Knuth Marf3周年企画
株式会社INのプレスリリース
2024年11月で、立ち上げから3周年を迎えるアパレルブランドKnuth Marf(クヌースマーフ)。今回はその3周年企画として、Knuth MarfディレクターのChiEmiと、これから更なる活躍が期待される異業種の方をゲストに迎えた鼎談企画。第一弾は、シンガーソングライターの藤原さくらさん(以下、藤原さくら)。それぞれのフィールドで苦難を乗り越えてきた同世代の二人が、これまでの仕事を振り返りながら、未来の自分のあり方など、CEOの中井を交え、語り合った。
旅をすると、息をよく吸ってよく吐ける
鼎談に入る前、藤原さくらにKnuth Marfの服を着てもらい、スナップ撮影を行った。藤原さくらにとってKnuth Marfの服は「かっちりしすぎなくて普段使いもできるし、おしゃれしてディナーに行く時にも来ていけるようなデザインで、着ていてすごく楽しい服」で、藤原さくらが普段着ている服にも雰囲気が似ているのだそう。撮影の合間、ChiEmiと藤原さくらは「旅」の話で盛り上がっていた。藤原さくらは相当な旅好きなのだと言う。
中井:Knuth Marfのコンセプトでは「旅」がキーワードになっています。Knuth Marfを訪れたお客さんたちに、新しいシルエットやデザインとの出会いを通して、新しい自分に出会う体験を楽しんでいただきたいなと常に考えています。
藤原:普段黒とか白とか、色味がない服を着がちなんですけど、今日の撮影で着たような明るい色の服を着ると、普段の自分とは違ったポップな雰囲気で、旅をしているかのような気持ちになれました。
ChiEmi:そう思ってもらえて嬉しいです!
中井:先ほど藤原さんは、これから2ヶ月間海外に行くと話してましたけど、旅はお好きなんですか?
藤原:大好きです。去年の年末もニュージーランドに行っていて、コロナ前はニューヨークとかロサンゼルスとかカナダとかにも行きました。日本国内でも、47都道府県全部回るツアーをしたり。
中井:いいですね。藤原さんにとって、旅ってどういうものなんですか?
藤原:普段仕事をしていると、知らないうちにグッて力が入ってたりするけど、旅だとスッて力が抜ける感じというか。気負わずに、今目の前にあるものを楽しもうっていう気持ちになるので、息をよく吸ってよく吐ける感じがいいなって思ってます。
ChiEmi:分かる、張り詰めてると呼吸が浅くなりますよね。私もよく知らない間に呼吸が浅くなっちゃって、どんどん狭いところにいる感じになってくる。
藤原:そう、閉鎖的。
ChiEmi:旅先で感じるものって、ものすごいエネルギーがありますよね。
藤原:綺麗な景色はたくさんありますよね。旅をしてそういうものに触れて息を吸うと、「あー、また頑張って働こ!」って気持ちにもなるじゃないですか。すごくいい気分転換になる。だから旅は大好きですね。
続けることが一番難しくて、かっこいい
Knuth Marfは11月で3周年を迎え、藤原さくらは来年でデビュー10周年となる。それぞれのフィールドで成長をしてきた二人に、仕事をする上で何を大切にしているのかと問うと、「長く続けること」だと話す。
藤原:今の仕事を長く続けることが夢なんです。そのためには、適度に自分の時間を取りつつ、やりたいことをやっていきたいと思っています。もちろん、ものすごく頑張らなきゃいけない時はあるし、20代前半はがむしゃらに働いていましたが、基本的には長く続けるために無理をしすぎないことを心がけています。自分が今無理をしていると思ったら、それこそ旅をしたり、しっかり休みを取ったりして長く続ける努力はしています。
ChiEmi:すごい。私飽き性なので、長く続かないことが多かったんですよ。元々保育士だったんですけど…
藤原:え!そうなの?知らなかった!
ChiEmi:そうなんです。保育士をやめてアパレルの世界に飛び込んで、前のセレクトのブランドを2年くらいやったあたりで、「自分でゼロから新しく服作りたいなぁ」って思ってKnuth Marfを始めました。飽き性だから色んなことに手を出したくなっちゃうんですけど、私のメンタルが落ちていたときに中井さんに言われたことが心に残っていて。「新しいことってワクワクするし、ゼロから始まって積み上げていく過程ってすごく楽しいと思う。でも、続けることが一番難しい。同じ場所でずっと活躍し続けるって、すごく困難なことをやり遂げていてかっこいいと思う。」。今まで長く続かなかったことが多かった私だけど、「続けることがどれだけ難しくてかっこいいことか」っていう言葉を聞いて、Knuth Marfを長く続けたいと思いました。挑戦をすることが好きなので、続けるためにはKnuth Marfで他のアパレルブランドではやっていないような新たな企画に挑戦して、面白いことをどんどん取り込んで面白いブランドにしていきたいと思っています。
藤原:面白いですね。飽き性なのは実は私もなんです。
ChiEmi:本当ですか?
