株式会社ユナイテッドアローズのプレスリリース
株式会社ユナイテッドアローズ(代表取締役 社長執行役員 CEO: 松崎 善則、本社所在地:東京都渋谷区)は、サステナビリティ活動のスローガン「SARROWS(サローズ)」のもと、2022年8月に、2030年に向けた3つの活動目標:「Circularity(循環するファッション)」、「Carbon Neutrality(カーボンニュートラルな世界へ)」、「Humanity(健やかに働く、暮らす)」を掲げ、各種活動を推進しています。2024年4月~2025年3月までの主な活動と数値目標に対する実績をご報告いたします。
■2024年4月~2025年3月のサステナビリティ活動「SARROWS」の実績と総括
1、「Circularity(循環するファッション)」について
繊維製品の廃棄率:2023年0.03%→2024年0.01% |
商品の廃棄率:2023年0.08%→2024年0.10% |
環境配慮商品の割合: 2023年7.6%→2024年8.8% |
「繊維製品の廃棄率」がリサイクルの推進などにより2030年に向けた目標(0.00%)まであと一歩に迫る値に達した一方、「商品の廃棄率」は前年より微増しました。これは、革・合成皮革・金属・ゴムなど複数の非繊維素材で構成された商品の多くは、そのままではリサイクルが困難であり、その結果、廃棄対象となる商品が一定数発生してしまうためです。ただし、2030年に向けた数値目標(0.10%)は達成しました。今後は、素材分離や再資源化の新技術導入や、それらに対応できるリサイクル事業者との取引を検討することで長期的に改善を目指します。「環境配慮商品の割合」は前年より良化しており、引き続き事業を横断した環境配慮素材の使用や素材の開発を推進してまいります。
「Circularity(循環するファッション)」の主な取り組みは以下の通りです。
・商品廃棄の極小化に向けた具体的な取り組み
現場対応・品質管理・流通最適化・再活用の4つの柱で、商品廃棄の極小化を多角的に進めています。
1. KPIによる管理:
商品廃棄を「繊維製品」と「商品全体」に分類してKPIを設定。精密な目標設定と進捗管理により、廃棄削減を数値で可視化しています。
2. 規格外品(傷物品)の発生抑制:
店頭での試着や陳列時に発生しやすい傷や汚れを減らすため、スタッフが丁寧な商品取り扱いを徹底。試着時にはお客様にフェイスカバーの使用を積極的にご案内しています。
3. 2023年度に導入した規格外品の判定フローを継続運用:
店舗から専門部署へオンラインで情報共有し必要な商品のみ本社へ送付することで、輸送・廃棄の負荷を削減。判定の迅速化により、販売機会ロスが減少および定価販売比率も向上しています。
4. 品質管理の強化:
オリジナル企画商品の生産委託先(国内外26工場)とQC(クオリティ・コントロール)ミーティングを実施し、商品不良の事例共有や技術向上策を議論。工場との信頼関係を深め、
品質の安定化と向上を図っています。
5. 売れ残り商品の再活用:
販売しきれなかった商品もただちに廃棄はせず、外部企業と連携して再販売やリサイクルを促進。
・先進的な環境配慮素材を使用した商品の開発
高デザイン性と高機能性を担保しながら、先進的な環境配慮素材を使用した商品を企画開発しました。
参考リリース:
スパイバーの「ブリュード・プロテイン™ ファイバー」を原料に含む同一素材を㈱ユナイテッドアローズ初の試みとして6ブランド横断で商品化(2024年12月5日発表)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000319.000003197.html
・リサイクル素材を活用した商品企画および回収活動の継続
「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」は、2015年以降継続してリサイクルダウンを使用したダウンの企画販売と、年間を通して全店舗におけるダウンウェアの回収を行っています。
参考リリース:
「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」がグリーンダウンプロジェクトのリサイクルダウンを使用したダウンウェアを発売。今年で継続10年目、クリーンな再生羽毛を使用したダウンウェアを展開(2024年11月27日発表)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000316.000003197.html
「Circularity(循環するファッション)」の各目標達成に直結する取り組みではありませんが、衣類の回収を行う「UAリサイクルアクション」を毎年8月と2月に継続的に開催しています。お客様のご賛同のもと、毎回高い回収実績を収め、ご不要品の廃棄低減につなげています。
参考リリース:
・不要な衣料品をさまざまなカタチでリサイクル。廃棄物削減と循環型ファッションの推進に向けてお客様とともに取り組む「UA RECYCLE ACTION」(2025年1月31日発表)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000334.000003197.html
2、「Carbon Neutrality(カーボンニュートラルな世界へ)」について
CO2排出量の削減率(Scope1&Scope2):2023年-13.4%→2024年-32.5% |
CO2排出量の削減率(Scope3):2023年-13.1%→2024年+2.8% |
再生可能エネルギーの割合:2023年12.5%→2024年24.6% |
