株式会社エムエーオーのプレスリリース
UEDAが、英・ロンドンにてアートとグラフィックを学んでいた当時、突如として目の前に現れた、見えるはずのない曼荼羅模様。その正体を確かめるために、絵に落とし込むことを試みます。見える線を中心から螺旋状に繋げ合わせていくと、生き物のような物体が黄金比を保ちながら徐々に浮かび上がってくる、そんな一連の作業についてUEDAは「記録し物質化しなければそれらは存在しないまま、まるで蜃気楼のように姿を消してしまう。キャラクター化すること、それは私にとって昇化であり、道化であり、象徴化でもある。」と語ります。
東京での初めての個展となる本展では、UEDAが作品を描き続けるための永遠のテーマであり、また自身が絵を描き続ける最中のその様を『The Catcher in the Mirage』(蜃気楼の中のキャッチャー)というタイトルで表現し、曼荼羅シリーズをはじめ、その他スタイルの作品や油絵なども展示予定です。点から線、線から面、そして個展ならではの、面から空間へと広がるUEDAの世界を感じていただけたら幸いです。
『The Catcher in the Mirage』MAOKA UEDA 会期:2023年9月15日(土)~9月24日(日)12:00 – 20:00 会場:MA5 GALLERY(〒107-0062 東京都港区南青山5-10-17) 内容:新作作品の展示・販売、グッズの販売 入場料:無料 主催:株式会社MAO、株式会社トゥッティフルッティ お問い合わせ先:info@8tuttifrutti.com ※やむを得ない事情により、内容が変更される場合がございます |
MAOKA UEDA
アーティスト。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズのFoundation course、ロンドン大学チェルシー・カレッジ・オブ・アーツのGraphic Design and Communication 学科にて、計5年間ロンドンでアート&デザインを学ぶ。
Instagram:www.instagram.com/i_am_maokaxx/
【個展】2022年「Wonky Tunes」(Gallery Crane/兵庫)
【グループ展】2022年「Mago Gallery Award」、「Geisai #21」、「100人10」(東京ミッドタウン/東京)、「Shibuya Style vol.16」(西武渋谷店/東京)、「What Cafe Exhibition vol.23」(What Café/東京)、「One Art Taipei」(台北)、2023年「Chroma Distance」(ポーラ ミュージアム アネックス/東京)、ONBEAT Art Show(梅田阪急メンズ館/大阪、銀座三越/東京)
The Catcher in the Mirage
人はなぜ絵を描くのだろう。
絵は古来、出来事を伝えるための”記録”のような役目をも担ってきた。
しかし現代では、出来事を記録するにはカメラがあり、動画を撮ることもできる。
そんなハイテクな世の中でも未だに記録できないものもあると私は思う。
脳内にふと思い浮かんだ映像、ノスタルジックな思い出、
昔岸辺から見たことがあるような無いようなキツネ色をした空、
笑いながらプレリュードを踊っているパンダの顔をした孔雀、
シャルル・ボードレールに恋焦がれた夕霧の慈悲、
黄泉に刺繍されたパプアニューギニアの走馬灯。
そういった一瞬頭によぎるもののほとんどは忘れられ、脳細胞の奥深くへ沈んでいってしまう。
実在しないものが見えたとしたら、記録し物質化しなければそれらは存在しないまま、まるで蜃気楼のように姿を消してしまう。
私が記録しておきたい色彩、情景、曲線、幾何学的法則。
ある日を境に見え始めた、視界に広がる曼荼羅模様。
植物に見える生の律動を彷彿とさせる曲線、自然界に存在する有機的かつ規則的なうねりの幾何学。
それらが踊り、蠱惑的な旋律を奏でるようにひしめき、分離と合体を繰り返す。
生々しい生命力や神秘性を秘めた「曲線の力動」を捕らえ、それが何なのかを知りたい。
それをキャラクター化すること、それは私にとって昇化であり、道化であり、象徴化でもある。
表現の幅は自由であっていいはずだ、ただふわりと飛んでいる蝶々の羽をそっと摘んで捕まえるように、自分の目に映り漂う曲線やイメージをとらえ、それらに個性(キャラクター)を与えたい。それが、私が絵を描く理由だ。
MAOKA UEDA