THE ART OF SILK

グッチはこのたび、「The Art of Silk」プロジェクトを発表いたします。このプロジェクトは、シルク製品におけるクラフツマンシップの豊かな歴史をたたえるとともに、芸術的革新の新しい道を切り開くものです。何十年にもわたる歴史と現代のクリエイティブな表現が融合したこのプロジェクトは、1950年代から今日に至るまでファッションやアートの世界で再解釈されているシルクスカーフの歴史の進化を辿るものでもあります。シルクスカーフ プロジェクト「90 x 90」では、世界で活躍する9人のアーティストがグッチのアーカイブに根ざした5つのモチーフ ― フローラ、アニマリエ（動物）、ノーティカル（航海）、エクエストリアン（乗馬）、GGパターン ― を再解釈します。また、このプロジェクトの一環として、グッチのシルクスカーフに秘められた豊かな歴史と芸術性が描かれたアートブック『Gucci: The Art of Silk』をアスリーヌ社より出版します。

シルクに息づくグッチのレガシー

グッチのシルク製品の歩みは1950年代に始まり、その芸術性とラグジュアリーな魅力はグッチのレガシーの礎となり、今日まで受け継がれ続けています。初期のデザインには、グッチを象徴するレザーグッズからインスピレーションを得たモチーフが採用され、グッチのクラフツマンシップに根ざした世界観が反映されていました。

1958年、グッチはシルク製品の未来に向けて大きな一歩を踏み出します。イタリアのシルク名産の地として知られるコモ発祥の名門シルクメーカーと提携し、初のシルクスカーフ「Tolda di Nave」を発表しました。航海をテーマとしたこの素晴らしいスカーフは、グッチのシルクの世界における革新の幕開けを飾るものとなりました。

1960年代に入ると、グッチは著名なアーティストでありイラストレーターのヴィットリオ･アッコルネロ･デ･テスタとのコラボレーションを通じて、スカーフのデザインをさらに進化させます。イマジネーションにあふれ、緻密なディテールとモチーフを鮮やかに描き出す彼のデザインは、スカーフをグッチのアイコンへと昇華させました。1960年から1981年の間にアッコルネロはグッチのスカーフのために約80点ものデザインを生み出し、シルク製品を「着るアート」へと変貌させたのです。

グッチのアイデンティティの象徴としてスカーフの存在感が高まるに従い、フローラ、アニマリエ（動物）、ノーティカル（航海）、エクエストリアン（乗馬）といったテーマのモチーフ、さらにはアイコニックなGGパターンやGUCCI ロゴを用いた多彩なデザインがシルクを彩るようになりました。1969年には、スカーフと同様のプリントが施されたシルクのシャツやドレスのコレクションが発表されました。今日でもシルクを彩ってきたプリントやパターンは、グッチのウェアコレクションのさまざまなアイテムに取り入れられています。

フローラ

フローラ プリントのスカーフはグッチの最もアイコニックなアイテムのひとつで、そのオリジナルは、1966年にモナコのグレース大公妃のためにデザインされたものです。グレース大公妃に特別な贈り物をしたいというロドルフォ･グッチの想いを受けて、ヴィットリオ･アッコルネロ･デ･テスタは緻密なデザインの傑作をわずか1週間で完成させました。

27種類の花々とともに、木の実や蝶、昆虫が繊細なタッチで描かれたそのデザインをシルクに再現するために、37色もの異なる色を使い、一つひとつの色を慎重に重ねていくという方法でプリントが施されました。その鮮やかな美しさはシルク製品におけるグッチの卓越した職人技の証です。フローラ プリントは瞬く間に人気となり、1969年にはグッチ初のシルクドレスの誕生へとつながりました。その後もフローラは、グッチの歴代クリエイティブ･ディレクターたちのそれぞれのヴィジョンが注ぎ込まれ再解釈されながら、時代を超えた魅力を保ち続けています。

