いま市場で急増する偽造アパレル5選をスニダンが公開!
株式会社SODAのプレスリリース
■背景
2025年、アパレルにおける偽造品の流通は拡大傾向にあります。SNSを通じた新作や限定商品の情報拡散スピードは年々速まり、その熱量に便乗するかたちで偽造品が市場に出回るケースが増加しました。
一方、スニダンが今年6月に実施した利用者調査では、約6割が「偽造品が届く不安がある」と回答し、5人に1人が「実際に購入経験がある」ことが明らかになっています(※1)。特に20代では無自覚に購入してしまったケースも見られ、消費者にとって偽造品は“身近なリスク”となりつつあります。
こうした状況に対し、8割以上のユーザーは「偽造品と知っていれば購入しない」と答えており、多くの消費者は正規品を求めていることも分かっています。
さらに、偽造技術そのものも高度化しており、縫製やロゴ加工、パッケージの細部まで正規品に近い仕上がりを再現する事例が増加しました。スニダンの鑑定拠点「スニダンベース」では、X線や赤外線、UVライト、マイクロスコープなどを駆使し、こうした精巧な偽造品を識別・研究する取り組みを日常的に行っています。
本レポートでは、2025年に二次流通市場で見られた偽造アパレルの傾向をもとに、最新の状況を取りまとめました。
※1:2025年度「フリマ取引に関する実態調査」 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000104.000043703.html
■2025年 偽造品が目立ったアパレルブランド5選
①
ブランド名:Chrome Hearts
商品名:
Chrome Hearts Trucker Cap CH “Black”
真贋ポイント:
偽造品はツバやクラウンの形状が正規品と比べ歪んでおり、全体のバランスが崩れているのが特徴です。
また、メッシュ部分に関しては正規品に比べ柔らかく型崩れしているような物が多く、天ボタンに使用されるコンチョに関しても偽造品ではメッキ素材の物が多く使用されており、光沢や加工が異なります。
②
ブランド名:THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)
商品名:The North Face 1996 Retro Nuptse Jacket “Black”
真贋ポイント:
胸のロゴ刺繍をよく見てみると、「C」と「O」の書体が異なっている事がわかります。また、使用されている糸の種類も若干異なっています。
さらに、ハーフドームの刺繍の仕様にも差異が見られます。「トラストネームタグ」は形状に違いがあり、正規品が横長なのに対し、偽造品は正方形に近いことも特徴です。また、加工自体も荒く、雪山の雪が多いのも偽造品のポイントです。
③
ブランド名:ARC’TERYX(アークテリクス)
商品名:
ARC’TERYX Beta LT Jacket “Black”
真贋ポイント:偽造品の特徴として、フロント部分やポケットに使用されているファスナーにブランド刻印が入っていないものが多く、本体に施される始祖鳥の刺繍にも違いが現れやすいことが特徴です。(年式や商品によって刺繍の形状は異なる)
④
ブランド名:MONCLER(モンクレール)
商品名:MONCLER Maya Short Down Jacket “Black”
真贋ポイント:
ブランドロゴの再現精度に顕著な特徴があります。書体では、正規品は「MONCLER」のO・C・Eの曲線、文字の間隔(カーニング)が正確なのに対し、偽造品はOの潰れ、Cの開きの不均一、Eの線の歪みなど字形のクセが出やすいことが特徴です。
雄鶏モチーフのトサカ(青)、首元のラインは、正規品ほど線の角度・太さ・カーブが均質で、刺繍の輪郭が滑らかに立ち上がる一方で、偽造品は、刺繍機の精度不足からトサカのギザつきや首元ラインのわずかな歪みが生じやすいことが特徴です。
⑤
ブランド名:Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)
商品名:
Louis Vuitton x Takashi Murakami Nano Speedy Monogram”Multicolore Blanc”
真贋ポイント:
偽造品では、まずキーベルのサイズが正規品より大きく作られている点が確認できます。
さらに、レザータグに押印されたアイコンモチーフの形状にも違いがあり、正規品と比較するとやや押印が浅いことが特徴です。
ボタン部分の刻印についても正規品とは形や仕上がりに差が見られ、字体や大きさに明確な違いがあります。
■特に気を付けたい“二次流通での購入時の注意点”について
フリマアプリやECサイトなどの二次流通では、出品者が「並行輸入品」、「海外限定」、「ノベルティ」、「アウトレット品」などと説明を添えて偽造品を販売しているケースが多く見られます。中には正規品の正規流通品も存在しますが、こうした表現を偽造品業者が“正規品らしく見せるための手口”として利用するケースも少なくありません。
特に「海外限定」「現地仕入れ」などの表記は、消費者に“レアもの”や“掘り出し物”の印象を与えやすいため、注意が必要です。実際にはブランド公式の販売経路を通っていない、あるいは真贋が確認されていない商品が紛れている場合があります。
ただし、偽造品=並行輸入品というわけではありません。 並行輸入自体は、海外の正規販売店などから独自に仕入れを行う合法的な流通形態であり、すべてが偽造品というわけではありません。重要なのは下記の要件を満たしているかどうかになります。
並行輸入が適法となるための3つの要件
1. 真正商品であること(適法性の要件)
2. 日本と日本国外の商標権者の実質的同一性があること(同一人性の要件)
3. 品質の同一性があること(品質管理性の要件)
安心して取引を行うためには、購入前に販売経路や販売者の実績を確認し、真贋鑑定を経た商品を選ぶことが大切です。
■スニダンの鑑定技術と今後について
スニダンでは、すべての取引商品に真贋鑑定を導入しており、X線・赤外線・UVライト・マイクロスコープといった各種機器を活用することで、外観では判別が難しい内部構造や素材の違いまで確認しています。鑑定拠点「スニダンベース」では、専門の鑑定士が常駐し、日々進化する偽造品の収集・分析を通じて鑑定精度を高めています。
2025年には新たに「スニダン鑑定研究所」を設立しました。同研究所は、偽造品の研究・分析や鑑定技術の高度化、鑑定士教育への活用に加え、偽造品に関する情報発信の役割を担っています。これにより、現場で蓄積された知見を体系的に整理し、鑑定水準を継続的に向上させる仕組みを整えました。
今後も、精巧化が進む偽造技術に対応し、「偽造品流通ゼロ」の実現に向けて、研究所での取り組みと現場の鑑定体制を連動させ、誰もが一切の不安なく、心から取引を楽しめるマーケットプレイスを作り続けてまいります。