株式会社ケリングジャパンのプレスリリース
ケリングはスタートアップ成長支援の専門部隊であるCIC Instituteのサポートの下、昨年設立したアワードプログラム「ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパン」の第1回授賞式を2025年3月13日(木)に東京・虎ノ門のTOKYO NODE HALLにて開催することを発表しました。本プログラムはファッションとビューティ業界において環境と社会にポジティブなインパクトをもたらすイノベーションを発掘・育成することを目的としています。2018年に発足した「ケリング・ジェネレーション・アワード」は現在、中国、日本、サウジアラビア、そしてジュエリー業界にまで展開されています。
本プログラムでは、代替原材料・素材、製造工程とリテール、消費者エンゲージメントというサブテーマごとに募集を行い、国内のスタートアップ企業および研究者から120社を超える応募が寄せられました。書類選考と2回のピッチイベントを経て選出された上位3社が、授賞式にて発表されます。上位3社には、包括的なメンターシップとネットワーキングの機会、ファッションとビューティ分野のイノベーションリーダーとの交流を目的としたヨーロッパ研修の機会などの特典が提供されます。さらに、最優秀企業には賞金1,000万円が授与されます。また、当日はケリング会長兼CEOのフランソワ=アンリ・ピノーと、プロテイン繊維「Brewed Protein™ファイバー」を開発・生産するバイオスタートアップのSpiber株式会社代表執行役の関山和秀氏による対談も予定されています。会場には本アワードの審査員やアドバイザリーボードメンバーなどが集まり、第1回「ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパン」受賞者を讃えます。
授賞式はオンラインにて視聴が可能です。(事前登録制)
「ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパン」授賞式
日時:2025年3月13日(木)17:30~19:00
配信リンク&イベントページ:https://peatix.com/event/4265541/
本アワードの最新情報は専用ウェブページにてご確認ください。
https://jp.cic.com/cic-kering_generation_award/
審査員について(敬称略)
アメリア・ジュール(一般社団法人コンサベーション・インターナショナル・ジャパン カントリー・ディレクター)
キャシー松井(MPower Partners Fund L.P. ゼネラルパートナー)
水野 大二郎 (京都工芸繊維大学教授、慶應義塾大学大学院特別招聘教授、デザイン研究者)
山崎 智士(株式会社サティス製薬 代表取締役CEO)
渡辺 貴生(株式会社ゴールドウイン 代表取締役社長)
フランソワ=アンリ・ピノー (ケリング会長兼CEO)
マリー=クレール・ダヴー(ケリング チーフ・サステナビリティ・オフィサー兼渉外担当責任者)
ラファエラ・コルナッジャ(ケリング ボーテCEO)
ティエリ・マルティ(ケリング ノース&サウスイースト・アジアパシフィック プレジデント)
アドバイザリー・ボードについて(敬称略)
石田 ともみ(環境エネルギー投資 キャピタリスト/インパクト・オフィサー)/ 岩田 紘宜(技術経営戦略学専攻博士課程 未来ビジョン研究センター リサーチ・アシスタント)/ 大松沢 明宏(日本化学繊維協会 技術グループ長)/ 梶原 加奈子(株式会社KAJIHARA DESIGN STUDIO 代表取締役)/ 鎌田 安里紗(一般社団法人unisteps共同代表理事)/ 中村 恵生(繊研新聞社 記者)/ 長谷川 隆( 国際商業出版株式会社 取締役 「国際商業」編集長)/ 林 千晶(株式会社Q0代表取締役社長)/ 東 憲児(Spiber株式会社 執行役員兼欧州支店代表)/日比 保史(のぞみエナジー株式会社 ヘッド・オブ・サステナビリティ)/ 向 千鶴(「WWDJAPAN」サステナビリティ・ディレクター)/ 矢野 貴久子(株式会社アイスタイルBeautyTech.jp編集部 編集長)/梅澤 高明(CIC Japan会長 / A.T. カーニー日本法人社長)/ アンジー・ユー (ケリング グレーターチャイナ ベンチャーマネージャー)
第1回「ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパン」の上位11社として選出された企業
グループA:代替原材料・素材 / 製造工程
株式会社アルガルバイオ https://algalbio.co.jp/
アルガルバイオは、多種多様な藻類を保有し、その実用化を一気通貫で手がける研究開発型バイオベン
