ブレゲ「タイプ XX 2075」

250周年を祝し、ブレゲは、1955年の代表的モデルから想を得た2種類のクロノグラフ「タイプ XX 2075」を披露します。

スウォッチグループジャパン株式会社 ブレゲ事業本部のプレスリリース

「フライバック」機能を装備したこれらのクロノグラフは、人間の英知と時代を切り開く勇気を讃えて、3つの人々に敬意を表しています。すなわち、メゾンの創設者でブランドの名にもなった時計師アブラアン-ルイ・ブレゲ、その5代目の子孫で航空機の製造者ルイ-シャルル・ブレゲ、そして2人組の飛行士デュドネ・コスタとモーリス・ベロンです。彼らは、1930年9月1日から2日にかけて、ブレゲ19TFスーパービドンに搭乗してパリからニューヨークを空で結んだ、まさしく最初の人物でした。スーパービドンという名は大容量の燃料タンクに由来し、その機体の両側には大きなクエスチョンマークが描かれていました。

2つの新しいモデルは、ブロンドカラーを放つ独自の合金ブレゲゴールドで作られ、ブラックのアルミニウムまたはシルバー製の文字盤は、1955年に発表され1780の番号が付された「民間用」と称す有名な時計に合わせて仕上げられています。これらはメゾンの技術革新の精神を見事に反映しています。

「これらの新しい『タイプ XX』は、オリジナルモデルの特徴を

小径のケースと手巻きムーブメントで甦らせます」

CEO グレゴリー・キスリング

ブレゲ、発明の代名詞となったファミリーネーム

アブラアン-ルイ・ブレゲ(1747-1823年)は、時計製造に重要な進歩をもたらして時代の扉を開き、5代目の子孫ルイ・ブレゲ(1880-1955年)もまた、大空の分野での発展に功績を残しました。高等電気学校を卒業したこの先駆者は、航空機の製造会社を設立し、当時最先端の複葉機をはじめ、ブレゲXIXのような単葉機、爆撃機、長距離飛行に広く利用された有名な機体などを50年に渡って開発しました。

「疑問符」付きのパリ・ニューヨーク間初飛行

アメリカ人チャールズ・リンドバーグ (1902-1974年)が1927年に達成した大西洋単独横断飛行を成功させたのち、パリからニューヨークに「戻る」飛行の可能性について報道関係者が問いかけられると、ルイ・ブレゲと2人組の飛行士デュドネ・コスタ(1892-1974年)とモーリス・ベロン(1896-1984年)は 「疑問符(クエスチョンマーク)」によってこれに答えるに留めました。この疑問符は、特別に仕立てられたブレゲXIXスーパービドン「クエスチョンマーク号」の赤い機体のコックピット前方に大きな白い字で描かれ、2人のフランス人飛行士は、1930年に2つの都市を無着陸で結ぶ飛行にこれを利用したのです。

航空界の伝説「タイプ XX」

1950年代初頭、フランス空軍は、「タイプ 20」というコードネームのパイロット用腕時計クロノグラフを製造する資格を持ったメーカーを探すように要請しました。いくつかの有力企業の中で、ブレゲはこの技術仕様書を満たす時計を航空界に供給することになります。1952年以降、ブレゲのサインが記されたこの種のツールウォッチが登場します。軍用は、空軍向けの「タイプ 20」と海軍航空隊向けの「タイプ XX」の2種類があり、民間用「タイプ XX」もさまざまなモデルが作られました。その幅広い「タイプ XX」の歴史から想を得て、ブレゲは第4世代「タイプ XX」を2023年に導入し、現行コレクションを形成しました。今回そこに加わるのが2種類の「タイプ XX 2075」です。どちらもメゾンの250年を記念する時計です。

これらのインスピレーション源は、1955年にゴールドで発売された民間用モデルです。ブレゲ社アーカイブによると、このモデルの文字盤はもともとサテン仕上げのシルバーだったものがブラックに置き換えられました。

ブレゲは今回のモデルでこれら2つを再現しました。アルミニウム製のブラック文字盤と、250本限定のシルバー925文字盤です。つまり過去と現在が自然とつながっているのです。

高性能ムーブメントを搭載

これら2つのモデルが搭載するのは、2023年にブレゲが導入した5Hzの高性能ムーブメント、キャリバー728のバリエーションです。ムーブメントには、4時位置のボタンを1回押すだけでクロノグラフ機能のリセットと再スタートが行える「フライバック」機能があります。

キャリバー728では初となる手巻を採用し、2つの新しい派生キャリバーが誕生しました。3時位置に15分積算計を配したブラックのアルミニウム文字盤のキャリバー7279、3時位置に30分積算計を配したシルバー925文字盤のキャリバー7278です。両モデルは9時位置にはスモールセコンドを配し、ムーブメントがブレゲゴールドカラーで彩られています。

