日本のD2Cブランドの先駆け。Maker’s Watch Knot が10周年を迎えました。- Past, Present and Future –

約80年ぶりに誕生した国産腕時計メーカー。日本製にこだわり、全国の技術を結集し、「ジャパン・クオリティで、日本と世界を結ぶ」を理念に世界への発信を続けるKnotが、2024年に10周年を迎えました。

株式会社Knotのプレスリリース

株式会社Knot(本社:東京都吉祥寺、代表取締役社長:遠藤弘満、以下Knot)は、2024年3月4日に創業10周年を迎えました。これもひとえに、皆様のご支援とご協力の賜物と心より感謝申し上げます。

量産体制を整えた国産腕時計メーカーとして約80年ぶりに誕生したKnot。創業から現在までに、腕時計総販売数60万個以上、ストラップ(ベルト)総販売数100万本以上、会員数約26万人、グローバルサイトでは世界60カ国以上の方々から直接注文をいただいております。

10周年の重要な節目に際し、これまでを振り返りつつ、Knotは次の10年の成長に向けて進んでまいります。

  1. 創業時の想い

     ・日本の製造業の現実

     ・ブランド立ち上げの契機

  2. 日本の腕時計業界で初のD2Cブランド

  3. 日本の技術を世界へ

     ・日本全国のパートナー

     ・MUSUBUプロジェクトの歩み

  4. 海外にも進出した「体験型店舗」

     ・「楽しい」が聞こえる店

     ・コロナ禍を経て見直されるリアルな体験の意義

  5. 未来の時計業界へ

     ・ヒコみづのジュエリーカレッジへの支援

     ・独立時計師 牧原大造氏とのコラボレーション

  6. Knotの情報伝達者としての役割

     ・石川県 株式会社谷口「縫える木」

  7. 今後の10年と世界への展開

     ・変わらぬミッションと新たな挑戦

     ・代表取締役社長 遠藤より皆様へ / 周年イベントの開催について


1. 創業時の想い

2014年3月4日、吉祥寺のマンションの一室から始まった国産腕時計のD2Cブランド、Maker’s Watch Knot。周囲から「絶対に実現できない」と言われた構想から始まりました。

その構想とは、日本製の高品質な腕時計とベルトを1万円台から自由にカスタマイズを楽しんでいただきながら提供する、全く新しい時計ブランドでした。

左)2014年クラウドファンディングでの初出荷 右)カイハラ株式会社にて

日本の製造業の現実

海外生産へシフトした日本の腕時計産業。2000年代頃より、国内の時計製造業社は年々減り続け、ふと気付けば「MADE IN JAPAN」の腕時計は生産する事も困難な状態に陥っていました。

その結果、日本製の腕時計は高価な物となり、高価ゆえに数が売れず更に高価になります。高価になるほどまた販売数は減り、製造業者の仕事は減少し続けていました。そんな循環を目の当たりにした遠藤は、強い危機感を抱きました。実際、この危機感は時計業界だけではなく、広く日本の物づくり全般に当てはまる事であり、日本の製造業の危機を表していると言えます。

遠藤は、世界中の優れた商品を長年にわたり目にしてきた輸入品バイヤーとして、日本の歴史と技術が生み出す「MADE IN JAPAN」の製品が世界に誇るべきものであると確信していました。しかし、その魅力は世界へ適切に伝わっていないのが実情です。その結果として、日本の生産業は衰退の一途を辿ってしまいました。

2. 日本の腕時計業界で初のD2Cブランド

ブランド立ち上げの契機

2013年9月、東京2020オリンピックの開催決定が報じられました。日本のものづくりを世界へ伝える千載一遇のチャンス。このとき、「ジャパン・クオリティで、日本と世界を結ぶ。」Maker’s Watch Knot の構想が遠藤の胸に芽生えます。

