デサントアパレル水沢工場の建替え工事 地鎮祭を実施

水沢ダウンを生産する国内自社工場を刷新

株式会社デサントのプレスリリース

株式会社デサントは、5月24日(金)に、デサントアパレル水沢工場において建替え工事の地鎮祭を実施いたしました。地域に密着した工場として、施工会社である地元の千田工業株式会社をはじめ、岩手県の佐々木副知事、奥州市の倉成市長にもご参加いただき、工事の無事を祈りました。

写真左より

千田社長(千田工業株式会社)、佐々木副知事(岩手県)、小関(株式会社デサント 社長)、倉成市長(奥州市)、杉浦(水沢工場 工場長)

株式会社デサント 代表取締役社長 小関秀一ご挨拶

1970年に東北デサントとしてスタートし、50年以上続けてこられたのは地元の皆さまのご支援のおかげだと、この場に来て実感しています。1970年頃のアパレル産業は、ほぼ100%が日本製でした。20年後の1990年には、ちょうど半分が輸入品に、そして現在では、日本製はたった1.5%になりました。この流れは今後も続き、将来は1%、0.5%になるかもしれません。そのような中で国内工場に約30億円もの投資をするのは世間とは真逆の動きになります。従業員も海外からの研修生が多くなっているなか、当社の3つの国内工場、水沢工場をはじめ奈良県の吉野工場、宮崎県の西都工場はいずれも地元の方を採用しています。

このようにメイドインジャパンが難しくなる中でも、私たちは日本でしかできないモノづくり、世界で最高のモノづくりにこだわっています。

来年の7月に新しい水沢工場が始まります。これからの50年も引き続き、地元の皆さまのご支援をお願いいたします。

岩手県 佐々木副知事 ご祝辞(達増知事ご祝辞の代読)

デサントアパレル株式会社水沢工場は、卓越した縫製技術により高機能・高品質を追求しデザイン性に優れたスポーツウェアの生産拠点としてここ奥州市で昭和45年に操業を開始されて以来、岩手県の縫製業を力強く牽引する企業へと発展されております。

岩手県では岩手県民計画において国際競争力の高いモノづくり産業の振興を掲げ、モノづくり産業の成長や新産業創出の促進を図っております。デサントアパレル株式会社におかれましては新工場設立を契機に引き続き県経済を牽引いただきたく、県としても地元奥州市と連携し人材確保・育成など最大限のお手伝いをさせていただきます。

岩手県奥州市 倉成市長 ご祝辞

株式会社デサントとは、合併で奥州市になる前の胆沢町の誘致企業第一号として、昭和45年にお付き合いが始まり50年以上、夫婦でいえば金婚式を超えております。また世界から注目を浴びる水沢ダウンを、令和元年より奥州市のふるさと納税の返礼品として採用し、大変多くの方に喜んでいただいております。

地元で育まれた縫製技術が、磨きをかけられ、こうした素晴らしいダウンウェアができあがったことに、私たちも誇らしさを感じております。工場の刷新により、モノづくりのレベルはさらに向上していくと期待しておりますので、今後も可能な限りのご支援と、ご協力をしてまいります。

デサントアパレル株式会社 水沢工場 新工場について

株式会社デサントは成長戦略として、かねてより「モノづくり力の強化」を掲げており、その一環として国内にある自社3工場のブランディングをすすめております。これら自社工場のマザーファクトリーとして、またコーポレートブランド『デサント』のモノづくりを担う中核として、このたび約30億円の投資をして、水沢工場を刷新することとなりました。

新しい水沢工場は、次の50年を見据えた新たな工場として、これまで以上に丁寧で難易度の高いモノづくりにより、当社の競争力の源泉である「高付加価値」な商品開発を進化させ続けます。そのためにも環境配慮、地域共生、働きがいを実現する工場を目指します。

<水沢工場の代名詞「水沢ダウン」>

2008年に誕生したデサントのモノづくりの象徴ともいえる「水沢ダウン」。2年後に控えた冬季国際大会に向かう日本選手団に対し、寒さが厳しく、雨や雪も多い開催地の気候に耐えられる防寒ウェアを届けたい、という思いから開発されました。ダウン表面の縫い目を極力減らすことで水の浸入を防ぎ、かつ温まった空気を逃さないという、新しい発想でダウンの弱点を克服した防水性、保温性に優れたジャケットです。すっきりとした見た目とは裏腹に、製作においてはウィンドブレーカーなど通常のアウターウェアの4倍近い250を超える工程が必要で、そのほとんどが手作業で行われています。工程が多いことに加え、曲線ばかりの膨大なパーツの縫製、機能性が高く取り扱いの難しい素材、やり直しの利かないシームテープの圧着など、高い技術と正確さが求められる難易度の高い作業が必要です。とてつもない手間と高度な縫製技術を実現できるのは、機能性が高く複雑な構造の商品の生産を長らく手がけてきた、熟練の技と設備を備えた水沢工場だからです。新しい工場において、水沢工場にしかできない、高い付加価値の商品の開発・生産を、よりクリエイティブに、より効率的に行ってまいります。