「CO2排出量の削減率」では、Scope1&Scope2における低減が進行し、2024年は前年から19.1ポイント改善の-32.5%、「再生可能エネルギーの割合」も同12.1ポイント増加の24.6%となりました。これらの理由としては、店舗の出店先である大手商業施設等における電力のグリーン化が進み、当社店舗専有部における導入を開始したためです。2024年度に新たに34拠点が加わり、2023年度末段階の12.5%に対してほぼ倍増の結果となりました。一方、Scope3は前年より削減が進まず、今後の対策として、オーガニックや再生素材を使用した商品の拡大、商品素材の見直し、再生可能エネルギーを導入している工場選定等に加え、算定方法の精緻化などを検討してまいります。
「Carbon Neutrality(カーボンニュートラルな世界へ)」の主な取り組みは以下の通りです。
・商業施設のエネルギー状況調査の実施と再生可能エネルギー導入に向けた意見交換
当社店舗の出店先の各商業施設を対象とするエネルギー状況調査の実施とともに、各担当者様との面談により、将来的な再生可能エネルギー化に向けた今後の取り組みの方向性も協議しています。
・CDPの気候変動分野においてB評価、水セキュリティでA-評価に認定
2025年2月、当社はCDP(企業などの環境情報開示システムを提供する国際的な非営利団体)の「気候変動」分野でマネジメントレベルの「B」評価、「水セキュリティ」分野でリーダーシップレベルの「A-(Aマイナス)」評価を獲得しました。なお、2024年度の活動ではありませんが、同年7月、同じくCDPが実施した、サプライチェーンにおける温室効果ガス(GHG)排出量削減の課題に対して企業がどのようにサプライヤーと協働して取り組んでいるかを評価する「サプライヤー・エンゲージメント評価」(2024年度)において、最高評価の「サプライヤー・エンゲージメント・リーダー」に初めて選定されました。
3、「Humanity(健やかに働く、暮らす)」について
行動規範同意書の取得率:2023年74.4%→2024年77.2% |
従業員エンゲージメントスコア(e NPS):2023年-42.0→2024年-45.6 |
従業員意識調査 肯定的回答率:2023年74.5%→2024年73.8% |
「行動規範同意書の取得率」は前年から2.8ポイント増の77.2%と伸長しました。今後、早期の100%達成を目指してまいります。「従業員エンゲージメントスコア(e NPS)」は同3.6ポイント低下のー45.6、「従業員意識調査 肯定的回答率」は同0.7ポイント低下の73.8%となりました。若手社員のエンゲージメントスコアは向上したものの、中堅層の同スコアが低下しており、今後は中堅層に向けたリスキリングプログラムの拡充や成長支援、社員のライフスタイルや個別事情に寄り添う相談窓口やキャリアデザインセミナーの強化に取り組んでまいります。
「Humanity(健やかに働く、暮らす)」の主な取り組みは以下の通りです。
・行動規範同意書の取得、国内提携工場の実地監査の継続実施
サプライチェーンの透明性を高めるため、従前より「商品調達取引先様向け行動規範」を策定し、同意書の取得を推進しています。また、2023年2月より国内提携工場の実地監査を開始し、2024年度は3拠点の監査を行いました。
参考:「商品調達取引先様向け行動規範」
https://www.united-arrows.co.jp/wp-content/uploads/2023/06/2306_kihan_jpn.pdf
・従業員エンゲージメント向上に向けた各種人事施策の推進
従業員エンゲージメントを適切に把握するため、2012年から毎年従業員意識調査を実施し、人事戦略に反映しています。2024年度は若手社員に対するキャリアパスの明示や教育機会の拡充、業務とサービスの質を高める店舗DXの推進、マネジメントとの対話機会の創出などを主な注力施策として進めました。
参考資料:
「ESGデータブック(2024年4月1日~2025年3月31日)」(2025年8月7日発表)
主にESG投資に関心の高いステークホルダーの皆様に向けたレポートとして、ESGの項目別データを整理したものです。
https://www.united-arrows.co.jp/wp-content/uploads/2025/08/esgdatabook2025_jp.pdf
■当社のサステナビリティ活動「SARROWS(サローズ)」について
「SARROWS(サローズ)」とは、ユナイテッドアローズのサステナビリティ活動の合言葉で、「Sustainability」の「S」と、「ARROWS」の「A」を掛け合わせた造語です。
2020年4月、当社はサステナビリティ推進の指針として5つのテーマと16のマテリアリティ(重要課題)を定めました。さらに、2022年8月、2030年に向けた3つの活動目標:「Circularity(循環するファッション)」、「Carbon Neutrality(カーボンニュートラルな世界へ)」、「Humanity(健やかに働く、暮らす)」と、この3つのカテゴリーに紐づく数値目標を設定しました。これらの目標の実現を目指し、具体的な取り組みを進めるとともに、その進捗状況を積極的に情報発信していきます。
https://www.united-arrows.co.jp/sustainability/
■株式会社ユナイテッドアローズについて
1989年創業。独自のセンスで国内外から調達したデザイナーズブランドとオリジナル企画の紳士服・婦人服および雑貨等の商品をミックスし販売するセレクトショップを運営しています。「ユナイテッドアローズ」「ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ」「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」等のブランドやレーベルを展開。