未来を切り拓く女性の力、団結、創造性へのオマージュ
リシュモン ジャパン株式会社のプレスリリース
2025年5月21日、カルティエと2025年大阪・関西万博は「ウーマンズ パビリオンin collaboration with Cartier」開幕イベントを開催いたしました。内閣府、経済産業省、および2025年日本国際博覧会協会との特別なパートナーシップによって実現した「ウーマンズ パビリオンin collaboration with Cartier」は、ジェンダー平等に光を当て、共同体としての対話を促し、インクルーシブで回復力のある社会を築くために女性が果たす重要な役割を称える、グローバルなプラットフォームです。
パビリオンの開幕を祝福する挨拶に始まり、「WA」セッションの開催、オープニングセレモニー、大阪迎賓館で行われたセレブレーションディナーに至るまで、さまざまなインスピレーションや繋がりをもたらすウーマンズ パビリオンの始まりに相応しい一日となりました。
ウーマンズ パビリオン 開会の辞
開幕のイベントは、パネルディスカッションや対話、前進するための交流や振り返りの場として設けられたウーマンズ パビリオン内2階の「WA」スペースから始まりました。「WA」スペースは、今後6ヶ月にわたる万博期間中に、150あまりのセッションが開催される予定となっています。
「WA」セッションには、ウーマンズ パビリオンの設計を手掛けた日本人建築家の永山祐子、BIE事務局長ディミトリ・ケルケンツェス(Dimitri Kerkentzes)、カルティエ カルチャー&フィランソロピー会長のシリル・ヴィニュロン(Cyrille Vigneron)、カルティエ ジャパン プレジデント&CEOの宮地純が登壇。ともにウーマンズ パビリオンのコンセプトを紹介し、「女性のエンパワーメントこそ、私たちの共通の未来への原動力」という力強いメッセージを伝えました。このステートメントを通して、2020年ドバイ万博の先駆的な精神から生まれ、今回大阪・関西万博で再構築されたウーマンズ パビリオンの永続的なレガシーは、さらに強固なものとなりました。
このレガシーを受け継ぎ、永山祐子が手掛けたウーマンズ パビリオンのファサードには、万博終了後、第三の命が吹き込まれます。2027年に横浜で開催される国際園芸博覧会にて再利用されることが決定しました。ウーマンズ パビリオンの建築的かつ象徴的なインパクトが、大阪を越えて広がっていくこととなります。
「WA」スペースは、グローバルな交流の場となり、ウーマンズ パビリオンのより深い目的を体現します。ここは、あらゆるボーダーを越えてアイデアが交わり、行動を促す多様な意見が集まり、長年のパラダイムを果敢に再考する場です。ドバイ万博を受け継ぎ、大阪・関西万博においても、この場所は発展に向けての場となります。政府と企業、社会と文化界のシナジーを通して、ウーマンズ パビリオンは、永続的な変化を促すことを目指します。ここでは、デザインが対話となり、建築がアドボカシーとなり、会話がそのきっかけとなります。
「WA」セッション:Shaping the world together(ともに世界を形づくる)
「WA」セッションは、「ともに世界を形づくる」というテーマのもと、行動を促す力強い呼びかけで幕を開けました。著名な作家、放送作家であり、ジェンダー平等の提唱者として知られるサンディ・トクスヴィグ がモデレーターを務めたオープニングセッション「ともに輝く:明るい未来を拓く連携の力」では、シリル・ヴィニュロン(Cyrille Vigneron)、国連女性機関事務局次長で、資源管理・持続可能性・パートナーシップを担当するカーシー・マディ(Kirsi Madi)、アヴァンディス コンサルティング(Avandis Consulting)のマネージングディレクターで100 Women@Davosの創設者であるアニノ・エムワ(Anino Emuwa)博士が登壇。3名はともに、組織や企業レベルでの連携が、いかに制度の障壁を取り払い、SDGsの目標5である「ジェンダー平等」の実現を加速させるのかを掘り下げました。
「変革するフィランソロピー:人生を変える力」と題された2つ目のセッションでは、カルティエ フィランソロピーのストラテジックアドバイザーのパスカル・ドゥ・ラ・フレゴニエール(Pascale de la Frégonnière)がモデレーターを務め、女性や子供を支援する上でフィランソロピーが果たす具体的な役割に焦点が当てられました。エデュケイト ガールズ(Educate Girls)の設立者兼理事であるサフィーナ・フセイン、ウジャマア(Ujamaa)のエグゼクティブディレクターであるベンジャミン・オモンディ・ムボヤ、シリル・ヴィニュロンも加わったこの対話では、ジェンダーに基づく暴力から法的な不平等、教育や医療へのアクセスに至るまで、さまざまな問題が取り上げられました。
「政府と企業、慈善団体や一人ひとりが共通の目的に向かって一致団結すれば、それは善き世界への大きな推進力になります。『WA』セッションは現代のアゴラとして、善意に満ちた英知を迎え、世界中の女性たちをはじめとする人々のアイデアや功績を共有する場を提供します。『女性が輝けば、人類・社会全体が輝く』。女性のエンパワーメントこそ、持続可能な発展の根幹をなすのです」
カルティエ カルチャー&フィランソロピー会長 シリル・ヴィニュロン(Cyrille Vigneron)
文化とイノベーション、そして、目標をもって開催されたオープニングセレモニー
EXPOホールで開催されたウーマンズ パビリオンのオープニングセレモニーには、約1,600人のゲストが参加。政府関係者や企業パートナー、国内外のメディア、学生を含む、世代を超えた国際色豊かな顔ぶれに、インクルーシブな未来の共創を目指すウーマンズ パビリオンのミッションが反映されていました。