<水沢の恵みを生かし、環境に配慮する取組み>

新しい水沢工場は、断熱性、気密性の高い設計に加え、胆沢扇状地の豊かな地下水を利用した輻射熱冷暖房設備を導入します。厳しい冬の寒さ、夏の暑さから働く人々を守るだけでなく、快適性と省エネルギーを両立し水沢の恵みとの共生を目指しています。また、工場の外壁や休憩室の床、造作家具などには地場産の木材を使用。木材の持つ熱を伝えにくいという機能性、周辺の景観との調和、素材としての親しみやすさを活かします。さらに、この地域に見られる古くからの木造の蔵からインスピレーションを得た三角形の屋根が連続する外観は、日本三大散居集落に数えられるこの地域特有の美しい風景と調和します。三角形の屋根形の高い天井は、内部に自然で快適な空気の動きを作り、建物中央部の高窓からは、建物の隅々に自然の光を届けます。性能の向上に加え、地域の素晴らしい景観資源、それをもたらしている豊かな自然環境が新しい工場をかたちづくります。

<地域に根差した、働きがいのある工場へ>

新しい水沢工場は、既存工場の約1.5倍の広さと、明るい自然光や木のぬくもりに囲まれた快適な環境が特徴です。これまでは複数棟に分かれていた工程をワンフロアに配置し完全バリアフリー設計にすることで、動線の改善につながり、より効率的な生産が可能になります。また、一人でもグループでも利用のしやすい休憩スペースの設置や、化粧室数の増設など、工場の従業員、とくに9割を占める女性従業員の働きやすい環境を目指し、ひいては、地域で就職したい工場となることで雇用創出の一助となればと考えています。

なお、新しい工場の建設には、岩手県内の企業にも複数参画いただいています。

・建設 千田工業株式会社

・設備 南部電気工事株式会社

・設備 株式会社 近藤設備

・植栽 株式会社 御幸造園

地域に根付き、地域の方と共生する工場を目指します。

■新工場の概要

住所:岩手県奥州市胆沢小山字北蛸の手10(現状敷地内での移設)

敷地面積:29,012.98㎡

工場面積:5,098.87㎡(鉄骨造1階建て)

事業内容:「水沢ダウン」を中心としたスポーツ用品の製造

竣工予定:2025年7月(予定)

新設理由:既存工場の老朽化、生産効率の向上、トレーサビリティの強化や従業員満足度の向上

 

■水沢工場について

工場長:杉浦 剛

従業員数(2024年4月末現在):121名(うち120名は県内採用)

1970年に操業を開始して以来、半世紀にわたって野球のユニフォームやスキーウェア、JRA(日本中央競馬会)の騎手用防護ベストなど、機能性が高く複雑な構造の多種多様な商品の生産を手がけてきました。なかでもデサントの代表的なアイテムであるスキーウェアは、雪上という厳しい環境下で着用されるため様々な機能性が求められ、パーツ(部品)数や複雑な仕様が多くなるために、生産が難しい商品の代表格と言えます。このように多様な高機能商品を作り上げてきたことで、世界でも稀なダウンウェアと防水ウェアの両方を作ることのできる設備と職人たちの熟練の技が水沢工場には存在したことが、『デサント』が世界に誇る「水沢ダウン」の誕生につながりました。専用工場として年間を通じて「水沢ダウン」の生産を行うほか、工場独自のアトリエ(工房)も備え、デザイナーのアイデアを実際の商品に具現化するために、パターン(型紙)の設計やサンプル作製も行っています。

■会社概要

 社名:デサントアパレル株式会社

 代表者:丹羽 智之

 所在地:大阪市浪速区湊町1丁目2番3号 マルイト難波ビル13階

 事業内容:スポーツ用品およびこれらに関するものの製造

 事業所:水沢工場(岩手県)、吉野工場(奈良県)、西都工場(宮崎県)

■親会社 会社概要

 社名:株式会社デサント

 創業:1935年

 代表者:小関 秀一

 資本金:38億4,620万円

 所在地:(大阪オフィス)大阪市浪速区湊町1丁目2番3号 マルイト難波ビル13階

          (東京オフィス)豊島区目白1丁目4番8号

 事業内容:スポーツ用品およびこれらに関するものの製造と販売

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