QAデータセットにおける回答精度はGPT-4を上回るスコアに
株式会社DROBEのプレスリリース
■取り組みの背景
「DROBE」は、”ファッションから、日々を楽しもう。”をコンセプトに、スタイリストとAIが、ひとりひとりに寄り添ったパーソナルなスタイリング提案をするサービスで、会員数は20万人を超えています。2019年のサービスの開始当初から独自のスタイリングAIを実装しており、お客さまの好きなテイストを定量化することでお客さまと商品のマッチ度を数値化し、最適なスタイリングを提案してきました。他にも、商品とともにお届けするスタイリングカルテの文章の校正や、お客さまご自身が商品を選ぶオリジナルストアの商品ラインナップの選定など様々なところでAIを活用しています。
近年、GPT-4やClaudeなどの汎用性に優れたAIサービスが登場しており、当社も生成AIのさらなるサービスへの実装を検討していく中で、既存のLLMでは、特定領域に特化した情報に正確に応答することは困難であることが課題でした。ファッションにおいては、ファッションアイテムの規格や価格がそれにあたります。そこで、自社で独自に作ったQAデータセットを用いて、ファッションドメインの知識を学習させることで、ファッション領域に強いLLMの実現を試みました。
■開発内容と成果
当社は、ファッションドメインに特化したQAデータセットを作成し、PeFT（Parameter-Efficient Fine-Tuning）と呼ばれる手法を用いて、商用利用可能なGemma7Bモデルをファインチューニングしました。その結果、Gemma7B固有の汎用性を確保したまま、ファッションドメインに関する質問応答についてはGPT-4の性能を上回ることに成功しました。
より詳細な取り組みについては「DROBEプロダクト開発ブログ」で公開しています。
「ファッションドメインにおけるLLMの未知の知識獲得可能性」
https://tech.drobe.co.jp/entry/2024/05/22/150107
■今後の展開
今回の取り組みにより、当社だけではなく、ファッション業界におけるAIの活用の推進に貢献していきます。具体的には、今回開発したモデルを活用し、秘匿性の高い企画段階の商品情報を記憶させることで、ファッション・アパレル業界における業務の効率化をめざしています。一方で、誤った情報を断定的に答えてしまうハルシネーション（幻覚）などの現象が確認されているため、この点についての対応が必要であると考えています。
■株式会社DROBE 執行役員 COO長井 大輔コメント
DROBEでは2019年の創業以来、機械学習(ML)を活用して、社内のオペレーション改善はもちろん、お客さま向けのサービスの機能改善や新機能開発などの社会実装に注力してきました。
昨今、LLM関連技術の急速な発展により、ChatGPTを始めとしたサービスが登場しました。これらを活用した業務効率化に注目が集まっています。今回はその中でも、DROBEが相対しているファッション領域における社会実装の先駆けという位置づけにあたります。
今後、これらの取り組みを加速させ、自社サービスの拡大はもちろん、各種取引先さまへの提供等を通じファッション業界の成長に貢献していきます。
パーソナルスタイリングサービス「DROBE」について
「ファッションから、日々を楽しもう。」をコンセプトにした、オンラインで完結するパーソナルスタイリングサービスです。ファッション誌や芸能人のスタイリング、店頭での販売などを経験したプロのスタイリストとDROBE独自の「スタイリング AI」が、お客さまの嗜好や体型、予算に応じた商品（洋服、靴、ファッション雑貨）を協働でスタイリングし、セレクトした商品を定期的にお届けします。 届いた商品は自由に試着でき、気に入った商品のみを購入できます。
DROBE https://drobe.jp/
株式会社DROBEについて
DROBEは、日々の意思決定をもっと自分らしく、私たちが、私たち自身をもっと主体的に楽しめる、「すべての人がポジティブに意思決定し、自分を楽しめる世界」をめざしています。そのために、ひとりひとりの年齢や性格、好みはもちろん、変わり続けるライフスタイルにも寄り添って、不安や迷いなく、気持ちよくそれを手に取ることができるような「ヒトとモノの出会いをデザインする」ことを実現してまいります。
会社名：株式会社DROBE
代表：代表取締役CEO 山敷守
設立：2019年4月1日
会社URL：https://drobe.co.jp/