チャーです。藻類は森林・農地・食物生産に影響を及ぼさず培養でき、面積当たりのCO2固定能に優れた、サステナブルな原料です。藻類は光合成でCO2を固定し、アンチエイジング、UV吸収、保湿などに役立つさまざまな機能性成分と天然色素を含有します。エシカルで持続可能な代替原料として技術開発を進めており、ビューティ、ファッションの分野での活用が期待されます。
AMPHIBIO LTD (Trading as AMPHICO) https://www.amphico.uk/
AMPHIBIO LTD(通称AMPHICO)は英国と日本に拠点を持つ材料系スタートアップであり、アパレル産業に起因の環境問題解決のため様々な材料ソリューションを開発。特に、アメリカと欧州における有害化合物PFASの規制を背景に、従来PFASが多用されていたアウトドアアパレル向けの機能性透湿防水テキスタイルをPFASフリーで実現する技術や、水汚染などの環境汚染を大幅に削減する無水着色技術を開発しています。
Synflux株式会社 https://synflux.io/
Synfluxは、人工知能や3Dシミュレーション、アルゴリズミックデザインを活用し、持続可能なファッションの実現を目指し活動するデザイン・スタートアップ。独自のデザインエンジン「AlgorithmicCouture」の応用を通して、環境配慮を重視するアパレル・ファッションブランドとのアライアンス事業を推進しています。製造プロセスのデジタル化により、衣服の型紙設計工程で出てしまう布の廃棄を最小化し、CO2と材料コストの削減を達成することができます。
FiberCraze株式会社 https://www.fibercraze.com/ja
「ミクロな技術で、人類と地球のミライを織りなす」をビジョンとし、岐阜大学の基礎研究から生まれた繊維・フィルム素材の多孔化技術を使った高機能性素材を開発しています。世界の社会課題に対し、目に見えないナノテクノロジーを駆使して解決していきます。岐阜の地域を中心とした技術力を集結させて新たな価値を創造し、生活や産業の発展を担うインフラとなる素材の確立を目指します。
株式会社ファーメンステーション https://fermenstation.co.jp/
独自の発酵技術を有し、未利用資源を機能性のある素材や製品にする事業に取り組み、サーキュラーエコノミーの実現を目指すバイオテクノロジースタートアップ。規格外の農産物や飲料・食品工場で排出される製造残さ等の未利用バイオマスを、各種フレーバー、高機能化粧品素材などへ転換する共同開発や自社工場での製造事業を展開しています。2022年よりB Corp認証を受けています。
マイクロバイオファクトリー株式会社 https://microbiofactory.co.jp/
化学品製造の脱化石資源化を目指し、バイオマス由来の原料を活用した微生物発酵での化学品生産に取り組むスタートアップ。現在複数の開発パイプライン化合物を有しており、サステナブルな化学品製造の事業化を目指しています。
グループB:リテール / 消費者エンゲージメント
株式会社ARCHIVESTOCK https://archive-stock.com/
「文化的価値の高いファッションアイテムの保全と継承」をミッションに、ファッションアイテムを記録・保存・売買できるリセールプラットフォーム「ARCHIVESTOCK」を開発、運営。パーソナル機能やAI技術を駆使し、リユースファッションを通じた環境的・経済的な世界的コミュニティを創出する挑戦を行っています。
株式会社comvey https://comvey.jp/
「美しい物流をつくる」をビジョンに、EC事業者向けに繰り返し使える梱包「シェアバッグ®︎」、およびそれらを運用するためのオペレーションシステムを開発・展開しています。
株式会社STANDING OVATION https://www.s-ovation.jp
「クローゼットを持ち歩く、循環型のファッション体験を創る」ビジョン実現を目指し ① AIスタイリストが「持っている服」からコーデを提案してくれるオンライン・クローゼットのBtoCアプリ「XZ(クローゼット)」② お客様の「持っている服」と「商品」の相性を確認でき、サステナブルな買い物体験をOMOで提供するBtoBサービス「XZ-biz(クローゼットビズ)」を開発・運営しています。
株式会社Spacewasp https://spacewasp.net/
様々な産業から排出される植物廃棄物から植物由来の内装空間(内装、家具、建材)を製造・販売。作れる人がいない内装業界において、自動で空間を作れる仕組みと、何度も作り変えられる循環型内装で、未来の内装インフラを創出し、ホテル・オフィス・店舗等の内装を必要とする事業者に内装空間を提供します。
株式会社モーンガータ https://man-gata.com/
大手化粧品企業16社と協業し、化粧品の中身をアップサイクルするスタートアップ。B to B(素材開発・企画運営・IPビジネス)だけでなく、B to C(プロダクト開発)も手掛けます。弊社のみが保持する余剰化粧品資源と自社特許技術を駆使し、化粧品中身から多岐に渡る工業素材を開発。現在、物流効率化とトレーサビリティ提供や認証サポートのためのシステム開発なども手掛け、化粧品業界全体の再生利用スキームのハブとなっています。