音を可視化するテクノロジー、サイマティクスに着想を得て設計されたステージは、空間そのものが共鳴する楽器のように生まれ変わり、ドラム型の形状と五感を刺激する没入型デザインにより、音の波が煌めきをまとって壁や天井に投影され、スピーチやパフォーマンスの一つひとつが、感情に訴えかける視覚体験へと変わりました。それは舞台の枠を超え、ウーマンズ パビリオンの声とビジョンを共鳴させ、団結と変革に向けた強いメッセージを発信しました。
カルティエ ジャパンのプレジデント&CEO宮地 純の挨拶とともにセレモニーは始まり、カルティエのジェンダー平等へのコミットメントと、パビリオンのコンセプトである「女性が輝けば、人類・社会全体が輝く」という強い信念が改めて伝えられました。2025年国際博覧会担当国務大臣の伊東良孝氏からのビデオメッセージが続き、その後、高円宮妃久子殿下が登壇され、祝辞を述べられました。アラブ首長国連邦国際協力担当大臣兼ドバイ国際博覧会2020事務局総裁のリーム・アル・ハーシミー閣下は、ウーマンズ パビリオンのレガシーについて振り返り、社会全体をよくするためのコラボレーションの力を強調。ウーマンズ パビリオンの長年の支援者であり、パビリオンに登場するビジョナリーリーダーの一人である黒柳徹子氏からは、ビデオメッセージを通して、永続的な変革の必要性が強く訴えられました。
セレモニーのクロージングメッセージとして、カルティエ カルチャー&フィランソロピー会長のシリル・ヴィニュロン(Cyrille Vigneron)が挨拶し、カルティエと万博のパートナーシップが、グローバルな対話、有意義なコラボレーション、そして永続的な発展のための強力なプラットフォームであることを再確認しました。
「カルティエでは、前進するためには、皆で力を合わせることが必要だと信じています。ウーマンズ パビリオンは、さまざまな意見や考え方、視点を尊重し高める場であり、共に築き上げる選択をすることによって、持続的な平等が実現しうるものになることを気づかせてくれます。」
カルティエ ジャパン プレジデント&CEO宮地 純
「女性は常に変化を起こす中心にいましたが、彼女たちの物語は見過ごされがちです。ウーマンズ パビリオンは、彼女たちの強さと逆境を乗り越える、しなやかさを称え、未来を創造する女性のパワーに光を当てます。それは、私たちが女性による貢献を認識し、より公平で思いやりのある世界を創造するにために力を合わせることを求める呼びかけです」
女優、ユニセフ親善大使 黒柳徹子
言葉の壁を超えた芸術パフォーマンス
セレモニーのオープニングを飾ったのは、作家、詩人、UNHCRサポーターであるJJ・ボラによる詩のパフォーマンスです。ボラは、キーラン・ブラントの作品を伴奏に、自身のオリジナル作品『Something Beautiful(サムシング ビューティフル)』を朗読し、会場全体のムードを盛り上げました。アイデンティティ、マスキュリニティ、難民などをテーマに活動する彼の声は、レジリエンスと集団的な意識の変革に向けたメッセージを伝え、夢見ること、思い出すこと、そして行動することの大切さを聴衆に訴えかけました。個人的な記憶と普遍的な真実に根ざしたこのパフォーマンスは、ウーマンズ パビリオンによる団結と変革への呼びかけに呼応するものでした。
セレモニーは、コレオグラフィーを通して調和と再生を称えるパフォーマンスでフィナーレを迎えました。和太鼓奏者、フォークシンガーの里アンナ、2人の若手ソリスト、そして国内外の合唱団が一堂に会し、伝統と革新の力強い融合の中で、平安時代の詩と日本の春の鮮やかな色彩にインスパイアされたオリジナル曲を披露。『The Flower of the Human Heart(心に咲く花)』と題されたこの作品は、和泉式部の言葉から着想を得て、レジリエンス、団結、変革への呼びかけを表現しました。
パフォーマーが身にまとったのは、京都の老舗織元「細尾」による19色の伝統的な色合いの中からのいずれかの色で染められた手作りの衣装でした。何世紀にもわたって受け継がれてきた西陣織の技術と現代の職人技を融合させた衣装は、ウーマンズ パビリオンを象徴するメタファーとして、個性と集団の強さを生き生きと表現。また、エズ・デヴリンが手掛けた舞台は、光、水、音で形成され、ウーマンズ パビリオンの中心をなす言葉やアイデアを伝える一連の楽器として用いられました。
文化への敬意と共通の信念を分かち合う夜
夕暮れとともに、舞台は大阪迎賓館へと移り、ゲストたちは関西地方の魅力を存分に体験。京都で制作された提灯のあかりが灯るなか、和歌山の陶器と地元の植栽に彩られた空間にて、フランス・パリの三つ星ミシュランシェフ 小林圭による、日本の厳選食材を生かした洗練されたディナーが提供されました。
また、祝宴のディナーで披露された伝説の金剛流「藤」の能楽公演では、女性笛手が登場。男性中心の伝統芸能術において、変革を象徴する瞬間となりました。
後半には、著名な詩人エムティハル・マフムードが、正義、アイデンティティ、レジリエンスをテーマに力強いスポークンワードを披露しました。
現在、そして未来のためのウーマンズ パビリオン
ウーマンズ パビリオンは、単なるシンボルではなく、発展を促す生きたプラットフォームとしての使命を果たします。4月から10月までの期間、「WA」セッションをはじめ、没入型展示、参加型体験など多様なプログラムを展開するウーマンズ パビリオン。耳を傾け、自ら考え、より公平な未来を共創していくことを世界中の人々に呼びかけ、団結、創造性、希望という価値観を軸に、2025年大阪・関西万博にとどまらず、ジェンダー平等のための世界的な活動に永続的な影響をもたらすことを目指しています。