【時間意識調査】「親子のふれあい時間」調査

―小学生の子どもを持つ共働き夫婦400組対象―

シチズン時計株式会社のプレスリリース

 シチズン時計(本社:東京都西東京市、社長:大治良高)では、6月10日の「時の記念日」を前に、小学生の子どもを持つ共働き夫婦400組を対象とした『親子のふれあい時間』に関する調査を実施しました。本調査では、13年前(2012年)に当社が実施した同様の調査との経年変化に加え、一部新たな質問を追加し、親子がともに過ごす時間についての変化を探りました。

◇ 親子で一緒に過ごす時間は、平日2時間19分(2012年比▲41分)、休日4時間19分(▲70分)と減少傾向

◇ 6割以上の家庭で“時事ネタ”が会話に登場、「物価高」「気候変動」「防災」など生活に身近なテーマに関心

◇ 「分からないこと」はまず親に相談、高学年は“AIに質問”(15.0%)の兆しも

<時の記念日について>

 1920年(大正9年)に生活改善同盟会によって制定。“天智天皇が671年6月10日に漏刻(水時計)を設置し、初めて人々に時を知らせた”という『日本書紀』の記載が由来で、この日が「時の記念日」とされました。

【調査概要】

◆期間 2025年3月27日~3月28日

◆方法 インターネットによる調査(インターネット調査会社を通じてサンプリング・集計)

◆対象 小学生の子どもを持つ共働き夫婦400組(全国)

※小学生が二人以上いる場合は、年長のお子さんとのケースで回答をいただいています。

※文中・表内の百分率(パーセント)の数値は小数点第2位を四捨五入しています。そのため、合計が100%にならない場合があります。

―― 調査結果 ――

Q1.ご家族が一緒に過ごす時間は1日平均どのくらいですか。平日と休日について、それぞれお答えください。

親子で一緒に過ごす時間は、平日2時間19分(▲41分)、休日4時間19分(▲70分)と減少傾向

 親子が一緒に過ごす1日あたりの平均時間は、平日が2時間19分、休日が4時間19分と、いずれも2012年と比べて短くなっています。特に休日は70分の減少と、大きな変化が見られます。

 学年別に見ると、高学年の子どもとの休日の平均時間は4時間5分と、低学年(4時間34分)よりも約30分短く、子どもの成長に伴う生活スタイルの変化が影響していると考えられます。

 背景には、習い事や塾といった個別活動の増加に加え、スマートフォンやタブレットの普及により、家庭内でも親子がそれぞれの時間を過ごすケースが増えていることが一因と推測されます。特に休日は家族全体の予定を合わせにくくなっており、親子のかかわり方にも変化が生じているのかもしれません。

Q2.お子さんと会話する時間は1日平均どのくらいありますか。平日と休日について、父親・母親それぞれのお子さんとの会話時間をお答えください。

会話時間にも変化、特に休日は父親(▲23分)・母親(▲24分)ともに大きく減少

 親子の会話時間は、平日・休日ともに減少傾向が見られます。平日は、父親が平均52分(▲2分)とほぼ横ばいであるのに対し、母親は1時間34分(▲21分)と約2割減少しました。

 休日はさらに減少幅が大きく、父親が1時間40分(▲23分)、母親が2時間3分(▲24分)と、いずれも20分以上短くなっています。特に高学年の子どもとは、父親が1時間30分(▲36分)、母親が1時間55分(▲38分)と、大きく減少していることが分かります。

 この背景には、Q1で示した「一緒に過ごす時間の減少」に加え、子どもの自立やスマートフォン・タブレットの利用増加が影響していると考えられます。同じ空間にいながらも、親子それぞれが個別の活動を行う時間が増え、自然な会話の機会が減っている様子がうかがえます。

Q3.お子さんとの会話はどんな内容が多いですか。(複数回答:3つまで)

親子の会話内容に大きな変化なし、人間関係や身近な出来事が引き続き中心に

 親子の会話で最も多かったのは「友達の話」(67.8%)で、次いで「学校行事の話」(47.5%)、「遊びの話(ゲームなど)」(30.0%)が続きました。2012年と比べて順位や割合に大きな変動はなく、引き続き“身近な話題”が会話の中心になっていることが分かります。

 その中でも変化が見られたのは、「学校行事の話」が8.0ポイント減少した一方で、「世間話(日常の出来事など)」が8.5ポイント増加した点です。イベント性のあるトピックから、その日にあった出来事など、より日常的で気軽なテーマへと広がってきているようです。

 また、「塾・勉強のこと」は3.8ポイント減少したのに対し、「先生の話」が3.5ポイント増加しており、学習内容そのものよりも、学校での人間関係や日々のやりとりといった、子どものリアルな体験に関心が向いている傾向が見て取れます。

Q4.お子さんと最近のニュースや社会の話題について会話することはありますか。(複数回答)

6割以上の家庭で“時事ネタ”が会話に登場、「物価高」「気候変動」「防災」など生活に身近なテーマに関心

 最近のニュースや社会の話題について、親子で会話することがあるかを尋ねたころ、6割以上(64.7%)の家庭で、日常的に社会的なテーマが会話に取り入れられていることが分かりました。なかでも話題に上がりやすいのは、「物価高について」(26.0%)、「気候変動について」(26.0%)、「防災について」(25.5%)といった、生活に直結するテーマです。また、「SNS利用の影響について」(20.5%)も比較的高く、家庭内で現代ならではの社会課題について考える機会があることがうかがえます。