ケリングのサステナビリティ戦略:Crafting Tomorrow’s Luxury
ケリングとサステナビリティには長年にわたる歴史があります。「ラグジュアリーとサステナビリティは一体である」というケリング会長兼CEOであるフランソワ=アンリ・ピノーの強い信念を反映し、サステナビリティは15年前にケリングの戦略の中心に据えられました。以来ケリングでは、「ケア(配慮)」「コラボレート(協働)」「クリエイト(創造)」という3つの柱を設定し、より持続可能で責任あるラグジュアリーを開発、展開しています。資源消費を削減し、人々を尊重することが絶対条件となる世界において、この3つの柱がケリングのサステナビリティ戦略2025を形作り、未来のラグジュアリーを創造するという私たちの大望の実現を推し進めます。
サステナビリティ戦略「Crafting Tomorrow’s Luxury」を発表してから6年を経た2023年3月、ケリングは 「2020-2023 サステナビリティ進捗レポート」を発表しました。環境負荷の総削減目標であるマイナス40%を2021年に4年前倒しで達成したことを含む取り組みの成果が発表されました。また、2021年を基準として、2035年までに温室効果ガスの絶対排出量を40%削減するという新たな目標を発表しました。この目標は、温室効果ガスプロトコルのスコープ1、2、3をカバーしています。
ケリング・ジェネレーション・アワードについて
ケリングは2017年から、グループのサステナビリティ戦略の一環としてグローバル・イノベーション・プラットフォームのPlug and Playと提携し、欧州で「Plug and Play – Fashion for Good」アクセラレーターを立ち上げ、ファッション業界のチェーン全体で革新的なソリューションを発掘すると共に、「代替原材料からリサイクル技術まで」という視点を通じて製品寿命を延ばすといった新しい考え方を追求しています。
ケリングのビジョンである「Crafting Tomorrow’s Luxury(未来のラグジュアリーを創造する)」に従い、2018年12月に中国で発足した「ケリング・ジェネレーション・アワード」は、代替原材料、サプライチェーンのグリーン化、リテールと使用、サーキュラーエコノミーといった分野における課題に取り組み、環境と社会にポジティブな影響をもたらすことができる企業を表彰・支援することを目的としています。
2021年に実施された第2回の同アワードでは、生物多様性とその先に焦点を当て、クリーンな水の確保、健康な土壌の構築、野生動物や動物福祉の支援、ファッションと自然とのつながりに関する知識の啓蒙といった分野で活躍するスタートアップ企業を発掘しました。
2022年12月には、「完全なる循環へ(Coming Full Circle)」をテーマとした第3回「ケリング・ジェネレーション・アワード」の開催を発表し、ファッション業界のあらゆるつながりにおいてサーキュラーエコノミーの完全な発展を推進することを表明しました。授賞式は2023年10月16日に上海で開催されました。
ケリングについて
ケリングは、ファッション、レザーグッズ、ジュエリー製品を扱うメゾンおよびケリング アイウエア、ケリング ボーテを擁するグローバル・ラグジュアリー・グループです。傘下のブランドは、グッチ、サンローラン、ボッテガ・ヴェネタ、バレンシアガ、アレキサンダー・マックイーン、ブリオーニ、ブシュロン、ポメラート、ドド、キーリン、ジノリ1735。戦略の中心にクリエイティビティ(創造性)を掲げるケリングは、サステナブルで責任のある方法により未来のラグジュアリーを築きながら、各ブランドがそれぞれの創造性を自由に表現することを可能にしています。このような信念が「イマジネーションをその先へ」(“Empowering Imagination”)というケリングのシグネチャーに込められています。また、2023年には196億ユーロの売上高を達成し、グループ社員の数は年度末時点で49,000人に上ります。
CIC Instituteについて
CIC Instituteとは、イノベーションエコシステム構築や、スタートアップ特にディープテック関連スタートアップの支援における知見を活かし、政府や地方自治体、大学などと連携しグローバルに成功を収めることのできるスタートアップの成長支援や、エコシステム構築業務を担うチームです。CIC Instituteは現在、多くの行政機関や大学関係のプロジェクトを遂行しており、エコシステムの発展やイノベーションを通じた経済発展に貢献をしています。今後も、自治体等の行政機関や民間企業からの高まる需要に合わせ、より多くのプロジェクトを実行し、CIC Tokyoを含むCIC全体と緊密に連携しイノベーション創出を促進する部門として活動していきます。