ノーティカル（航海）

ノーティカル モチーフのデザインは、1950年代に制作された「Tolda di Nave」に始まり、1960年代にヴィットリオ･アッコルネロ･デ･テスタのディレクションのもとでさらなる広がりを見せ、グッチのデザインの重要なエレメントとなりました。1970年代半ばには、ジュエリーやアクセサリーのモチーフとして「マリナチェーン」が登場し、その後、スカーフやウェアにも展開されました。この絡み合うチェーンを表現したパターンは、船旅やヨット遊びなど海を舞台にしたエレガントなライフスタイルを象徴するデザインとして愛され続けています。2023年には、「マリナチェーン」を再解釈した新たなファインジュエリー コレクションを発表し、その時代を超えた魅力が改めて証明されました。

アニマリエ（動物）

動物や昆虫のモチーフは、1969年にヴィットリオ･アッコルネロ･デ･テスタがアニマリエ プリントを発表して以来、グッチのデザインに欠かせないエレメントとなっています。ライオン、鳥、蝶などの自然界の生き物を鮮やかに描いたアニマリエ プリントは、1970年代から1990年代にかけて、グッチのネクタイやスカーフ、ウェアを飾りました。

GGパターン

GGパターンはグッチ初のシグネチャーモチーフであるディアマンテ パターンから進化したもので、1969年に誕生しました。2つのGを反転して組み合わせダイヤモンド型に配置したそのパターンは、最初はラゲージにあしらわれ、その後スカーフ、ネクタイ、ウェア コレクションを飾るようになります。

エクエストリアン（乗馬）

乗馬の世界は、グッチのシルクスカーフ デザインに大きな影響を与えました。1950年代、グッチのデザインは、乗馬やゴルフ、フィッシングといったアウトドアレジャーから多くインスピレーションを得ていましたが、その魅力と価値は、「ウェブ ストライプ」と「ホースビット」という乗馬の世界に由来する2つのシンボルの登場によってさらに高まりました。ダブルリングとバーから成る「ホースビット」は、1950年代に乗馬競技への敬意の証としてデザインされたものです。「ホースビット」と「ウェブ ストライプ」は、発表されるとすぐにグッチのシンボルとなり、バッグ、シューズ、ベルト、ジュエリー、スカーフ、ウェア コレクションに取り入れられ、ブランドの伝統と最新のデザインの架け橋となりました。

「90 x 90」プロジェクト

「ファッション アーカイブの探求とは、何よりもまず、観察と解釈を絶え間なく繰り返す作業です。スカーフのアーカイブの場合、それはまるで物語を読み解くようなものでもあります」 ― 『Gucci: The Art of Silk』より

グッチは、ブランドのレガシーへの現代的なオマージュとして、「90 x 90」プロジェクトを発表します。この新たな芸術的イニシアティブでは、9人の新進気鋭アーティストがブランドを象徴する5つのモチーフを再解釈しています。「90 x 90」は、シルクツイル製スカーフの定番サイズ（90 x 90cm）にちなんで名付けられました。本プロジェクトは、グッチの歴史を呼び起こしながら、シルクスカーフをアーティスティックな表現メディアとして再解釈し、その魅力にスポットライトをあてるものです。グッチは9人のアーティストに、スカーフに繰り返し登場してきたブランドを象徴する5つのモチーフ ― フローラ、アニマリエ（動物）、ノーティカル（航海）、エクエストリアン（乗馬）、GGパターン ― を用いた作品制作を依頼しました。

参加アーティストである、ロバート･バリー、エヴェレット･グレン、サラ･レギッサ、カリーニュウ、ジョニー･ニーシェ、ジオ･パストーリ、ワルテル･ペトローン、ユ･ツァイ、ソ･インジの9名は、それぞれの視点とアプローチで個性あふれる作品を生み出しました。そして完成したシルクスカーフは、時にシニカルでありながらウィットに富み、あるいはエモーショナルな美しさを湛え、その中にグッチとアーティストたち自身の世界観を同時に映し出しています。「90 x 90」プロジェクトのスカーフは、ポップアート、ファインアート、ファッションの境界を超え、小さなマスターピースとして存在感を放っています。

