ヴァン クリーフ&アーペルのプレスリリース
美と調和を称え、卓越性を追求してきたヴァン クリーフ&アーペルは、ダンスに無限の創造性の源を見いだしてきました。その創造性は、年月を重ねるごとに、より豊かに発展しています。バレエという芸術こそが、メゾンを象徴する女性のモチーフに、優雅さ、繊細さ、躍動感を吹き込んでいるのです。
ヴァン クリーフ&アーペルは今年、「バレエ プレシュー」コレクションの名のもとに、コール・ド・バレエをテーマとした新たな作品を通じて、このインスピレーションの源を称えます。2007年に初めて登場したこのコレクションをさらに充実させるハイジュエリー クリップのセットでは、繊細な動きや優美な衣装、豪華な装飾までが忠実に再現され、ロマンティックなクラシックバレエの名作を思い起こさせます。作品のシルエットはゴールドと宝石で引き立てられ、その仕上げのひとつひとつが、ヴァン クリーフ&アーペルが誇るサヴォアフェールと細部まで至る配慮を証明しています。
「クラシックバレエは、インスピレーションの源として、ヴァン クリーフ&アーペルの重要な伝統となっています。その歴史は80年以上前に遡り、1940年代にはこのテーマから着想を得て、メゾンのダンサー クリップの作品が誕生しました。ダンスという動きの芸術の真髄がジュエリーに反映され、最も貴重な素材によって身振りやポーズが生き生きと表現されています。下絵から宝石の選別、ワックスの彫刻から金属の成形に至るまで、メゾンの女性像に命を吹き込む作業は、職人たちが一体となって成し遂げる偉業と言えます。」
ニコラ・ボス
ヴァン クリーフ&アーペル プレジデント兼CEO
ヴァン クリーフ&アーペル
コール・ド・バレエ
メゾンは今回、クラシックバレエのレパートリーや著名なバレリーナに敬意を表し、これまで大切に育んできた、創造性に溢れる伝統を受け継ぐ10点のバレリーナ クリップを発表いたします。「ジゼル」「眠れる森の美女」「火の鳥」などの作品を想起させる、すらりとしたバレリーナのモチーフには、緻密にデザインされ細工された衣装や装飾品が優美にあしらわれています。
振付芸術の煌めきを写し取ったかのような作品を創作するために、メゾンはあらゆるサヴォアフェールを駆使し、卓越した基準に適う宝石のパレットを厳選しました。ヴァン クリーフ&アーペルの職人たちの熟練した技の結晶である各作品の制作は、緑色をしたモデリングワックスの塊を手作業で彫刻するところから始まります。この工程は、メゾンの女性像を造形するうえで欠かせないものであり、クリップのフォルムを立体的に研究することを可能にします。職人たちは、観察眼をもって非常に精巧なクラフツマンシップを発揮し、優雅な体の動きや繊細に波打つ衣装をワックスで表現します。原型が完成すると、ワックスは鋳型から溶かし出され、代わりにゴールドが流し込まれます。鋳造されたゴールドには、手作業による仕上げと研磨が施されます。さらに、細心の注意の下、厳選された宝石がセットされることで、女性のモチーフは煌めきと繊細な色彩を纏い、明るく光り輝くのです。
パリ流派
カロンヌ バレリーナ クリップ
悲劇的な愛の物語である「ジゼル」は、ロマンティックバレエの最高峰とされています。物語の主人公は、アルブレヒトとジゼルです。ヒロインのジゼルは、この当時の最も著名なバレリーナのひとり、カルロッタ(カロンヌ)・グリジをイメージしたキャラクターだと言われています。カロンヌ クリップは、1841年の初演の際にジゼルを演じたこのバレリーナにオマージュを捧げる作品です。
細かい畝が刻まれたゴールドのスカートには、ダイヤモンドが縦のラインに並べられ、ロマンティックバレエに典型的な透け感のあるチュールのチュチュを想起させます。バレリーナの優美で控えめな佇まいは、煌めく生地で仕立てた衣装を連想させるゴールドや、胸元とバレエシューズに飾られたペアシェイプの宝石とのコントラストによって、一層引き立ちます。
