のみを使って、何度も塗っては研ぎだす工程を繰り返します。そうして完成した螺鈿の作品は、浄法寺漆のつやと輝きと、三陸産アワビ貝を中心とするや繊細な色合いの貝の表情で息をのむ美しさです。
令和六年度 「螺鈿細工工」としての卓越技能者 受賞と、いわて三陸の螺鈿
この度岩手県から、長年の職人人生に対して「螺鈿細工工」としての卓越技能者賞をいただきました。
様々な伝統技法が消えゆく中、日本の伝統文化であるかんざしの職人の技をベースにした、いわての三陸の地で生まれた螺鈿。この、いわて三陸螺鈿ともいうべき新しい螺鈿の技を後進の者に伝えていこうと思います。
岩手県にある世界遺産中尊寺金色堂は全国のお客様の認知度も高く、螺鈿装飾の最たるものの一つです。
螺鈿澤井工房はこれからも精進を重ね、螺鈿の美しさと共に精緻な職人の技というものを多くの皆様にお伝えしていきたいと思っています。
卓越技能者受賞と時を同じくして、岩手県のギャラリーカワトクからお誘いを受け、【 ~いわて三陸 螺鈿の世界~澤井正道 螺鈿展 】を 行うことになりました。
螺鈿のアクセサリーをはじめ、螺鈿の茶道具、螺鈿小箱、螺鈿機械式腕時計、和装小物、螺鈿のぐい呑みなど、様々なものを展示販売いたします。澤井正道の追い求めてきた螺鈿の世界、そして岩手に対する思いの一端でも感じ取って頂けたら幸いです。
メディア関係者様へ
本件は岩手県に在住する日本でも数少ない螺鈿職人が、岩手のすばらしさと、それによって生みだされた独自の螺鈿の世界を、広く全国、世界へと発信するお知らせです。
多くの報道機関様に取り上げて頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願い致します。
弊社ホームページにも情報を掲載しておりますので併せてご覧ください。
【本件に関するお問い合わせ先】
螺鈿 澤井工房 PR担当 苅宿
TEL:019-601-8646 / Email:raden@sawaikoubou.com