 こうしたニュースをきっかけとした親子の会話が、家庭内で“社会を学ぶ時間”として機能しているのかもしれません。

Q5.休日にご両親とお子さんが一緒にいる時の過ごし方についてお聞きします。下記の6項目に割く平均的な時間をお答えください。

親子の休日の過ごし方は「テレビ」(▲26分)、「ショッピング」(▲18分)が減少、一方で「ゲーム」「勉強」に充てる時間は微増

 休日に親子で一緒に過ごす時間の内容を見ると、2012年と比べて「テレビ視聴」(▲26分)、「ショッピング」(▲18分)、「食事」(▲14分)、「スポーツ・遊び」(▲11分)が軒並み減少しました。特に「テレビ」の減少が顕著で、スマートフォンや動画配信サービスの普及により、“家族そろってテレビを囲む”というスタイルが薄れつつあることがうかがえます。また、「ショッピング」の減少は、物価上昇による消費マインドの低下や、EC(電子商取引)の拡大によって、家族で外出するショッピングからオンラインでの購買へと移行している可能性も考えられます。

 一方、「ゲーム」は8分増加しており、親子で楽しむ娯楽の中心がテレビからゲームへと移行している傾向が見られます。また、「勉強」もわずかに3分増加しており、休日にも“学び”の時間を確保する家庭が増えているのかもしれません。

Q6.平日にお子さんがご家庭でスマートフォンやタブレットを利用する時間は、1日平均どのくらいですか。

子どものスマホ・タブレット利用は平日で平均「約2時間」、高学年ほど長時間に

 小学生の平日におけるスマートフォン・タブレットの平均利用時間は、「1時間59分」とほぼ2時間に迫る水準に達しており、デジタル端末が日常生活に深く浸透していることが分かります。特に高学年は「2時間12分」と、低学年(1時間46分)よりも約30分長く、学年が上がるにつれて使用時間が増える傾向が見られます。

 利用時間の分布では、「2時間程度」(26.5%)が最多で、「1時間程度」(21.5%)、「30分以内」(14.3%)が続きます。一方で、「3時間以上」利用している子どもは全体の23.0%にのぼり、長時間利用が常態化しているケースも少なくありません。

 また、「利用していない」と回答した割合は14.8%にとどまり、ほとんどの家庭でスマートフォンやタブレットが子どもの生活に定着している実態が浮き彫りになりました。学習や娯楽の手段としての活用が進む中で、利用時間やコンテンツ内容への配慮、家庭内でのルールの整備などの重要性が今後さらに高まりそうです。

<前問で「利用している」と回答した方にお聞きします>

Q6-2.お子さんはスマートフォンやタブレットをどのように利用していますか。(複数回答)

スマホ・タブレットの利用目的は「動画視聴」「ゲーム」が2大用途

 スマートフォン・タブレットの利用目的として最も多かったのは、「動画視聴」(62.2%)、次いで「ゲーム」(58.4%)で、子どもたちの関心はエンタメ系コンテンツに集中しています。特に高学年では「動画視聴」(64.8%)、「ゲーム」(61.3%)ともに、低学年より高い傾向が見られました。

 また、「家族や友人との連絡」(35.5%)や「SNS」(23.5%)といったコミュニケーション用途も一定数存在し、こちらも学年が上がるにつれて利用が広がっています。

 一方で、「宿題や学習」(20.5%)に活用している割合は比較的少なく、高学年でも26.9%、低学年では23.8%にとどまりました。全体として、スマホやタブレットは主に娯楽目的で利用されており、学習用途は限定的である実態が浮かび上がりました。

Q6-3.お子さんがスマートフォンやタブレットを利用する際、平日1日あたりの使用時間についてご家庭で時間制限を決めていますか。

家庭でのスマホ・タブレット利用ルールは、約6割が「2時間以内」に制限

 家庭でのスマートフォン・タブレット利用について、時間制限を設けているのは全体の73.3%にのぼりました。最も多かったのは「2時間まで」(26.4%)で、次いで「1時間まで」(23.5%)、「30分まで」(11.4%)が続き、合計61.3%の家庭が“2時間以内”に設定しているという結果になりました。

学年別に見ると、低学年では「30分まで」(15.9%)「1時間まで」(26.8%)など比較的短時間の制限が目立つのに対し、高学年になると「2時間まで」(31.1%)「3時間まで」(11.3%)とやや長めにシフトする傾向が見られます。これは、子どもの成長に応じて家庭のルールも変化している様子がうかがえます。

 一方、「制限なし」と回答した家庭は全体の26.7%を占め、低学年(26.8%)と高学年(26.6%)ともにほぼ同水準です。子どもに自己管理を任せる、あるいは意図的にルールを設けていない家庭も一定数あるようです。

Q7.お子さんは学校の勉強以外で分からないことがある時、誰に聞くことが多いですか。(複数回答)

「分からないこと」はまず親に相談、高学年では“AIに質問”(15.0%)の兆しも

 子どもが学校の勉強以外で疑問が生じた時に、相談する相手は「両親」(88.8%)が最も多く、特に低学年では9割超(91.5%)と、日常的な疑問に関しては親を頼りにしている様子がうかがえます。

 一方で、高学年になると「(本やインターネットを使って)自分で調べる」(16.0%)や「AIに質問する」(15.0%)といった選択肢も増加。自力で解決しようとする姿勢や、AIを“第2の相談相手”とする兆しも見られました。

 また、「友達」や「兄弟姉妹」、「祖父母」など、家族以外に相談するケースも一部で見られるものの、いずれも1~2割程度にとどまりました。

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