シャン デュ ロシニョール
バレリーナクリップ バレリーナ クリップ
このクリップは、ハンス・クリスチャン・アンデルセン作の童話を原作とするオペラ「ナイチンゲールの歌」をイメージした作品です。「ナイチンゲールの歌」は、1914年、イーゴリ・ストラヴィンスキー作曲による音楽とともに、パリ・オペラ座で初演されました。本作品では、メゾンが創設以来大切にしてきたダンス、自然、異文化という複数の分野のテーマが組み合わされています。
この作品は、ポワントで優雅にバランスをとる女性の姿を描いています。宝石がセットされたゴールドのボディスは、研磨による輝きによってプリーツの表情を際立たせたチュチュへとつながっています。髪を飾るリボン、そっと優しく曲げられた左腕に止まる鳥、トウシューズからも、同じように温かみのある色調の光が放たれています。ホワイトゴールドのシルエットにロジウム加工を施す際、それぞれのディテールは、さまざまな要素を“積み重ねる”、つまり、何層もラッカーを重ねることで保護する伝統的な手法を用い、異なる色調のゴールドで表現されています。
ヴェラ バレリーナ クリップ
1910年にイーゴリ・ストラヴィンスキーが作曲した有名なバレエ作品「火の鳥」から着想を得て制作されたこのクリップは、セルゲイ・ディアギレフが率いるバレエ・リュスが創作した舞台装飾の鮮やかな色彩を彷彿させます。
初演時、ツァレヴナ(王女)役を演じたヴェラ・フォーキナは、イエローとオレンジの羽根で覆われた印象的な衣装を纏って登場しました。このクリップでは、スカートの裾に向かって放射状にエングレービングが施されたゴールドによって、羽根が表現されています。交互に並ぶダイヤモンドとカラーサファイアの縦のラインと、シルエットを鮮やかに強調する深紅のルビーが、羽根飾りを思わせる視覚効果を高めています。ボディスにも同じ色調が用いられ、ローズカットのダイヤモンドで象られたバレリーナの顔へと視線を導くように、リボンが繊細にクロスしています。
マリア バレリーナ クリップ
1917年5月、バレエ・リュスがパリのシャトレ座で上演した1幕の作品「パラード」は、多くの芸術家のコラボレーションによって生み出されました。中でも、パブロ・ピカソが舞台装飾を手がけたことで有名です。初演時に“アメリカ人少女”の役を演じたダンサー、マリア・シャベルスカにちなんで名付けられたこのクリップは、軽業師や魔術師が登場し、ピカソが衣装をデザインしたバレエ作品の風変わりな世界を映し出しています。それは、スカートの模様を表現したスターセッティングの宝石や裾飾りを構成するバゲットカット ダイヤモンドに見て取ることができます。さらに、カフ ブレスレット、ネックレス、豪華なヘッドピースなど数々のアクセサリーが組み合わされ、ダンサーの衣装が完成します。このジュエリーは、1940年代以来、ヴァン クリーフ&アーペルが制作してきたバレリーナを彩る伝統的な装飾を復活させたものです。
モンテカルロ流派
スペクトル ドゥ ラ ローズ バレリーナ クリップ
目の前でぱっと花が咲いたかのようなこのクリップは、バレエ「薔薇の精」(1911年)に見られる、自由でこの上なく優美な振付に着想を得ています。肩のラッフルや花びらを重ねたようなチュチュの広がりが、薔薇を思わせる女性の花の精を鮮やかに浮かび上がらせます。彼女の繊細な動きは、アシンメトリーに配された手やダイヤモンドをちりばめたトウシューズの位置から感じ取れます。花の精が発する軽やかな印象を際立たせるために、複数の技法が駆使されています。大小さまざまなサイズを組み合わせたスノーセットの宝石が貴金属のスカートを覆い、色彩の鮮やかさを印象付けます。一方、ボディスにはミラーポリッシュを施して強い輝きを生み出し、舞台でライトに照らされているかのような効果を演出しています。
イタリア流派
マチルド バレリーナ クリップ
