舘鼻則孝による大型アートワークが北陸工芸・アートの祭典「GO FOR KOGEI」で限定公開。会場となる桝田酒造店は、銘酒「満寿泉」で知られる明治26年創業の歴史ある酒蔵。

「GO FOR KOGEI」は、富山県・富山市の岩瀬と石川県・金沢市の東山を舞台に開催されています。素材、技法、用途、表現といった近代工芸の特徴に着目し、多様な工芸と隣接するアートが紹介されています。

株式会社ノリタカタテハナのプレスリリース

©NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION

「GO FOR KOGEI」について

「GO FOR KOGEI」は、東京藝術大学名誉教授の秋元雄史氏が総合監修・キュレーターを務め、北陸を舞台に開催されている工芸・アートの祭典。2021年より継続的に開催されており、2024年は、「くらしと工芸、アートにおける哲学的なもの」をテーマに作家が選出され作品が展示公開されています。

開催概要

GO FOR KOGEI 2024 くらしと工芸、アートにおける哲学的なもの

会 期 2024年9月14日(土)‒10月20日(日)[37日間]

時 間 10:00-16:30(最終入場16:00)

会 場 富山県富山市(岩瀬エリア)、石川県金沢市(東山エリア)

休場日 沙石(火曜)、四知堂(水曜)、ほか会期中無休

主 催 認定NPO法人趣都金澤、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁

共 催 富山県、富山市

後 援 石川県、金沢市、JR西日本

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桝田酒造店 5代目当主 桝田隆一郎氏と舘鼻則孝 ©NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION

Descending Painting “Unryu-zu”, 2024

Acrylic emulsion paint

H18.2 x W7.3 m

大正元年(1912年)に建てられ、112年の歳月を経ている桝田酒造店・酒造場の床面に描かれた本作は、空間の奥に位置する神棚から稲妻が波打つように前方へ伸びています。その稲妻は、桝田酒造店のシンボルでもある「龍」を隠喩するもので、先端が三方に分かれるその姿は「龍爪(りゅうそう)」を表現しています。また、酒造りの原料でもある「米」と「稲妻」は縁が深いものでもあり、豊穣への願いが込められた絵図でもあります。

《Descending Painting(ディセンディング ペインティング)》は、「稲妻」と「雲」が象徴的に描かれた舘鼻則孝の代表的な絵画作品シリーズです。本作は、仏教において臨終を迎える際に阿弥陀如来と菩薩が雲に乗り迎えに現れる場面を描いた「来迎図(らいごうず)」に着想を得て制作されたものです。また、中心に描かれる稲妻は神道における依代に「神のみたまが依り憑く」場面をモチーフとして表しています。先述したような主題から「天と地」や「生と死」などを一対の要素として描くことで、仏教と神道における双方の価値観が共存する「神仏習合」と呼ばれる習合思想が作中に表現されています。

制作協力 go parkey ( https://www.goparkey.com )

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Heel-less Shoes, 2018 – 2023

Dyed cowhide, pig suede, glass crystal, metal fastener

舘鼻則孝の代表作として知られている《Heel-less Shoes》は、桝田酒造店・酒造場の大きなタンクに囲まれた空間の中に陳列されています。会場設計を担当した建築家の周防貴之氏によって考案されたコンクリートブロック製の什器も本会場ならではの見どころとなっています。

《Heel-less Shoes》は、江戸時代の花魁が履く高下駄から着想を得て制作されました。2010年に東京藝術大学の卒業制作展で初めて公開され、その後に米国歌手レディー・ガガに愛用されたことでも世界的に知られています。舘鼻則孝は、レディー・ガガの専属シューメイカーとして、約2年間で25足以上の作品を提供しました。《Heel-less Shoes》は、ニューヨークのメトロポリタン美術館やロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館などのパブリックコレクションとして収蔵されています。

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Descending Painting “Unryu-zu”, 2024

Acrylic on canvas mounted on panel

桝田酒造店と同様の岩瀬エリアに位置する「KOBO Brew Pub」には、新作絵画《Descending Painting “Unryu-zu”》が展示されています。

国登録有形文化財の「旧馬場家住宅」の米蔵を改装してオープンした「KOBO Brew Pub」には、店内に醸造所も併設されており、歴史ある建築とモダンな内装が共存する魅力的な空間です。桝田酒造店を代表する銘酒「満寿泉」の酒粕を活用した「ドラゴンエール」など個性的なクラフトビールが常時9種類揃っています。

《Descending Painting “Unryu-zu”》は、横幅6mの大きな絵画作品で、桝田酒造店の酒造場に描いた床面絵画と同様の主題で創作されています。モチーフとなっている稲妻は、桝田酒造店のシンボルでもある「龍」を隠喩するもので、先端が三方に分かれるその姿は「龍爪」を表現しています。また、酒造りの原料でもある「米」と「稲妻」は縁が深いものでもあり、豊穣への願いが込められた絵図でもあります。

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アーティストプロフィール

舘鼻則孝(たてはな のりたか)

1985年、東京都生まれ。歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ鎌倉で育つ。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で、幼少期から手でものをつくることを覚える。2010年に東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業。遊女に関する文化研究とともに、友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。「Future Beauty」(東京都現代美術館など国際巡回、2012)、「イメージメーカー展」(21_21 DESIGN SIGHT、2014)、個展「呪力の美学」(岡本太郎記念館、2016)、個展「It’s always the others who die」(POLA Museum Annex、2019)、個展「NORITAKA TATEHANA: Refashioning Beauty」(ポートランド日本庭園、2019)、「和巧絶佳」(パナソニック汐留美術館など4会場を巡回、2020-22)、個展「Distance」(山口県立萩美術館・浦上記念館、2023) 等の他、ニューヨーク、パリ、ベルギーなど世界各地で作品を発表。2016年3月にパリのカルティエ現代美術財団で文楽公演を開催など、幅広い活動を展開している。作品はメトロポリタン美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館などに収蔵されている。また昨年に続き、東京都が主宰する「江戸東京きらりプロジェクト」の一環として企画され、東京の伝統産業に焦点を当てた展覧会「江戸東京リシンク展」(旧岩崎邸庭園、2024)の展覧会ディレクターを務めている。


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