藤原:だからこういうファッションの仕事とか、音楽以外の仕事もやらせていただけるのがすごく楽しいんです。新しい人と一緒に仕事をすると刺激になりますし、音楽だけやっているとルーチンが決まってきちゃう。そこで芝居やファッションなどの違う仕事をすることで、音楽だけでは知ることができなかったような世界を見ることができる。それが自分の軸になっているものを色付けしてくれるエッセンスになるんです。飽き性ながらにそうして色んなインプットをするようにしています。
どんな出来事も自分の心に残っていく大事なものがある
長く仕事を続ける。言うのは簡単でも、実際には簡単なことではないと痛感したきっかけは、コロナ禍だった。その魔の手は例外なく藤原さくらにも襲いかかった。ライブは中止となり、地元で開催される予定だった舞台の公演もなくなった。突然全ての仕事が飛び、家でずっとゲームをしている時期もあったという。
藤原:自分が努力をしても、どうにもならない、立ち向かわなきゃいけない“壁”みたいなものは、その都度現れます。でもコロナ禍を経て、そんな“壁”もポジティブに捉えられるようになったんです。何事も捉え方次第だと思っていて、嫌なことが起こって「もうこれ以上やる意味ない」って思うのは簡単だけど、私は「意味があってそれが自分の前に現れている」って思うようにしています。
仕事が続けられないようなことがあっても、それは休めってことなのかなとか、何か新しく習得したほうがいいことがあるんじゃないかなって切り替えると、挫折しても折れようがないんです。仕事は当たり前にあるものだと思っていたけど、仕事ができなくなった期間があったから、お客さんが会いにきてくれることの特別さに気がつけたのだと、ポジティブに捉えられました。もちろんそう思えない時もありますよ。でも、そういう経験もあって、自分に起こる物事には全部意味があって、結果的に自分の心に残っていく大事なものだと信じて、向き合うようにしています。
中井:すごくいい考え方ですね。何か意味があって自分に出来事が訪れている。ChiEmiは壁にぶつかることはある?
ChiEmi:いやぁ、しょっちゅうじゃないですか(笑)。
中井:どうやって乗り越えてる?
ChiEmi:私は一旦一人で溜めて、自分の中で考えます。溜めて自己解決するのがほとんどで、解決するまで旦那さんにも言わないです。ちょっとずつ言えるようになったらそれは回復している時です。
藤原:自分の中でしっかり考えるのって大事ですよね。
ChiEmi:うん。それが自分に合ってる気がする。
「純粋に、やりたいからやる」藤原が魅せられた父の背中
この日の撮影中、スタジオではポール・マッカートニーの曲が流れていた。藤原さくらが大好きなポール・マッカートニーの話になると、藤原の語気に一段と熱が籠る。ポールのどんな姿に心を奪われたのだろうか。
藤原:ポールってあれだけ大成して偉業を成し得ているのに、それでもまだ歌って世界を回って、みんなを喜ばせる為に毎回ヒットメドレーをやってくれたりするんですよ。そんな彼のライブを見ていると、自分が楽しいから、好きだから続けられているんだろうなぁって感じるんです。やりたいからやっているんだろうなって。私の支えになっている存在です。
ChiEmi:かっこいいですよね。やりたいからやる。好きだからやるってすごい大事。そもそもなんでポール・マッカートニーを好きになったんですか?
藤原:父の影響です。父もポールが大好きで楽器をやっていて、地元でライブをやったりしています。私が地元の福岡でライブをやった時は、父がベーシストとして参加したこともありました。
ChiEmi:え!そうなんですね!
藤原:父が私にギターを教えてくれたんです。ポールが大好きな父は、私よりもずっと練習をしていて「ああ、このおじさんはただただ音楽が好きで、だからいつも練習して、仲間とリハ入ってライブもやってるんだなぁ」と思います。そこに余計なものがなくて、純粋に楽しんでやっている人はすごく尊敬します。だから私もポールや父のように、ずっと楽しく、「やりたいからやる」人でいたいなと思っています。
中井:ChiEmiさん、、、ポールの曲知ってました?
