-「内装」と「ディスプレイ」を切り分ける売場づくりの考え方 –
株式会社 平和マネキンのプレスリリース
アパレル・小売・商業施設の売場づくりにおいて近年、内装とディスプレイの役割を切り分けて考える動きが広がっています。出店形態の多様化や部分改装・POP UPの増加に加え、今後の会計制度の見直しも見据え、固定投資と運用コストを整理した売場運営が注目されています。
■ 新しい価値:売場を「固定」する内装と、「変化」に対応するディスプレイ
内装工事は、床・壁・天井・設備などを含む空間の基盤を整え、売場の固定部分を構成する役割を担います。一方で、売場は季節、商品、セール、トレンドに応じて常に変化し続け、ディスプレイはその変化部分を担います。
そこで近年では、
* 内装は長期的な基盤として固定する
* ディスプレイは更新・入れ替えを前提に変化へ対応する
という役割分担を前提とした売場づくりが、実務の現場で選ばれるケースが増えています。この切り分けにより、店舗全体を大きく作り替えなくても、売場の印象や訴求ポイントを機動的に切り替えることが可能になります。
■ いつから広がっているのか:背景にある市場変化
この考え方自体は、10年、20年単位で徐々に浸透してきたものですが、近年その動きが加速しています。
背景には、
* コロナ禍以降の出店ペースの変化
* 全面改装よりも部分改装・POP UP・短期施策の増加
* 2027年に向けた会計制度の見直しを見据え、 2026年頃から準備を進める必要性が高まっていること
などが挙げられます。店舗投資において、固定化しすぎない・変動に対応できる構造が、これまで以上に重要視されるようになっています。
■ 現場で見られる具体的な動き
実際の売場では、全面改装を行わず、短期のPOP UPや部分的なディスプレイ更新によって売場の印象を切り替える手法が、出店リスクを抑えながら販促効果を高める方法として、多くの現場で採用されています。こうした運用型の売場づくりは、商品や企画ごとに訴求点を明確にしやすく、変化のスピードが求められるアパレルや小売の現場と相性が良いとされています。
■ 成果として評価されているポイント
この切り分けによる売場運営は、
* 投資判断を柔軟に行いやすい
* 固定費を抑え、変動費としてコントロールしやすい
* キャッシュフローの見通しを立てやすい
といった会計・経営面でのメリットにつながるケースも見られます。
また、ディスプレイに重点を置くことで、その時期・その商品・その企画に集中した販売促進が可能になり、結果として粗利益や利益率の改善に寄与する例もあります。
■ 内装業とディスプレイ専門会社が補完し合う関係へ
この動きは、内装業とディスプレイ業の優劣を示すものではありません。内装は売場の固定部分を担い、ディスプレイは売場の変化部分を担う。それぞれの得意分野を活かし、役割を分担することで、顧客・業界双方にとって持続可能な売場づくりが可能になります。
こうした考え方のもと、ディスプレイを主軸に、マネキンや什器、売場演出を通じて運用フェーズを支援してきた企業の一例が、平和マネキンです。
■ 今後に向けて
売場の固定部分を担う内装と、売場の変化部分を担うディスプレイ。
この役割を整理し、適切に切り分けることは、変化の激しい市場環境において、店舗運営の柔軟性と投資効率を両立させる一つの選択肢となりつつあります。

