長谷川等伯と俵屋宗達の美意識を今に伝える新シリーズ発売
株式会社箔一のプレスリリース
株式会社箔一(本社:石川県金沢市、代表取締役社長 浅野達也)は、伝統的な金沢箔を用いた扇子シリーズにおいて、日本美術史に名を刻む絵師、長谷川等伯と俵屋宗達の技法に着想を得た「墨美シリーズ」2種を新たに発表いたします。また、同時に金箔の色彩美をテーマにした「彩美シリーズ」より新柄1種も発売いたします。発売日は2025年4月27日(日)、金沢市内の直営店舗および公式オンラインショップ「HAKUICHI STYLE」にて販売いたします。
【商品開発の背景】
箔一が長年提案してきた「金沢箔扇子」は、屏風や掛け軸に見られる日本の伝統美術における金箔表現を、扇面に落とし込んだ工芸品です。金箔の繊細な煌めきと、日常使いの道具である扇が融合することで、身近に美を楽しむ新たなかたちを生み出してきました。扇骨に用いる竹や扇面の和紙など、すべての素材は国内で丁寧に加工され、熟練の職人が一点一点、手仕事で仕上げています。
今回、桃山・江戸初期を代表する絵師、長谷川等伯と俵屋宗達の作品に敬意を表し、水墨表現と金箔が調和する扇子として展開します。また、金箔の持つ豊かな色彩に注目した「彩美シリーズ」も1種加わりました。
【新商品概要】
■墨美シリーズ – 水墨画の美を、手元で愛でる
中国から伝わり、日本で独自の発展を遂げた「水墨画」。にじみ、ぼかし、かすれといった技法を駆使して、単色の世界に深い情緒を宿すこの画風は、禅の思想とも呼応し、日本美術の精神性を象徴する存在といえます。
この扇子は、桃山から江戸初期にかけて活躍した二人の名絵師――武家文化のなかで育まれた長谷川等伯と、京都の町衆文化に根ざした俵屋宗達――の技法を手がかりに、水墨表現と金箔の美を現代の暮らしに取り入れたものです。
禅が重んじた「静」と「空(くう)」を感じさせる墨の濃淡や余白の美、そして扇面に散りばめられた金箔の煌めきが、静けさの中に凛とした華やぎを添えます。手に取った瞬間から、使うほどに深まる美の世界をご堪能ください。
1)金沢箔扇子 墨美 等伯 tohaku
石川県七尾市に生まれた長谷川等伯。その代表作『松林図屏風』に見られるように、墨の濃淡を巧みに操る「ぼかし」の技法は、余白に広がる静けさや奥行を生み出し、日本美術史においても特別な存在感を放ちます。
この扇子は、そうした等伯の表現を現代に映したものです。和紙の上に繊細な墨のグラデーションを施し、無限に広がるような奥行を感じさせる扇面に仕上げました。この「ぼかし」はすべて職人の手作業によるもの。和紙と墨、そして熟練の技が重なり合うことでのみ生まれる、幽玄の美がそこにあります。さらに、控えめに散らされた金箔が、あおぐたびに仄かに光を放ち、静かな中に華やぎを添えます。
2)金沢箔扇子 墨美 宗達 sotatsu
琳派の創始者として知られる俵屋宗達。その代表的な技法である「たらしこみ」は、墨が乾ききる前に濃度の異なる墨を重ねることで、紙の上に偶然性と計算が交錯する独自の表情を生み出すものです。墨のにじみが織りなす形や濃淡には、意図を超えた美が宿ります。
この扇子では、宗達の「たらしこみ」に着想を得て、和紙の上に墨をにじませる工程を、職人が一点一点手仕事で仕上げています。にじみの輪郭や墨の重なりはすべて異なり、それぞれが唯一無二の風情を纏います。扇面に繊細に散らされた金箔が、墨の揺らぎと呼応するようにきらめき、日本画の筆致が、手のひらの上で静かに息づく逸品です。
■彩美シリーズ – 金箔の色彩美を愉しむ
金箔は一色ではありません。金箔の「金色」には、400年を超える伝統の中で生まれてきた様々な色彩があります。金を溶かす際に銅や銀を混ぜることで生まれる色彩には、四号色や五毛色といった呼称があり、作家や職人たちに使い分けられてきました。この金箔の文化に息づく繊細な色彩感覚を表現したのが「彩美」のシリーズです。
3)金沢箔扇子 彩美 白茶 shiracha
三歩色とシャンパンゴールド、異なる色調の金箔を重ね合わせることで、上品な光沢と奥行きを生み出しました。背景には和の伝統色「白茶」のグラデーションを用い、扇骨の竹の色とも美しく調和。控えめながらも洗練された華やかさを纏う、静謐な一品です。
【詳細】
商品名:
1)金沢箔扇子 墨美 等伯 tohaku
2)金沢箔扇子 墨美 宗達 sotatsu
3)金沢箔扇子 彩美 白茶 shiracha
サイズ:W220 × D25 × H10mm
■価格:16,500円(税込)
■ 発売日:2025年4月27日(日)
■販売:箔一各直営店舗、および公式オンラインショップ「HAKUICHI STYLE」