フェンディ、「ルイーズ・ブルジョワ:アンコンシャス・メモリーズ」展に協賛

Louise Bourgeois: Unconscious Memories

フェンディ・ジャパン株式会社のプレスリリース

イタリア・ローマ(Rome)を代表するラグジュアリーブランド フェンディ(FENDI)は、ボルゲーゼ美術館(Galleria Borghese)が、2024年9月15日まで開催する、「ルイーズ・ブルジョワ:アンコンシャス・メモリーズ(無意識の記憶)」展に協賛いたします。

© The Easton Foundation/Licensed by SIAE 2024 and VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY. Ph.by A.Osio© The Easton Foundation/Licensed by SIAE 2024 and VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY. Ph.by A.Osio

「ルイーズ・ブルジョワ:アンコンシャス・メモリーズ」展では、ボルゲーゼ美術館で初めて女性現代アーティストに捧げられた展覧会として、前世紀に最も影響力を与えた芸術家の一人である、フランス系アメリカ人のルイーズ・ブルジョワの作品が展示されます。クロエ・ペローネ(Cloé Perrone)が企画し、ジェラルディン・レアルディ(Geraldine Leardi)とフィリップ・ララット=スミス(Philip Larratt=Smith)がキュレーションを手掛けたこの展覧会は、イーストン財団(The Easton Foundation)とフランス・アカデミー・ヴィラ・メディチ(Academy of France – Villa Medici)の協力のもとに、彫刻に対するブルジョワの多大な貢献と、彼女の芸術活動とボルゲーゼ美術館との深いつながりに焦点をあてています。

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「ルイーズ・ブルジョワ:アンコンシャス・メモリーズ」展では、ブルジョワ自身の個人的な記憶と、公共の美術館としての集合的な記憶が織り交ぜられて表現されています。展示ルートは、美術館のいくつかの部屋や、飼鳥園、メリディアーナ庭園を通過し、これらは1967年に初めてローマを訪れたブルジョワが、感嘆しながら探索した場所でもあります。約20点の彫刻作品は、カジーノ・ボルゲーゼ(Casino Borghese)のユニークな建築とそのコレクションと対話をしながら、メタモーフォシス(変身)、記憶、さらに感情や心理状態の表現といったテーマを追求しています。これらのテーマは、ボルゲーゼ・コレクション内の他のアーティストたちによっても探求されており、ブルジョワのコンテンポラリーなレンズを通して見ることによって活力を与えられ、人間の経験に新たな視点を提供します。それはもちろん、彼女の非日常的なフォルム、素材、規模などを通して、多岐にわたる心情が表現されているためです。

ルイーズ・ブルジョワの70年にわたる芸術家としてのキャリアは、コンテンポラリーアートの論評を大きく前進させ、その後主流となっていた精神分析とフェミニズムのテーマまで取り入れられていました。精神分析に没頭した1960年代の後に、ブルジョワはラテックス、石膏、ワックス、その他の素材を用いた実験的なバイオモルフィックフォームの制作を開始しました。1990年代初頭には、彫刻的要素や拾得した物体、彼女が生涯保管してきた品々で構成され、部屋のように見える自己完結型の構造体、「Cells」の最初の作品群が発表されました。布地を使った作品は、彼女のキャリアの最後の15年間に制作されたものです。

ブルジョワとイタリア、そしてボルゲーゼ・コレクションとの関係は、彼女の創作活動に大きな影響を与えました。ボルゲーゼ・コレクションとの出会いは、1930年代後半にパリのルーヴル高等教育機関で美術史を学んだことをきっかけに始まり、1967年から1972年にかけてピエトラサンタ(Pietrasanta)、カッラーラ(Carrara)など地方都市のさまざまな工房で働きながら、ブロンズや大理石の作品を数多く制作したことでその関係が深まっていきました。ブルジョワはその10年後に再びイタリアを訪れるようになり、1981年から1991年にかけて、さらに数点の彫刻作品を制作しました。

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ブルジョワの作品の中心をなすメタモルフォーゼというテーマは、「Janus Fleuri」、「Topiary」、「Passage Dangereux」を通して展開されています。対照的で曖昧な浮遊形態の「Janus Fleuri」は2つの方向を向いており、過去と未来を同時に見つめるローマ神にちなみ、始まりと変遷を象徴しています。「Topiary」は、若い娘の有機的な成長と発達段階を反映し、青年期から成熟へと向かう自然で個人的な変化を体現しています。同様に、ランフランコ ホール(Lanfranco Hall)内に展示されたブルジョワの作品のうち最大の「Cell」の作品「Passage Dangereux」は、1人の少女が成熟した女性になっていく過程を表現しています。

ブルジョワの「Cells」とは、記憶、欲望、建築、五感といったテーマを探求するため、拾得物や彫刻フォルムを収めた部屋の大きさの囲われたスペースからなる一連の作品です。ブルジョワは自身の建築を創り上げることで、過去と現在を融合させるモチーフやシンボルの複雑な編成を演出することを可能にする、自己完結型の形態を開発しました。まさにスキピオーネ・ボルゲ―ゼにとってのボルゲーゼ美術館がそうであったように、眺めること、共有すること、体験し保存することによって、自己完結的なフォルムを作り上げたのです。

© The Easton Foundation/Licensed by SIAE 2024 and VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY. Ph.by A.Osio© The Easton Foundation/Licensed by SIAE 2024 and VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY. Ph.by A.Osio