腕時計の純粋な国内量産メーカーは大手数社。販売店や量販店などの流通ルートも確立され、新規参入は難しいとされていました。

遠藤は、わずかに残る時計工場や、すでに時計の組み立てを止めてしまっていた工場にも何度も足を運び、新しいブランドの時計生産への協力を仰ぐ交渉を続けました。私たちの理念や価値観に共感し、協力を得られた最初のパートナーは時計の組み立て工場でした。

独自のD2Cモデルを確立

日本で時計の量産が減り、絶滅に瀕していた腕時計の製造技術。組み立て工場の協力を得られたKnotは、国内での量産生産を確保し、日本製のクオリティの高い時計を手が届く価格で販売する独自のD2Cモデルの確立に突き進みます。

中間流通を省き直営店での販売に注力した結果、日本製のムーブメント、サファイアガラスや高純度なSUS316ステンレススティールを標準装備として、日本製の腕時計を従来の市場価格の1/3となる1.5万円*、ベルトは構想時から遠藤が言い続けてきた「Tシャツ一枚の価格で提供する」5000円以内で発売することができました。(*2014年当時の価格)

2010年台は、特にアパレルのD2Cブランドに勢いが目立つ時期でした。SNSの発達も相まって、企業はお客様と直接コミュニケーションをとるようになり、ビジネスに正直さが求められていくことが予測されていました。「優れたデザインのリストウェアを日本品質とリアルプライスで提供する」というスローガンの元、製造工場や職人の方々に適切な対価をお支払いしながら、お客様へ適正価格で腕時計を提供しております。

3. 日本の技術を世界へつなぐMUSUBUプロジェクト

“Makuake”でスタート

まさに、この10年間は日本の伝統工芸や文化と世界を結び、絆を作る時間でした。

構想時から「伝える」という使命を持っていたKnot。クラウドファンディングサービス”Makuake”によるブランド立ち上げは、資金調達の目的だけでなく、多くの人々にKnotの想いを伝えるための試みでした。Knotの取り組みに共感し、応援購入として集まった約540万円は、創業まもない当時のMakuakeを代表する成功事例となり、その後の実行者に大きな影響を与えました。

日本全国のパートナー

販売数が伸びることで、生産量も商品数も拡大することができる。その結果、またさらに多様な技術・伝統を世界に広めることができるようになる。このような良い循環が生まれました。コラボレーションを含めると、時計やストラップのパートナー数は約20を数えるまでになりました。

中でも「MUSUBUパートナー」は、単に素材を提供いただくだけでなく、その企業や工芸士の方々の技術、名称、ビジュアルにいたる情報を含めてKnotが発信することをお約束したパートナーです。

日本各地に息づくモノ作りの伝統を、世界へ伝えたい。「MUSUBU」とは、日本独自のクラフトマンシップと世界の人々を、リストウェアという形で結ぶプロジェクトです。匠の手から、世界の人々の腕元へ。確かな品質を、物語とともに。 「リストウェアで日本と世界を結ぶ」 Knotの哲学を形にします。

MUSUBUプロジェクトの歩み

2015年 有限会社昇苑くみひも(京くみひも)

      栃木レザー株式会社(栃木レザー)
2016年 株式会社槙田商店(傘生地)

      林精器製造株式会社(時計ケース)
2017年 キモト・レザーワークス株式会社(姫路レザー)

      株式会社SHINDO(ナイロンリボン)
2018年 株式会社タケヤリ(帆布)

      髙田織物株式会社(畳縁)
2019年 有限会社藤豊工業所(クロコダイル)

      カイハラ株式会社(デニム)

      筑前織物株式会社(博多織)
2021年 有限会社印傳の山本(印伝)
2022年 セイショク株式会社(NUNOUS)
2023年 会津漆伝統工芸士 大竹信一氏(漆、螺鈿)

※時計・ストラップ製造工場を除く

コラボレートパートナー

2017年 株式会社モンドデザイン(SEAL タイヤチューブ)
2019年 株式会社シリコーンテクノ(シリコンラバー)
2020年 株式会社キヨモト(HERGOPOCH / ENGAGEMENT)
2021年 株式会社マイトデザインワークス(ボタニカルレザー)
2022年 株式会社箔一(プラチナ箔)

