『犬王』発声OK!”狂騒”応援上映 イベントレポート

株式会社アニプレックスのプレスリリース

12月13日(火)に新宿バルト9にて劇場アニメーション『犬王』の「発声OK!”狂騒”応援上映」実施いたしました。
今年5月の公開以来、熱狂的なファンを増やしてきた映画『犬王』。その待望の発声OK!”狂騒”応援上映がついに実現! 12月13日(火)は第80回ゴールデングローブ賞・アニメ映画賞に『犬王』がノミネートされたというニュースが世界中を駆け巡った翌日であり、『犬王』Blu-ray・DVDの発売前日。会場となった映画館・新宿バルト9の最大席数を誇るシアター9は、全席完売!
冒頭の製作会社のクレジットに投げかけられた「ありがとう!」の声援と喝采から、場内はすでに感無量ムード満点。森山未來演じる琵琶法師・友魚が「今は昔……」と歌いだし、現代の京都から室町時代へと鮮やかに舞台が移り変わる『犬王』のタイトルから、早くも観客は熱狂の渦に到達! 割れんばかりの拍手と手拍子、闇にひらめくうちわ、シーンごとに青・赤・紫など巧みに色替えされるペンライト、いずれもこれまでの無発声応援上映で培われてきたであろう絶妙なリズム&タイミングが美しい。加えて今回が「発声OK」初開催とは思えないほど、ユーモラスかつ語彙豊かで、愛情に溢れた声援・歓声・コール&レスポンスも磨きのかかった仕上がり。そして「比叡座の舞台に その名をとどろかす!」「お前たちの物語を 一人残らず聴いてやる!」「俺たち以外 全てに成仏してもらおうぜ」等の名台詞ごとに、さながら歌舞伎の大見得がキマったような快感とともに会場全体からうねるような拍手喝采が巻き起こる! 作品のパワーに匹敵する『犬王』ファンのとめどない熱量に、ひたすら感動させられる一夜となった。
友魚改め友一の「これより新しい物語を始めたいと存じます」という宣言を境に、いよいよアヴちゃん演じる天才能楽師・犬王が室町のポップスターとして快進撃を始める中盤以降は、まるでロックバンドのライブ会場にいるかのような盛り上がり。友一バンド(のち友有座)のワイルド&セクシーな野外パフォーマンス、犬王の圧倒的カリスマ性と歌唱力をもって「平家物語」を斬新に語りなおす≪腕塚≫≪鯨≫≪竜中将≫といった演目=見せ場の数々が、文字どおりライブ感を増幅させる観客の生声・生音を得て真の威力を発揮! 特に≪鯨≫における観衆のコール&レスポンスは、ファン待望のシンクロポイントだっただけに、スクリーンと現実の垣根が完全に破壊されたかのような臨場感と陶酔感に溢れていた。≪竜中将≫のトリッキーな変調に次ぐ変調にも、何度も繰り返し作品を観てきた猛者=ファンたちは巧みに追随し、波に乗り、見事に大団円にたどり着く。そのクライマックスには、犬王と友魚のドラマ、湯浅政明監督はじめ表現者たちの結晶である『犬王』という映画、そして待望の発声応援上映という「場」と、すべてを包括する多幸感が充ち満ちていた。

 犬王、友魚という主演スターたちに対する「カッコいい!」「がんばって!」「箸の持ち方キレイ!」といった惜しみない歓声・声援もさることながら、犬王の父、友魚の父、友魚の琵琶の師匠・谷一、さらに将軍義満の妻・業子に至るまで、脇の登場人物たちへの多彩な掛け声もまた楽しく、創意と遊び心に富み、時に笑いを誘って会場を和ませた。そのすべてが優しさを湛えていること、また犬王や友魚たちに仇なすものにも敵意ではなく「どうして?」という疑問や「わからない!」という抵抗で呼びかけていたことにも、『犬王』という作品とファンの特別な精神性が表れているかのようだった。そして終盤の激しい展開の後にも、その悲しみを受け止める「静寂」の瞬間が、ひときわ鮮烈に感じられた。こんなにもエモーションの起伏が細部まで汲み取られた応援上映も、稀ではないだろうか。

