株式会社ワコールのプレスリリース
(株)ワコールホールディングスの子会社である(株)ワコール(本社:京都市、代表取締役社長執行役員:川西啓介、以下ワコール)は、世界的ファッションブランド「doublet(ダブレット)」と協業し、ワコール独自の立体成形技術「Melooop(メループ)」を用いた新作を2026年春夏パリ・ファッションウィークにて発表いたしました。(現地時間2025年6月29日(日)10:00)
本コラボレーションは2025年秋冬パリ・ファッションウィークに続く第二弾となります。今回のコレクションでは、前回発表した卵型ポシェットのサイズとカラー展開を刷新。さらに、牛乳パックをモチーフにしたポシェットが初登場するなど、「Melooop」独自の縫い目のないシルエットと立体性が「doublet」のユニークなデザインをより引き立たせるコレクションとなっています。
ワコールは今後も、ファッション分野以外の「Melooop」の多様な領域への応用も視野に入れ、技術開発に取り組んでまいります。
■「doublet」デザイナー 井野 将之氏コメント
前回は「Melooop」の技術でどんなことができるのか手探りでワコールの皆さんと共に挑戦しました。
何ができるか、何が苦手なことになるのかその経験を活かして、新たなチャレンジをさせてもらいました。
まだまだ進化できる技術だと感じています。
この先も一緒に彼らと見たことあるけれど触れたことがない質感のものを作っていきたいです。
■立体メルトブロー技術「Melooop」について
ワコールの人間科学研究開発センターが開発した新技術「Melooop」は不織布をつくる手法のひとつであるメルトブロー法で立体物を作製する技法です。
メルトブロー法とは、原料となる樹脂を熱で溶かして紡糸ノズルから押し出し、高速の熱風で引き伸ばすことで極細繊維化し、同時に繊維同士が熱融着することで接着剤などを使用することなく、不織布をつくることができます。
<「Melooop」の特長>
① ポリウレタンやポリ乳酸など、モノマテリアル(単一素材)のため、リサイクルがしやすい
② 繊維を吹き付けることで立体物を成型するため、破棄材料が少ない
③ 原料に染料や顔料を加えることで着色が可能なため、染色工程が不要
④ 3D プリンタで制作した型に吹き付けるため、金型が不要で、小ロット生産に適している
■ワコール人間科学研究開発センターについて
ワコール人間科学研究開発センターは、1964年に設立されたワコールが持つ研究機関で、からだを「美」「快適」「健康」の視点から科学的に研究しています。ここで約60年にわたり蓄積されたデータは、私たちの事業の礎であり、新製品開発への活用はもとより、品質向上やビジネス領域拡大の出発点です。
近年では、からだとこころの関係を紐解くことで、生活者のニーズやインサイトを満たす「魅力的な製品やサービスコンセプト」の提案や新材料・新技術の研究開発を行っています。
■「doublet」との協業について
株式会社ワコールは、2024年に経済産業省主催の「みらいのファッション人材育成プログラム」に採択され、独自の立体成形技術「Melooop」を活用したファッションアイテムの製作に取り組みました。この技術のインナーウェア以外での活用可能性を探るため、ファッションブランド「doublet」と協業し、ポーチとバッグの3点を制作し、2025年秋冬 パリ・ファッションウィークで発表しました。
今回の2026年春夏 パリ・ファッションウィークでの協業は、前回に続き二回目となります。