      独立時計師 牧原大造氏
2024年 株式会社谷口(縫える木)

今後も、日本が誇る伝統、文化、技術を、より広く世界中の人々に知っていただくために、MUSUBUパートナーとの絆を深くし、また新しいパートナーとの出会いを大切に、共に楽しみながら進んでいきたいと思います。

4. 海外にも進出した「体験型店舗」

「楽しい」が聞こえる店

実際に製品を手に取ってカスタムオーダー体験を楽しんでいただく為のギャラリーショップ(=直営店)を全国に出店してまいりました。これまで直営店舗は国内外に約20店舗誕生。お客様から「楽しい」の声を聞くことができる体験型の店舗です。

Knotのギャラリーショップは、お客様の声が聞こえる場所であり、次の製品やサービスが生まれる原点でもあります。

アドバイザー(販売スタッフ)は、腕時計だけでなくKnotのパートナーに関する知識も持ち、様々な面からお客様に商品をご紹介し、カスタマイズ体験を支えます。

Maker’s Watch Knot ギャラリーショップ

コロナ禍を経て見直されるリアルな体験の意義

2020年、コロナ禍においてリアルな体験の場は奪われ、オンラインでの体験が充実しました。しかしまた、リアルでしか得られない情報・体験の重要性を改めて見直す機会になったと言えます。

京くみひものストラップでシルクの手触りを感じ、ジャカード織の傘生地の美しい柄を間近で見るリアルな体験は、買い物という行為をより豊かなものにします。また、手にとって品質を確かめて購入することは「良いものを長く大切に使う」という基本的なSDGsの考えにとって、理想的な手段と言えます。

5. 未来の時計業界へ

未来の時計技術者が学ぶ、ヒコ・みづのジュエリーカレッジ

日本国内で時計の修理製造技術を学ぶことができる専門学校は数えるほどしかなく、関東では「ヒコ・みづのジュエリーカレッジ」ただ1校しか存在していません。(2024年3月現在)

この特別な専門学校を支援すべく、Knotは取り組みを行ってまいりました。

2018年:Makuake クラウドファンディングプロジェクト「Knotが日本の時計製造業の未来を支援する。若き技術者がデザインした特別モデル」

時計大国と言われる日本ですが、その未来を担う学生たちが日々の授業で使用するのはスイス式の時計設備・工具が中心で、日本式の修理製造技術を学ぶ機会はほとんどありません。主な就職先はスイス式のメーカーや、舶来品の修理工房に絞られるのが実情でした。卒業後に日本の時計メーカーでその技術を生かせる環境を支援するため、クラウドファンディングを立ち上げました。

プロジェクトは、2016年末〜2017年春にかけてヒコ・みづのジュエリーカレッジとKnotによって開催した文字盤意匠コンテストの優秀作品を限定生産し、リターンとしました。結果は、目標金額の300万円を大きく上回る約450万円の応援をいただき、運営費、開発費、製造原価や、手数料などを差し引いた支援額の全額を同校へ寄付させていただきました。

ヒコ・みづのジュエリーカレッジにて、Knotの製品開発担当者が文字盤デザインをサポート

2020年〜2023年:ヒコ・みづのジュエリーカレッジ主催「高校生デザインコンテスト」ウォッチ部門への協賛

高校生が応募した腕時計のデザインに、Knot賞を提供。受賞作品のデザイン画はMaker’s Watch Knotのギャラリーショップにて展示を行いました。

日本人でわずか3人、独立時計師・牧原大造氏とKnotが初のコラボレーション。

ほとんどの人にとって、一生手が届かない独立時計師が作るオーダーメイドの時計を、Knotのサプライチェーンを活用する事で、より多くの方にお求めいただける価格で発売することを実現しました。

独立時計師 牧原大造氏が、共通の目標を持ち、コラボレーションすることで、多くの人にとって手の届く価格で提供することを可能にした当モデルは、目標金額の3,000,000円をはるかに上回る約3,800万円の応援をいただきました。