「これらのスカーフの中であらゆるモチーフが生き生きとしています。フローラの中心に咲くユリの花からサバンナの動物たちまで、すべてがSF的なモノトーンの輝きやアドベンチャーコミックの魅力的なキャラクターに変貌します。これらの表現は、グッチのアイコンをさらに強化し、新たな生命を吹き込んで、未来に向けた新たな視点、解釈、そして可能性を提示しています」― 『Gucci: The Art of Silk』より

Gucci: The Art of Silk

このプロジェクトを補完するのが、『Gucci: The Art of Silk』です。この本は世界的に知られるアスリーヌ社とのコラボレーションによってキュレーションされたもので、グッチのシルクスカーフに秘められた豊かな歴史と芸術性を探る初めてのアートブックです。文化的意義、クラフツマンシップ、そして時を超えた進化について深く掘り下げています。

『Gucci: The Art of Silk』は、グッチの卓越したシルクスカーフの物語を紐解く初めてのアートブックです。本書は、グッチのアーカイブを独自に探求し、グッチ家によるブランド創設から、歴代のクリエイティブ･ディレクターたちのもとでスカーフが果たしてきた役割に至るまで、アイコニックなアクセサリーであるシルクスカーフの豊かな歴史を辿ります。そこには、スカーフがときにはグッチというブランドの運命を形づくり、またその歩みを映し出してきたこと、グッチ家が現代のメディチ家のような存在を目指していたこと、ルネサンス時代のフィレンツェの影響、映画スターたちをはじめとするさまざまなセレブリティや貴族の影響力、受け継がれる職人技とクリエイティビティ（グッチのアトリエの未公開写真も掲載）、トム･フォード、フリーダ･ジャンニーニ、アレッサンドロ･ミケーレ、そしてサバト･デ･サルノといったグッチの歴代クリエイティブ･ディレクターのヴィジョンや課題が語られています。さらにスカーフとアートとの関係、最新のシルクスカーフ プロジェクト「90 x 90」についても紹介しています。

著名な編集者であり作家でもあるジョー･アン･ファーニスのキュレーションによるこのアートブックには、ジェニファー･スリュカ、クリストファー･ウォレスをはじめとする作家の寄稿文が掲載され、シルクスカーフに息づくグッチのクラフツマンシップと数十年にわたる歴史が網羅されています。

『Gucci: The Art of Silk』は、美しいシルクプリントのケースに箔押しのロゴが施され、コレクターにとって真のマスターピースとなるでしょう。また、28 x 35cmサイズの本書は300ページにわたるボリュームとなっており、表紙には、グッチの最も有名なモチーフのひとつである「フローラ プリント」があしらわれています。ボッティチェリの絵画《プリマヴェーラ（春）》を思わせるこの美しいプリントは、37色を使い、43種類の花や植物、昆虫をすべて手描きで描いたものです。

本書は、グッチ公式オンラインショップと一部のグッチショップ、アスリーヌ社の公式オンラインショップと書店で販売されます。

GUCCI

1921年、フィレンツェで創設されたグッチは、世界のラグジュアリーファッションを牽引するブランドのひとつです。ブランド創設100周年を経て、グッチはCEOステファノ･カンティーノの下、クリエイティビティ、イタリアのクラフツマンシップ、イノベーションをたたえながら、ラグジュアリーの再定義への歩みを続けています。

グッチは、ファッション、レザーグッズ、ジュエリー、アイウェアの名だたるブランドを擁するグローバル･ラグジュアリー･グループであるケリングに属しています。

詳しくは、www.gucci.comをご覧ください。