【展覧会】舘鼻則孝の新作個展「Syncretism」がKOSAKU KANECHIKAにて10月7日から11月18日まで開催。屏風形式の新作絵画を含む40点以上が公開される。

NORITAKA TATEHANA K.K.のプレスリリース

©︎NORITAKA TATEHANA K.K., Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION©︎NORITAKA TATEHANA K.K., Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION

舘鼻則孝 個展 “Syncretism”

2023年10月7日(土)〜11月18日(土)
KOSAKU KANECHIKA |TERRADA ART COMPLEX

この度、舘鼻則孝は2023年10月7日(土)より11月18日(土)まで、新作個展「Syncretism」をKOSAKU KANECHIKAにて開催いたします。

KOSAKU KANECHIKAでの9度目の個展となる本展「Syncretism」において、舘鼻則孝は過去に同ギャラリーで開催された展覧会同様、日本文化を現代の視点から再考することで得られた文化的な価値観が反映された作品を展示します。とりわけ、中心となる屏風形式の絵画作品《Descending Painting (Folding Screen)》や聖龕(せいがん)形式の絵画作品《Descending Painting (Double Doors)》は、展覧会タイトルにもなっている「神仏習合」における「二項同体」という方法的概念に焦点を当てた作品です。

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「神仏習合」については、2020年に開催されたKOSAKU KANECHIKAでの個展「Dual Dialogue」でも主題となった経緯があり、その際に舘鼻は、一対の視点を1枚の絵画の中に共存させた作品《Duality Painting》を発表しました。日本文化におけるモチーフやフォームの重要性を追求することは、舘鼻のこれまでの創造実践に通底します。本展で舘鼻があらためて掘り下げようとしているのは、「二項同体」という概念的な価値観であり、これは西洋における「二項対立」という概念に対し東洋的であり、さらに日本独自に醸成されたものだとも語っています。

舘鼻は本展に際し、以下のようなステートメントを寄せています。

一見すると矛盾しているもの、あるいは対立しているものをそのまま継承することで、新たな意味や解釈、そして価値観が生まれてくる。

人における抱擁という行為がふたつの存在をひとつのものに変えることと同じように、「生と死」、「天と地」、「男と女」などの象徴的な異なる要素の親和性を探り、再構成することで作品のなかに習合思想における「二項同体」を表現してきた。

日本には過去に、神祇信仰と仏教信仰が離合集散を繰り返した上に融合した、「神仏習合」と呼ばれる現象があった。神仏習合では、6世紀半ばの仏教伝来以降、百済から渡ったその教義が日本独自に発展を遂げた理由ともなっており、神祇信仰においても依り代として古くから崇敬されてきた「鏡・玉・剣」などに加えて、神像の制作が為されるようになったことの要因とも考えられる。また、神宮寺や神願寺などのように、神仏習合における融合を形式化し体現したものが8世紀頃より、中央から地方へと広がりを見せていった。

その後、明治維新の神仏分離令(1868年)によって古代から続いた神仏習合は禁じられることとなり、民衆による廃仏毀釈運動へと発展した。時を同じくして、鎖国を解き開国という政策を選択した日本は、外国文明の流入を受け入れたことで近代化し、現代日本の姿があると考えるが、そのことからも習合思想の概念は、日本のなかで継承される他国には見ることのない価値観であり「二項同体」という精神主義的な方法論が実践されたことを意味していると考えている。

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Descending Painting (Double Doors)

聖龕(せいがん)形式の絵画作品《Descending Painting (Double Doors)》は、「神仏習合」における「二項同体」という方法的概念に焦点を当てて制作されたディセンディングペインティングの新たな形式。

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Descending Painting (Folding Screen)

二曲一双として制作された屏風形式のディセンディングペインティング。「二項同体」という展覧会の主題と二曲一双という伝統的な屏風の形式がリンクしている。

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Descending Painting “The Sun Breaking through Clouds”

「The Sun Breaking through Clouds」という副題が付けられた本作は、舘鼻の代表的な絵画シリーズとして知られている《Descending Painting》の延長線上に描かれた新作です。舘鼻が過去に度々描いている「雷雲」のモチーフに加えて、「薄明光線(光芒)」という気象現象がモチーフとなっています。西洋絵画の歴史では、「ヤコブの梯子」や「天使の梯子」と呼ばれる題材として、度々描かれている薄明光線は、神の啓示を隠喩するモチーフとして扱われてきました。

※埼玉県吉川市のアクアパークに描かれたパブリックアートとしてのバスケットボールコートと共通した意匠となっています(詳細:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000038054.html

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Descending Painting (Lotus Petal)

散華(さんげ)と呼ばれる蓮弁(ハスの花弁)を模ったモチーフをパネルの形状に用いているディセンディングペインティング。幼少期から鎌倉に住んでいた舘鼻が通った「長谷幼稚園」は、長谷寺に隣接した光則寺(こうそくじ)という寺院が営んでいた幼稚園だったということもあり、学年が上がるたびに「散華(さんげ)」と呼ばれる蓮弁をかたどった紙製の仏具が記念品として園児に贈呈されていました。舘鼻は、今でもその散華を大切に保管しています。

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Deity Mirror

神鏡をモチーフとしたペインティング。凸面ガラスの背面にアクリル絵の具で彩色を施し、その上にミラーコーティングをすることで、透明なガラスからミラーを制作している(中央に位置するアイコンの箇所がミラーとなっている)。

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Duality Painting

《Duality Painting》は、人における抱擁という行為がふたつの存在をひとつのものに変えることと同じように、「生と死」、「天と地」、「男と女」などの象徴的な異なる要素の親和性を探り、画面上で再構成することで、習合主義(syncretism)を形式的に表現している絵画作品シリーズです。本作は、立体的な蛇腹型の木製支持体を使用し、アクリル絵の具によって彩色がされています。

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アーティストプロフィール
舘鼻則孝(たてはな のりたか)

1985年東京生まれ。歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ鎌倉で育つ。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で、幼少期から手でものをつくることを覚える。2010年に東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業。遊女に関する文化研究とともに、友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。「Future Beauty」(東京都現代美術館など国際巡回、2012)、「イメージメーカー展」(21_21 DESIGN SIGHT、2014)、個展「呪力の美学」(岡本太郎記念館、2016)、個展「It’s always the others who die」(POLA Museum Annex、2019)、個展「NORITAKA TATEHANA: Refashioning Beauty」(ポートランド日本庭園、2019)、「和巧絶佳」(パナソニック汐留美術館など4会場を巡回、2020-22)、個展「Distance」(山口県立萩美術館・ 浦上記念館、2023) 等の他、ニューヨーク、パリ、ベルギーなど世界各地で作品を発表。2016年3月にパリのカルティエ現代美術財団で文楽公演を開催など、幅広い活動を展開している。作品はメトロポリタン美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館などに収蔵されている。また昨年に続き、東京都が主宰する「江戸東京きらりプロジェクト」の一環として企画され、東京の伝統産業に焦点を当てた展覧会「江戸東京リシンク展」(小石川後楽園、2023)の展覧会ディレクターを務めている。

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開催概要
展覧会  舘鼻則孝「Syncretism」
会 期  2023年10月7日(土)- 11月18日(土)
開 廊  11:00 – 18:00(日・月・祝は休廊)
会 場  KOSAKU KANECHIKA(https://kosakukanechika.com
住 所  東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 5F
入場料  入場無料

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