入口ホールの中央で公開される、ブルジョワの最後から2番目の「Cell」、「The Last Climb」では、主に螺旋モチーフが用いられています。このモチーフは、ブルジョワの作品に繰り返し現れ、飼鳥園に展示されている「Spiral Woman」でも見ることができます。「The Last Climb」の螺旋階段は、人生の終わりなきサイクルと人生の旅のメタファーであり、空間に浮かぶ青い球体には、強いスピリチュアルな意味合いが含まれています。
「XX Portrait」の「Cell」では感情の肖像画に深く潜り込み、人間の心理に親密な視線が投げかけられています。二つの頭部間の静かな交流を通じて、この「Cell」は伝統的な肖像画の解体を行い、地位や社会的アイデンティティよりも感情表現や心理的深みを強調し、個々人と他者との関係の複雑なタペストリーを探求することを目的としているのです。

アーティストの主要なテーマに取り組む他の作品も行程の一部です。庭園では、「The Welcoming Hands」が展示されており、アーティスト自身の両手の鋳型が、長年のアシスタントを務めた親友、ジェリー・ゴロヴォイ(Jerry Gorovoy)の両手と絡み合っており、依存、親密さ、保護を表現しています。同じメリディアーナ庭園内の巨大なブロンズ像、「Spider」は、ブルジョワの母親が持つ保護的で回復力のある本質を象徴しており、ピンクマーブルの柔らかさと対照的です。この大理石を使った作品には、「Room I」にあるパオリーナ・ボルゲーゼ(Paolina Borghese)の足首に映し出された繊細な交差する両脚を表現した「Jambes Enlacées」や、つながれた2組の手と小さな家が避難所と保護を象徴する作品、「Untitled (No. 7)」などがあります。これら後期の作品は、いずれも身体を断片化して変形させながら、肉体の再定義という行為を通して、より深く、より微妙なニュアンスの関係を明らかにしています。

© The Easton Foundation/Licensed by SIAE 2024 and VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY. Ph.by A.Osio© The Easton Foundation/Licensed by SIAE 2024 and VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY. Ph.by A.Osio

皇帝の間(the Hall of the Emperors)には、カエサルや著名人の胸像の隣に、ポルフィリー(斑岩)やオリエンタル・アラバスターで作られたブルジョワの布製の頭部シリーズが展示されています。これらの作品は、胸像とは距離を置いているような印象を与えています。虚ろな眼差しや半開きの口を持つこれらの彫刻は、花柄や幾何学模様のタペストリーの断片をアルミニウムのフレームで支えて作られており、カエサル像たちの活力や素材的な豪華さと、洗練された不協和音を生み出しています。

「ルイーズ・ブルジョワ:アンコンシャス・メモリーズ」というタイトルからもわかるように、本展は、このアーティストの作品における二つの非常に重要な側面、すなわち、無意識と記憶を体現しています。ボルゲーゼ美術館では、創設者でコレクターのスキピオーネ・ボルゲーゼの記憶を保存することが私たちにとって重大事であり、彼が収集したすべての傑作は彼のストーリーを伝え、そうして世界で最も重要な美術館の一つとなっていったのです。個々の作品は、17世紀初頭に神話を自己の鏡として描いた画家ラヴィニア・フォンタナ(Lavinia Fontana)の「Minerva」のように、創作者やその生涯の記憶、そして時には隠された肖像までも保存しています。一方、ブルジョワは、自らを隠すのではなく可能な限りさらけ出し、自分の無意識、語ることが難しい感情のレベルさえも伝えようとしているのです。「個人的な記憶と集団的な記憶、鏡と檻の間のこの連続的な相互参照にこそ、展覧会の美的な強さがあります。20世紀の偉大な彫刻家の作品によって、ボルゲーゼ・コレクションのミザンアビーム(無限の連鎖)が育まれるのです」と、ボルゲーゼ美術館のディレクター、フランチェスカ・カッペレッティ(Francesca Cappelletti)は語ります。

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本展で、ボルゲーゼ美術館は、古代と現代アートの関係の重要性を確認し、異なる時代と背景を持つ巨匠たちの出会いと対話の場になります。今日の現代アートのインスタレーションは、スキピオーネ・ボルゲーゼにとって美術館が体現していたもの、すなわち個人的な所有物の宝箱であり、常に更新されるべき遺産を守る場所でもあり、その歴史と美術史の新たな解釈を育むものであることを再確認し、現実化しています。
この展覧会の機会に、フランス・アカデミー・ヴィラ・メディチは、サロン・ド・レクチャー(Salon de lecture)室内に設置されたアーティストの作品「No Exit」も展示しています。この作品は、側面がいくつかのパネルで囲まれた階段と、その下にある2つの大きな球体で構成されています。これらの要素はうまく隠されてはいますが、構造物の後ろにある小さな扉を通して覗くことができます。

「ルイーズ・ブルジョワ:アンコンシャス・メモリーズ」展では、マルシリオ・アルテ(Marsilio Arte)社より発行されているブルジョワの作品のインスタレーションを特集したカタログと、1冊のガイドブックが提供されます。

また、本展覧会は、オフィシャルスポンサーとしてフェンディが協賛しています。展覧会のパブリックプログラム「エシステレ コメ ドンナ(Esistere come donna)」はエレクタ(Electa)が主催し、ホテル エデン、ドーチェスター コレクション(Hotel Eden, Dorchester Collection)はホスピタリティパートナーを務めています。

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「ルイーズ・ブルジョワ:アンコンシャス・メモリーズ(無意識の記憶)」展

会場 : ボルゲーゼ美術館(Galleria Borghese)

住所 : Piazzale Scipione Borghese, 5, 00197 Rome, Italy

開催期間 : 2024年6月21日(金)~9月15日(日)

営業日時: 午前9時~午後7時(休館:毎週月曜日)

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