ケースバック側のムーブメントには、メゾンの工房で手作業によってすべて仕上げられた彫金が展開します。描かれているのは、大西洋を横断するブレゲXIX、1930年の正確な飛行経路、そしてヨーロッパと北アメリカ大陸の沿岸です。この沿岸にはジーブル加工(フロステッド加工)が施されています。

歴史遺産を語る2つの文字盤

ブレゲは、機体に成分の95%がアルミニウムの「ジュラルミン」と呼ばれる素材を使い、その先駆者になったルイ・ブレゲを讃えて、「タイプ XX 2075」の文字盤にこの素材を選びました。コレクションにおいては初の試みです。7時と8時の間に控え目に記された「AL」の文字がこの素材を表しています。また、1955年の歴史的なモデルのブラックに近づけるためにブレゲが用いたのは、表面に酸化アルミニウムの皮膜を生成し、腐食から完全に守る陽極酸化の技法です。この処理のために、ブレゲは最近の技術革新をアルミニウムに駆使して、深いブラックと抜群の力学的剛性を実現しました。実際にそれは航空宇宙の分野で用いられているものです。その結果、最高の視認性と抜群の耐久性が得られました。シルバー文字盤の「タイプ XX」にも歴史的なモデルNo.1790の個性が刻まれ、オリジナルのデザインがシルバー文字盤に忠実に反映されています。新しいモデルでは、ブラッシュ仕上げを施した本物のスターリングシルバー文字盤が繊細で洗練された輝きを放ち、時計のタイムレスな気品を引き立てています。この素材を示す「Ag925」の控え目な記号が7時と8時の間に刻印されています。こちらのモデルはまた、経過時間によって速度の計測ができるタキメータースケールを装備する点でもうひとつのモデルと異なっています。

2つの文字盤は、アプライドによる細く繊細なBreguetの文字と、数字やインデックスなどもまったく同様にブレゲゴールドで作られていますです。

ブレゲゴールドのケース

直径は1955年の歴史的モデルと同一の38.3mmで、厚さが13.2mmのケースは、全体が18Kブレゲゴールドで作られています。ブレゲの名を冠したこの合金は「クラシック スースクリプション 2025」の発表時に披露されました。75%のゴールドにシルバー、コッパー、パラジウムを組み合わせた、このブロンドの色調を帯びたこの貴金属は、民間用モデルのノッチと目盛りが備わる細身の両方向回転ベゼルにも用いられています。ベゼルの数字は、ブラックのアルミニウム文字盤を用いたモデルはブラック、シルバー文字盤のモデルはブルーで記されています。またリュウズにブレゲのイニシャル「B」が刻まれています。

新しい2つのモデルに付属するインターチェンジャブル機能をもったレザーストラップは、アルミニウム文字盤のモデルはブラック、シルバー文字盤のモデルはブルーのグラデーション加工が施されています。

ブレゲと航空の世界

ブレゲという名は卓越した時計づくりを想起させますが、その名は航空の歴史にも鳴り響いています。発明の才に富んだ家系の血筋を引き、アブラアン-ルイ・ブレゲの5代目の子孫にあたるルイ-シャルル・ブレゲ (1880-1955年) は、フランス航空界の先駆者のひとりでした。

20世紀初頭、機械と大空への情熱に突き動かされたルイ・ブレゲは、初の実験的なヘリコプターを考案します。乗員とともに地面から上昇できるこのジャイロプレーン( 1907年)は、当時としては技術的快挙でした。次に彼はブレゲ航空会社を設立して、民間と軍事の両分野で航空の発展に重要な役割を演じました。

第一次世界大戦の時期は、大規模に飛行機を製造し、その高性能が歓迎されました。とりわけ有名なのは、伝説的な複葉機として名高く、爆撃機としても知られたブレゲ14です。戦後のブレゲは、商用飛行に力を入れ、空輸による新しい世界の開拓に積極的に取り組みました。

先見の明と行動力を持った人物のルイ・ブレゲはまた、エールフランスの創設やヘリコプターの誕生にも貢献しました。その名は、草創期のエールフランスとは切り離せません。彼は果敢な精神と気品をもって大空に挑戦したのです。


CEOグレゴリー・キスリングのコメント

1. 2025年に新しい2つの「タイプ XX」ゴールドで発表したのはなぜですか?

これらの力強い精密時計は、いくつもの要素を記念しています。とりわけ私たちは、この2025年にゴールドを用いた最初の「タイプ XX」の70周年を祝います。実際にブレゲは1955年に製作した3本のモデルは、ケースがイエローゴールドでした。もともと航空用の時計をスティールで考案していたにもかかわらずです! さらに、これらのモデルの1本はブレゲ・ミュージアムに収められています。私たちは、何年も前にオークションで売り出されていたものを手に入れることができました。

2. ケース径38.3mmと手巻ムーブメントを選んだのは、もちろん偶然ではなかったわけですね?