Makuakeプロジェクトページ

特定のメーカーに所属せず、自らのアイデアと高い技術力で独創的な作品を一から作り上げる、最高峰の時計技術師達。独創的な時計を次々と生み出した天才時計師フランク・ミューラー氏も、自身のブランドを立ち上げる以前にこのアカデミーに所属していたことでも有名です。数か月~数年掛けて製造される作品には、数億円もの価値が付けられる事もありますが、その芸術性の高い作品を待ち続ける顧客が後を絶ちません。 スイスに拠点を置くAHCI「独立時計師アカデミー」が認定する会員は世界で40名足らず。そして、その世界最高峰の時計技術師集団に日本人で3人目に認定されたのが、牧原大造氏です。

同プロジェクトは、テレビ番組をはじめとした多くのメディアで取り上げられ、独立時計師という存在をそれまで知らなかった方々の目にも止まるなど非常に大きな反響をよびました。

6. Knotの情報伝達者としての役割

株式会社谷口「縫える木」

2024年2月29日、数量限定のシーズンコレクションとして発売した「蘖(ひこばえ)」は、株式会社谷口(石川県金沢市〇〇町)が開発した「縫える木」をフェイスに用いて実現したモデルです。

「縫える木」を採用した腕時計

令和6年能登半島地震により、株式会社谷口の穴水工場は大きな被害を受け、同社は現在復旧に向けて取り組まれています。2024年3月7日、工場の再建に向けた同社のクラウドファンディングが公開されました。

能登半島地震で倒壊した穴水町の木工所を再建し、伝統を守りたい

目標金額 5,000,000円

https://readyfor.jp/projects/taniguchi

「縫える木」を始めとした世界に誇る木工技術は、日本の技術力を世界にアピールする上で非常に価値あるものであり、将来へ繋いでいくべきものと考えております。

Knotは、コラボレーション製品によって同社の技術について発信するだけでなく、このクラウドファンディングについての情報発信も積極的に行い、復興の助力となるように努めてまいります。

この取り組みが工場の復興だけでなく、被災地の方々に希望を届ける一助となることを心より願っております。

7. 今後の10年と世界への展開

・変わらぬミッションと新たな挑戦

創業当初に掲げたミッション、スローガンはこれからの10年も変わりません。

これからの10年は、世界中の方々に対してグローバルサイトでの直接販売を今まで以上に積極的に展開し、日本の伝統技術を活かした”アート”としての価値も高い腕時計の開発も増やし、より日本を世界へとアピールしてまいります。

・代表取締役社長 遠藤より皆様へ / 周年イベントの開催について

日本には、まだまだ紹介しきれていない、目を見張るような素晴らしい技術や目を奪われるような美しい素材があります。

1つ1つを丁寧に開発し、世界中の皆様にご紹介していく事で、創業時からのミッション

「ジャパン・クオリティで、日本と世界を結ぶ」を具現化し、世界中のより多くの人に日本の魅力を伝えていく企業を目指します。今後のKnotに是非ご期待ください。

引き続き格別なるご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2024年中に10周年を記念したスペシャルモデルや、イベントを企画しておりますので、楽しみにお待ちください。


Maker’s Watch Knot について

時計・ストラップ・バックルを自由に着け替えられるKnotの時計なら、レザーストラップやデニムなど豊富に取り揃えたストラップから、その日のファッションや天候に合わせてカスタムを楽しむことができます。
リストウェアをファッションとして自由に楽しむ「今日の服に、今日の時計」がKnotのコンセプトです。

<会社概要> https://knot-designs.com/
 ・名称:株式会社Knot(ノット) 
 ・設立:2014年3月
 ・代表者:遠藤弘満
 ・所在地:〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-15-6 ルリアン吉祥寺 T-3F
 ・事業内容:腕時計の企画製造販売

Instagram 
https://www.instagram.com/knot_official/

https://www.instagram.com/makers_watch_knot/
 
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