テント産業の廃棄物をファッションにアップサイクル

テント建築総合メーカーの山口産業が、異分野との協業でテント端材などのアップサイクルを推進し、廃棄物ゼロを目指す。

山口産業株式会社のプレスリリース

山口産業株式会社は、持続可能な社会の実現に向けた新たな取り組みとして、テント膜などの廃棄物をアップサイクルする「廃棄ZEROプロジェクト」を開始しました。

本プロジェクトは、異業種・異分野との協業を通じて、山口産業が生業としているテント産業の廃棄物ゼロを目指すもので、これまでの試みと新たな挑戦を融合させた取り組みです。

本取組の一環として、香蘭女子短期大学ファッション総合学科、大村美容ファッション専門学校と協業し、テント端材などの廃棄物をファッションアイテムにアップサイクルする産学連携の取り組みを実施。異業種・異分野との端材提供ネットワークを構築し、プロジェクトの加速を図ることで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

今後、本取組を通じた持続可能性を学ぶ機会創出を目的とし、学生がテント産業による廃棄物を使ったサスティナブルファッションをテーマとした衣装製作をするPBL授業への活用を計画しています。

福岡県香蘭女子短期大学ファッション総合学科の学生による   テントの端材をアップサイクルしたファッション          2025年2月16日 卒業修了制作展2025
福岡県大村美容ファッション専門学校の学生による          テントの端材をアップサイクルしたファッション       2025年2月22日 ファイナルコンテスト

背景と目的

山口産業は、社会課題の解決を目指すプロジェクト『MEMBRANE LAB.』の一環として、「より環境負荷の少ない事業の実現」と「持続可能な膜産業の構築」を推進しています。これまで以下の取り組みなどに取り組み、持続可能な社会の実現を目指しています。

膜屋根のCO2排出量の見える化

ファブリックファサードの日射熱取得率と空調負荷低減率の数値化

グリーン電力の活用・リサイクルフロー構築

◆プレスリリース

アルミ屋根と比較してCO2排出量を66%低減する膜の屋根。膜構造メーカーが原材料調達から廃棄までのCO2排出量を見える化。

◆メディア掲載

朝日新聞デジタル SDGsACTION!-「テント素材」で建築のCO2を大幅削減 佐賀のメーカーが描く環境配慮の未来図

日本経済新聞(会員限定記事)-佐賀の山口産業、膜構造で既存ビル省エネ 外観も美しく

その行動指針の下、テント産業廃棄物のアップサイクルが急務とされ、これまでに文具メーカー『HIGHTIDE』と共同で、端材を活用したトートバッグの開発などに取り組んできました。

◆プレスリリース

廃棄していた膜素材をバッグにアップサイクル。SDGs 時代に、持続可能な膜産業の構築で目指すべき未来へ。


香蘭女子短期大学×山口産業

サスティナブルファッションを学ぶ授業にテント端材を活用

福岡県香蘭女子短期大学ファッション総合科との産学連携により、持続可能性を学ぶ機会創出を目的とし、学生がテント産業による廃棄物を使ったサスティナブルファッションをテーマとした衣装製作をする授業への活用を計画しています。

その先駆けとして、2025年2月にはテント端材を使用した衣装作品が「香蘭女子短期大学 卒業・修了制作展2025」で披露されています。

テント端材×サスティナブルファッションー香蘭女子短期大学 卒業・修了制作展2025

テーマ:「Bouquet of emotions」

自分の感情やその変化を「プルチックの感情の輪」をもとに色や形で洋服に落とし込む。 「プルチックの感情の輪」とは、基本となる8つの感情、『喜び・信頼・恐れ・驚き・悲しみ・嫌悪・怒り・期待』から、感情同士が混ざり合うことでいろいろな感情が誕生する その中から喜び・怒り・悲しみをテント生地を使い表現。

怒り

デジタルパターンを使い 三角形や四角形で切り替えたパーツ

悲しみ

顔を隠すフードや 下に落ちていく丈感で哀愁を表現

喜び

フェルトやニードルパンチミシンでふわふわした温かさを表現


大村美容ファッション専門学校×山口産業

コンテスト作品で端材を使用し、準グランプリを獲得

大村美容ファッション専門学校の学生がテント端材やハトメを使った衣装を製作。2025年2月に開催された「大村美容ファッション専門学校 ファイナルコンテスト」にてサステナビリティを意識したユニークなデザインの作品が見事準グランプリを獲得しました。

本取組がサガテレビニュースで放送:気持ちが揺さぶられた」“テント端材”を使って衣装制作 多久市の企業と福岡市の学生の試み【佐賀県】 (25/03/13 18:20)

テント端材×サスティナブルファッションー大村美容ファッション専門学校 ファイナルコンテスト2025

廃棄膜材から材料を選定

学生自ら本社にて廃棄膜材を選定

今回のコンテスト作品に使用したテント端材やハトメはコンテストに参加した学生自らが選定。建築用テント素材の品質の高さに驚き、インスピレーションを膨らませながら作品製作に取り組んだ。

イベントテント用の膜材を使ったカラフルなスカート
工場用間仕切りなどに使用される透明膜材を使用したベスト
膜構造建築にロープで張力をかける際に使用するリング状の金具「ハトメ」を使用したスーツ
準グランプリを獲得した制作チーム

NEWGRAPHY Fukuoka Art Book Fair×山口産業

福岡発のアートブックイベント「NEWGRAPHY Fukuoka Art Book Fair」にも端材を提供し、実際の素材を見ていただいて、現場の出展者の方と、活用例や印刷技術との相性など、ヒアリングしながら以下のような活用を実施、想定しています。

・印刷機の下、プリントワークショップコーナーでの床の養生に利用。

・出展者様の印刷技術で、黄色の布にオリジナルロゴをプリントしたものは、今後フラッグとして活用

・制作物の素材を探しているアーチストさんにご紹介、今後の制作のキャンパスとして活用。

NEWGRAPHY Fukuoka Art Book Fair WEBページ


今後の展望

「廃棄ZEROプロジェクト」は、異業種・異分野との端材提供ネットワークを構築し、プロジェクトの加速を図ることで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。今後も、香蘭女子短期大学ファッション総合科との産学連携による、学生が膜端材を使ったサステナビリティファッションを学ぶ衣装製作のPBL授業への活用を計画。これにより、端材の新たな価値を創出し、社会課題の解決に貢献します。

山口産業は、今後も環境に優しい事業の実現を目指し、持続可能な未来のために革新的な取り組みを続けてまいります。


山口産業について

山口産業は、業界トップクラスを誇る産業用テント倉庫に留まらず、大規模な公共空間やスポーツ施設など、さまざまな膜構造の製造に取り組んでいます。設計・製造・施工まで社内で一貫して行うことで高品質・短納期で製品提供を可能とし、培ってきた技術と経験に異業種の知見を掛け合わせることで、これからの膜構造の可能性を追求していくプロジェクト「MEMBRANE LAB.」を通じて社会課題解決にも挑戦しています。

社 名:山口産業株式会社

所在地:佐賀県多久市多久町3555-120

代表者:代表取締役 山口 篤樹

TEL:0952-74-2525

URL:https://membry.jp/

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