ChiEmi:知って…ます!
藤原:さっき流れてたやつ。
ChiEmi:ああ、はい。知ってますよ!
藤原:ビートルズはわかります?
ChiEmi:ビートルズはわかります!
藤原:ポールはビートルズのメンバーです。
ChiEmi:あ、そうなんですか?
一同:(笑)。
中井:ChiEmiには、藤原さんにとってのポールのような、自分の支えになっている人とかいます?
ChiEmi:私はONE OK ROCKです。
藤原:音楽なんですね。
ChiEmi:そうですね。人生のターニングポイントになる時は、絶対にONE OK ROCKのライブに行っています。専門学校に通っていた頃、東京に出るか地元に帰るか迷っていた時もライブに行って、東京出ようって決心しました。保育士やめる時も、前のブランドやめる時も、ライブを見てやめようって決心したんです。今でもすごく背中を押されていますね。
面白いことは全力で叶えようとしてくれるチーム
Knuth Marfはこれまでにも、他のアパレルブランドでは見ないようなオリジナルの企画をやってきた。言葉も喋れない中、パリにKnuth Marfの服を持ち込み、現地の通行人に着てもらうストリートスナップの企画は、予算度外視でメンバーの「面白いことをしたい」という気持ちから実現した。一方の藤原さくらは、シンガーソングライターとして19歳でデビューし、翌年には俳優業にも挑戦。フジテレビの月9ドラマ「ラヴソング」でヒロイン役に抜擢された。音楽業だけではなく俳優業でも活躍する傍ら、陶芸のポップアップショップを開催したり、ファッションの仕事に挑戦したりと、その活躍はとどまるところを知らない。話は、様々な挑戦をしてきた二人がこの先やりたいことに発展した。
藤原:やってみたいことはどんどん出てくるんですけど、やっぱり海外がすごく好きなので、海外の方と一緒に制作したりとか、海外でライブしてみたいなっていうのはあります。
ChiEmi:へぇ、いいですね!Knuth Marfみんなで観に行きましょう!
中井:ライブいきたいです。ChiEmiは今後、Knuth Marfでやりたいことはある?
ChiEmi:こういうのをやりたいというより、どんなことでもみんな全部ポジティブに受け入れて、アイデアを出し合ったりできるのが、このチームの楽しいところだと思っています。自分でこういうことやりたい、ああいうことやりたいって瞬間的には思うんですけど、自分がやりたいことを明確に持っていなくても面白い話が来るんです。そしてメンバーはそれを全力で叶えようとしてくれます。
私が旅行でパリに行った時、ああ、ここで撮りたいなって思ったんです。それがKnuth Marfのパリストリートスナップの企画として形になったんですけど、普通だったら予算とか、服作りの期間とか考えなくちゃいけないことがたくさんあって、なかなかスムーズに形にはできないんじゃないかなと思います。そこを中井さんがやろうと言ってくれて、皆で実現できるよう進めて。課題を乗り越えられるのがKnuth Marfチームの強みなので、これからどんな面白いことが起きるんだろうなって楽しみにしています。
藤原:素敵なチームですね。
ChiEmi:だからやりたいことっていうのは、ポジティブな意味でないです。
中井:そうなんだ。初めて聞きました(笑)。
ChiEmi:ね(笑)。
中井:ChiEmiから藤原さんに何か聞きたいこととかある?
ChiEmi:え〜そうだな。…好きな食べ物はなんですか?
藤原:(笑)。好きな食べ物かぁ。牛タンとグミ。牛タンもグミも近いものを感じるんです。
ChiEmi:食感ですか?
藤原:はい、硬いものが好きなんです。硬いグミが好きすぎて、歯が砕けたくらいです。
ChiEmi:え!大丈夫ですか?私も硬いグミ大好きなんです。
藤原:歯医者行ったら「ヒビ入ってます」って言われて、もうグミ食べないでくださいって。でも食べてます。
ChiEmi:お互い気をつけましょう(笑)。
Knuth Marfと藤原さくら、互いに記念となる機会に御縁が繋がった。これからも互いのフィールドを邁進していき、また交差する未来が楽しみだと思える鼎談となった。
藤原さくら(ふじわら・さくら)
福岡県出身。1995年生まれ。シンガーソングライター。
シンガーソングライターとしてのみならず、ラジオDJ、役者など活動は多岐にわたる。スモーキーな歌声は数ある女性シンガーの中でも類を見ず、聴く人の耳を引き寄せる。2024年4月3日に5thアルバム「wood mood」をリリースした。