このバレリーナは、優雅でありながらのびのびとした動きを通じて、イタリアの仮面劇「コンメディア・デッラルテ」の代表的な登場人物、ハーレクインの恋人であるコロンビーヌのいたずら好きな性格を伝えています。ダンサーのドレスを飾るモチーフは、ハーレクインの象徴的な衣装から着想を得たもので、ダイヤモンドをセットした三角形とひし形の面とミラーポリッシュで仕上げたゴールドの面を組み合わせて構成されています。このような素材のコントラストは、髪に結んだリボン、ゴールドビーズとダイヤモンドを交互にあしらったスカートの裾にも表れています。同様に、ホワイトゴールドのトウシューズにもダイヤモンドがちりばめられ、光り輝くビーズが飾られています。さらに、シューズから延びるリボンが足首に繊細に巻かれたさまが、エングレービングで表現されています。ほっそりとして優美なバレリーナのシルエットは、マリウス・プティパのバレエ「アルレキナーダ」でコロンビーヌを演じた名ダンサー、マチルド・クシェシンスカヤの姿を思い起こさせます。
カルナバル ド ヴェニス バレリーナ クリップ
このクリップでは、躍動的な姿勢で“ルルヴェ・ルティレ”というポーズをとるバレリーナの姿が写し取られています。彼女を彩るコントラスの利いた配色は、色鮮やかで多様な衣装と独創的な仮面で知られるヴェニスの謝肉祭へのオマージュです。グローブ、スカートの縁飾り、曲線を描くバレエシューズを再現するために、イエローゴールドを用いて繊細に造形しています。貴金属の輝きが、彼女のマスク、ベルト、グローブの縁を飾るくっきりとしたラッカーによって、より一層際立つようです。さらに、シューズの先とネックレスのペンダントに輝く宝石が彩りを添え、作品を完成させます。
サンクトペテルブルク流派
ペトルーシュカ バレリーナ クリップ
フルートの音色が魅惑的なイーゴリ・ストラヴィンスキー作曲のバレエ「ペトルーシュカ」(1911年)は、魔術師が3体のパペットに命を吹き込む物語です。パペットのうちの1体はバレリーナで、近づきがたい美しさや優雅さを象徴しています。彼女は、バレリーナの衣装に特徴的な、ボディにフィットしたジャケットとフレアスカートを身に着けています。近くで見ると、さまざまなディテールに気づきます。ジャケットのラインを際立たせるようにあしらわれた多様な宝石は、その好例です。さらに胸元の中央を飾る宝石は固定されていないため、身に着ける方の動きに合わせて動く仕掛けになっています。チュチュでは、パヴェ ダイヤモンドで覆われた表面、煌めきで構成された列、輝きを放つ波型のディテールが連続し、透けるように薄く流れ落ちるチュールを想起させます。
アダージュ ア ラ ローズ バレリーナ クリップ
シャルル・ペローの同名の童話を題材としたバレエ「眠れる森の美女」は、 1890年に初演されました。この作品へのオマージュとして制作された「アダ ージュア ラ ローズ」のバレリーナは、第1幕のワンシーンを彷彿とさせます。そこでは、求婚者たちからバラの花を贈られたオーロラ姫が、そのひとりひとりと、ゆっくりとしたテンポの調和の取れたダンス、アダージオを踊ります。このクリップでは、ダンサーの曲線を描くトウシューズのつま先からすらりとした優美な腕へと至る流れるような動きが、連なるダイヤモンドの軌跡によって強調されています。一方、ボディスのストラップとスカートを飾るパターンは、繊細なレースを思わせます。また、スカートの裾に輝くピンクサファイアが、バラの彩りをさりげなく仄めかすかのようです。
リュドミラ バレリーナ クリップ
1837年、ミハイル・グリンカは、アレクサンドル・プーシキンの詩からインスピレーションを得て、オペラ「ルスランとリュドミラ」を創作しました。本作品の主人公のように、このクリップのダンサーは、空に向かって伸びるように放射状に尖ったイエローゴールドの王冠を被っています。また、ネックラインとスカートのウエスト部分にも、イエローゴールドによる同様のモチーフがあしらわれています。これらの装飾は、衣装のほかの部分を覆うグレインセッティングのダイヤモンドや丹念に磨き上げられたホワイトゴールドのシルエットとのコントラストを、立体的に浮かび上がらせます。