 今、ようやく皆が待ち望んだ『犬王』のあるべき姿が実現した……。そんな喜びを噛みしめるかのように、映画が終わっても、客席からは盛大な拍手がしばらく鳴りやまず、席を立とうとする人もいない。ついには「アンコール!」の声まで起き、「ゴールデングローブ賞ノミネートおめでとう!」の祝福も。名残惜しさに袖掴まれた人々をようやく帰途に就かせたのは、「またどこかの『犬王』で会いましょう!」という、ファンからの約束の言葉だった。

 そう、“まだ終わらぬ”。きっとこの先も『犬王』は息長く、末永く続いていくことを予感させる一夜となった。『ロッキー・ホラー・ショー』『グレイテスト・ショーマン』『アメリカン・ユートピア』といった名画とともに、『犬王』が観客参加型映画の殿堂入りを果たす日も近い……そう思わせるに足る、至上の映画体験であった。

 応援上映に興味があっても、なかなか参加することが叶わない方も多いはず。『犬王』完全生産限定版Blu-rayに収録された「無発声“狂騒”生コメンタリー@新宿バルト9 2022.7.29」では、その様子を副音声として楽しむことができる。こちらは応援上映に同席した湯浅政明監督、脚本の野木亜紀子、犬王役のアヴちゃんによる実況解説と、なんとアヴちゃんの生歌つき!ご自宅でも、ぜひその臨場感と多幸感を堪能してほしい。


作品基礎情報

【あらすじ】
室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。周囲に疎まれ、その顔は瓢箪(ひょうたん)の面で隠された。
ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。名よりも先に、歌と舞を交わす二人。 友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。一瞬にして拡がる、二人だけの呼吸、二人だけの世界。
「ここから始まるんだ。俺たちは」
壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。頂点を極めた二人を待ち受けるものとは――?
歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。

【キャスト・スタッフ】
声の出演:アヴちゃん(女王蜂)、森山未來、柄本佑、津田健次郎、松重豊

原作:「平家物語 犬王の巻」古川日出男著/河出文庫刊
監督:湯浅政明
脚本:野木亜紀子 キャラクター原案:松本大洋 音楽:大友良英

総作画監督:亀田祥倫 中野悟史   キャラクター設計:伊東伸高    演出:山代風我
作画監督:榎本柊斗 前場健次 松竹徳幸 向田 隆 福島敦子 名倉靖博 針金屋英郎 増田敏彦 伊東伸高
美術監督:中村豪希 色彩設計:小針裕子 撮影監督:関谷能弘 編集:廣瀬清志 
音響監督:木村絵理子 音響効果:中野勝博 録音:今泉 武 音響制作:東北新社
歴史監修:佐多芳彦 能楽監修:宮本圭造 能楽実演監修:亀井広忠 琵琶監修:後藤幸浩
アニメーション制作:サイエンスSARU
配給:アニプレックス、アスミック・エース

公式サイト: INUOH-anime.com
公式Twitter: @inuoh_anime

©2021 “INU-OH” Film Partners


Blu-ray&DVD、オリジナル・サウンドトラック・アナログレコード 本日(12/14)発売

■Blu-ray&DVD
発売日:2022年12月14日(水)
発売形態:
●Blu-ray完全生産限定版(ANZX-14044)/11,000(税抜価格:¥10,000)
●Blu-ray通常版(ANSX-14044)/6,380(税抜価格:¥5,800)
●DVD通常版(ANSB-14044)/5,280(税抜価格:¥4,800)
●DVDレンタル版(ANRB-14044)/8,800(税抜価格:¥8,000)

→詳しくはこちら【Blu-ray&DVD】 https://aniplex.co.jp/inuoh/index.html

■オリジナル・サウンドトラック(アナログ盤)詳細
発売日:2022年12月14日(水)
発売形態:完全生産限定版 2枚組(SVWJ 70597-8)
価格:¥5,500(税抜価格¥5,000)

→詳しくはこちら【アナログ盤】  https://aniplex.co.jp/inuoh/ost/#lp

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