実用性と品質を追求したビジネスウェア向け生地コレクションが誕生いたしました。
御幸毛織株式会社のプレスリリース
御幸毛織株式会社は、2025年秋冬シーズンにおいて、創業140周年を迎える老舗卸商社<鷹岡株式会社>様とのコラボレーション企画第2弾を発表いたします。
第1弾では、約100年前に誕生した生地ブランド「FANCYTEX」を現代的にアレンジした春夏向けコレクションを展開。伝統技術を活かした“夏素材シャリック”を使用し、高品質で涼感に優れた生地は多くの反響をいただきました。その好評を受けて、秋冬シーズンには第2弾として、Super130’sウールを使用した高級服地と、実用性と品質を兼ね備えたメンズビジネスウェア向けコレクションを新たに展開いたします。
さらに今回、<鷹岡株式会社>様が高品質なイタリア糸の買い付けに成功したことを契機に、当社がプロデュースを担当させていただき織物(FANCYTEX)同様、当社独自のレシピにより“世界と戦えるクオリティ”を備えたオリジナルジャージ生地が誕生いたしました。
お取り扱い先・・・鷹岡株式会社
生地ラインアップ
■ FANCYTEX ~Super 130’s Wool~(織物)
オーストラリア・ヴィクトリア州を中心に生産されるトレーサビリティのある希少原料「ディープクリンプ種」を使用したスーツ素材です。ディープクリンプ種は、世界随一のメリノウール生産国オーストラリアで1%以下しか存在しない貴重な原料です。通常の原料に比べ、クリンプ(縮れ)が深く細かい形状により、繊維1本1本に均一性があるため、滑らかな感触と光沢感があり、ハイクラスのスーツ地に適した質感が得られます。当社では、このSUPER130’s(※1)クラスの原料を用いて双糸91番手(※2)を紡績。縦横に双糸を使用し、低速でしっかりと打ち込む織設計を採用しています。さらに、ウール本来の油分を適度に保持する天然石鹸による洗い加工など、丹念な工程を経ることで、繊細さと耐久性を兼ね備えた上質なスーツ地に仕上げました。
※1 SUPER 130’s……ウールの糸を構成する1本1本の繊維の平均的な太さは、直径約30μm〜13μmの範囲にあります。1ミリメートルの1000分の1を「1μm(マイクロメートル)」と呼びます。数字が大きくなるほど繊維が細く、より滑らかで繊細なタッチになります。
※2 番手…糸の細さ・太さを表す表示単位。1,000g1,000mの糸が1番手と定められています。
■ FANCYTEX ~ESSENTIALS basic line~(織物)
実用的で高品質なものづくりを追求した、メンズビジネスウエア向けコレクション MIYUKI ESSENTIALS。ベーシックラインは、日本の気候や風土に適した安定感のあるスーツ地用途として、日本独自で発展し古くから使われてきた20.5μの2/60番手を使用。緯糸は単糸にすることで目付260g(※3)といわゆる中肉で、オールシーズン着用できるスーツに仕上げました。適度なハリ感、光沢感があり、仕立て映え、耐久性に優れ、通年での着用に適しており、ビジネスツールとして信頼できる品質です。
※3 目付…一定面積当たりの生地の質量を示します。目付が小さいほど薄く軽く、目付が大きいほど厚く重くなります。
■ オリジナルジャージ生地(編物)
イタリア製の高級糸を使用し、当社オリジナルレシピに基づき、国内協力工場にて編み上げたジャージ生地。「セットアップ」に最適なストレッチ性と、伸縮後の形状回復性(キックバック)を追求。仕上げには“フルデカ”を採用し、原料の良さを最大限に引き出す艶と光沢を実現しました。一見すると織物と見間違うほどスマートな外観を持つ、ハイスペックなジャージ素材です。
《企画の背景と両社の想い》
2025年春夏に展開したコラボレーション企画第1弾「FANCYTEX」復刻コレクションが大変好評をいただいたことを受け、第2弾の実施が決定しました。第1弾では織物素材を中心に展開しましたが、今回はその流れを継承しつつ、<鷹岡株式会社>様のお客様からの「さらに上質なジャージ素材を取り扱いたい」とのご要望に応えるかたちで、ジャージ素材の企画も実現いたしました。
ジャージ企画においては、<鷹岡株式会社様>が得意とするイタリア糸の調達と、色出しの美しさが大きな強みとなり、原料の生産地としてイタリアを選定。また、編み・織り・仕上げにおいて高い安定性を誇る尾州の技術を活かすことで、縦伸びを15%に抑え、縫製のしやすさや寸法の安定性、着用時の耐久性を確保。こうした背景から、「イタリア糸 × 尾州編み」という理想的な組み合わせが実現しました。
<鷹岡株式会社>様は、春夏や秋冬といった従来のシーズン概念にとらわれず、「着たい時に着られる」ことを重視した素材開発を推進。日本の気候変動に対応し、柔軟な着用シーンに応える新しいマーケットニーズを捉えた取り組みです。さらに今回は、女性目線での素材開発にも注力しており、女性の活躍にフォーカスした企画として位置づけています。
また、当社では、尾州の機屋における高齢化に伴い、耳ネームなどの伝統技術が失われつつある現状を踏まえ、国産技術の継承と発展を目指しています。今後もこうした取り組みを通じて、日本のものづくり文化を守り、次世代へとつなげてまいります。
御幸毛織株式会社 会社概要
URL :https://www.miyukikeori.co.jp/index.html
業種 :製造業
本社所在地 :愛知県名古屋市西区市場木町390番地ミユキビル
電話番号 :052-509-1600
代表者名 :渡邉 紘志