ヴァン クリーフ&アーペル
バレリーナ
ヴァン クリーフ&アーペルとダンスの世界とを結ぶ絆の歴史は、1920年代のパリに遡ります。バレエをこよなく愛していたルイ・アーペルは、甥のクロードを連れて、ヴァンドーム広場のブティックからほど近いオペラ・ガルニエに足繫く通っていました。1940年代初頭、メゾン初となるバレリーナ クリップが誕生し、瞬く間にヴァン クリーフ&アーペルのシグネチャーとなります。優美なポーズと衣装の美しさは、すぐさまコレクターたちの心をつかみました。ゴールドもしくはダイヤモンドの顔に高貴なヘッドピースを飾り、バレエシューズを履いたバレリーナは、ダイヤモンドやカラーストーンが輝くチュチュによって動きを伝えます。ヴァン クリーフ&アーペルのダンサーたちは、1906年の創業以来、メゾンがほかの国々の文化から受けてきた影響をも映し出しています。ダンサーたちが、スペインから太平洋諸島まで、世界中の衣装を身に着けているのはそのためです。
2007年には、バレエ プレシュー ハイジュエリー コレクションが誕生しました。以来、具象的な作品やより様式化された作品を通じて、ヴァン クリーフ&アーペルのダンスへの関心を表現し続けています。長年にわたって発表されてきた本コレクションの多様なシリーズには、ダンス芸術に対する深い敬意が込められています。
ヴァン クリーフ&アーペルのアトリエの“マンドール(黄金の手)”と呼ばれる熟練の職人によって形作られるチュチュは、プリーツを模したゴールド、貴石やオーナメンタルストーンなどによって、舞台衣装の形状や質感を再現しています。メゾンのサヴォアフェールを物語るように、「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「火の鳥」「ラ・シルフィード」など、著名なバレエ作品を想起させる多種多様な色彩が、ダンサーたちを彩っています。メゾンのバレリーナ クリップは、創造性に富んだインスピレーションにより、ヴァン クリーフ&アーペルのウォッチコレクションに登場する繊細なダンサーたちに加わっています。メゾンは、時計制作の専門技術とエナメル細工といった芸術的な職人技を融合することで、オペラやバレエが醸し出す夢に命を吹き込んでいるのです。
ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペル
メゾンは2020年、ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペルを創設し、ダンス芸術に対するコミットメントを改めて表明しました。創造、継承、教育という3つの価値を指針とするこのイニシアチブは、振付芸術の伝統を次代へと継承するためにアーティストや団体を支援するとともに、新たな作品制作を奨励することを目的としています。発足以来、ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペルは、数多くの国際的なダンスカンパニーや団体の活動に寄り添ってきました。
このプログラムは、2022年3月にロンドン、2023年5月に香港で開催されたダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペル フェスティバルのような大規模なイベントを通じて年々拡充を遂げています。この支援は、プロ・アマチュアを問わずすべてのオーディエンスを対象として、振付文化に対する認知度を高める取り組みにも及んでいます。
【読者お問合せ先】
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