私たちは、できるだけオリジナルモデルとその構成要素に近づけたいと思いました。そこで、1950年代のモデルを継承するにふさわしい時計を求める純粋主義の愛好家や時計通の方々に向けて2つの製品を用意したのです。

3. なぜニューヨークで発表するのですか?

ニューヨークとパリの空路はすでに1927年から結ばれていましたが、パリからニューヨークへの初飛行が正式にブレゲの航空機によって1930年に達成されたからです。そして私たちは、東から西への飛行は、向かい風の影響のせいでより困難なことを知っています。この成功に貢献した機体は、1929年に初飛行を行いました。

4. ブレゲのコレクションにおいて「タイプ XX」どのような重要な位置を占めていますか?

「タイプ XX」は、ブレゲのコレクションの一部を成しています。航空と結び付く豊かな歴史の遺産を受け継ぐ「タイプ XX」は、クロノグラフにおけるメゾンの専門技術を証明するものです。「タイプ XX」に対しては、メゾンの各種コレクションとの調和を図るためと、時計製造や歴史に関心の高い一般の方に感銘を与えられるように、特に歴史的な特徴に注意を払いました。

5. 「タイプ XX」のコレクションは、近い将来さらに発展していくのでしょうか?

もちろんです。スティールとゴールドモデルは、ブレスレットに幅広い選択肢が考えられ、コレクションが一般の方々のさまざまな好みに応えるのと同じように、その可能性が尽きることはありません。展望は大きく広がっています。とりわけケースサイズ、仕上げ、素材などです。コレクションはこのようにして、だんだんと充実していくでしょう。

副社長・パトリモニー部門責任者エマニュエル・ブレゲのコメント

1. 時計のブレゲと航空との関係は?

空の時代の幕開けからメゾン・ブレゲは、技術の大きな進歩と一緒に歩むという伝統を忠実に守り、航空の分野での需要に注意を払っていました。航海用の時計を考案したのに続いて、メゾンが航空に目を向けたのは当然でした。これに加え、忘れてはならないのは、アブラアン-ルイ・ブレゲの直系の子孫で、航空の偉大な先駆者のルイ・ブレゲが非常に重要かつ有名な数々の航空機の製造者になったことです。ブレゲ家が時計ブランドを他に譲渡していたとはいえ、両者の関係は維持されました。したがって時計メゾンの関心を航空という重要なテーマに向けさせ、実り多い両者の接近を促進するうえで重要な役を演じたのがルイ・ブレゲだったのでしょう。

2. ルイ・ブレゲ航空会社はその後どうなりましたか?

ルイ・ブレゲによって1911年に創設されたブレゲ航空会社は、フランスやその他の多くの国の航空の歴史に名を残しました。軍用機や民間機の開発で先駆者となった彼の会社は、特に第一次世界大戦で活躍したブレゲ14、その後のブレゲ「ドゥ・ポン」やブレゲ941のような画期的な構造の機体で有名になりました。1971年にブレゲ航空会社はダッソーと合併し、マルセル・ダッソー-ブレゲ航空機という会社が組織されました。この会社が1990年にダッソー・アビアシオンの名で簡素化されたことにより「ブレゲ」の名が消えました。こうした事情によってブレゲ航空会社というものが存在しなくなったとしても、その革新の精神はフランス航空産業を通じて生き続けているのです。

3. ブレゲXIXは現存しているのでしょうか?

はい、現在ル・ブルジェの航空宇宙博物館に展示されています。この機体は1937年以来ここにあり、内容が充実したこの博物館のハイライトのひとつに数えられます。

4. 「フライバック」機能の起源はどこにありますか?

1930年から1940年代に航空当局の要請から生まれたフライバック機能は、ブレゲの発明ではありませんが、航空機の計器パネルに組み込まれた各種のクロノグラフのように、1954年からあらゆる「タイプ XX」のクロノグラフに装備されています。実際に時間短縮ができることでパイロットに歓迎された「フライバック」機能は、下部のボタンを1回押すだけでクロノグラフ針をゼロに戻すことができ、ゼロに戻ったクロノグラフ針は即座に新しい計測を始めます。「フライバック」機能がなければ、再計測の開始までに3回のボタン操作が必要になります。

5. エッフェル塔の基部にフランスの人物の名が刻まれていますが、その中にあるブレゲはアブラアン-ルイ・ブレゲのことでしょうか?

いいえ、違います。エッフェル塔に刻まれたブレゲの名が指しているのは、時計師で物理学者のルイ-クレマン・ブレゲ(1804-1883年)です。電信や電気の利用で先駆者だった彼は、アブラアン-ルイ・ブレゲの孫で、しかも航空のルイ・ブレゲの祖父でもありました。


ブレゲ ブティック銀座 ☎03-6254-7211
ブレゲ ブティック伊勢丹新宿店 ☎03-3352-1111 大代表
ブレゲ ブティック日本橋三越本店 ☎03-6665-0143
ブレゲ ブティック阪急うめだ本店 ☎06-6313-7863

https://www.breguet.com/jp

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