大正製薬のプレスリリース
全体としては、約7割弱の人が食生活において何らかの免疫対策を意識していることがうかがえます。
【調査概要】
調査機関:Freeasy
調査対象:全国の20代~40代の男女1000人(年齢・性別 均等割付)
調査方法: Webアンケート
調査日:2023年11月8日〜2023年11月9日
東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 部長の管理栄養士である濱 裕宣先生によると、ちょっとした食品選びや調理法で、実はより効果的な免疫対策になるそう。
冬の食事の免疫対策、“どっちが正解?”を濱先生に伺います。
【監修】
東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 部長
『その調理、9割の栄養捨ててます!』や、レシピ本『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』など多数の栄養、健康レシピ本にかかわる。日常生活のなかで活かせる健康と栄養バランスを大事にし、日ごろから患者の立場に立った食生活の向上指導にあたっている。
お鍋編
A:おすすめは・・・魚介類!
免疫細胞も細胞のため、基本はたんぱく質でできているので、もちろんお肉も魚介類もたんぱく質源という観点ではおすすめですが、免疫対策を意識すると、免疫対策に有効なタウリンが豊富な牡蠣やビタミンDが豊富な鮭が免疫対策にはよりおすすめ。肉であれば、ビタミンB6が豊富な豚肉がおすすめです。
お鍋で注目!の栄養素
今が旬の牡蠣や、イカ・タコ・魚など魚介類に豊富なタウリンは、免疫アップのためにぜひ意識してほしい栄養素です。魚介類には亜鉛も豊富なので、粘膜を強くしてくれ、ウイルスの侵入予防にもつながります。
野菜は抗酸化作用を発揮してくれるビタミンA・C・E(ビタミンエース)がとれるにんじん・ほうれん草・トマトをたっぷり摂るのが理想的。
●ビタミンD
鮭、いわし、しらす、ツナやしいたけ、きくらげに含まれる栄養素。免疫細胞は骨髄で作られますが、ビタミンDは、カルシウムが吸収をサポートし、骨を強くすることにも関与していますし、さまざまな調査で、免疫細胞を元気にしてくれることが裏付けられています。ウイルスや病原菌が来てしまった際の過剰な免疫反応も抑えることがわかっています。
●サポニン
免疫機能をつかさどるリンパ球の1種であるナチュラルキラー細胞を活性化してくれるといわれるサポニンが摂れるゴボウや豆腐(大豆食品)を加えるとより免疫対策に。
●鉄
赤血球の中にあるヘモグロビンに含まれ、全身に酸素を送り届けるためには不可欠な栄養素です。鉄分が不足すると貧血になってしまい、免疫細胞への酸素や栄養の運搬も手薄になってしまうため、免疫低下につながる恐れがあります。ほうれん草・小松菜などをたっぷりと摂るのがおすすめです。
●水溶性食物繊維のβ-グルカン
お鍋の締めのおすすめは、大麦ごはん。大麦は水溶性食物繊維のβ-グルカンをたっぷり含みますが、これが腸内環境を整えてくれます。腸内には免疫細胞が多数集まっているので、腸内環境の整備が免疫細胞の活性化につながります。大麦だけで食べにくいという人は、3:7で大麦:お米、というふうに混ぜてみては? 同じくβ-グルカンの一種であるパラミロンという食物繊維を含むユーグレナパウダーを出汁に入れるのもおすすめ。
サラダ編
A:正解は、ミニトマト!
サラダで注目!の栄養素
抗酸化作用や抗がん作用があるといわれる成分。植物の新芽(スプラウト)に多く含まれます。ブロッコリースプラウトを毎日のサラダに添えるのを習慣にしては?
●ルテオリン
セロリに含まれるポリフェノールのルテオリンには高い抗炎症作用があるといわれています。そのほか多くのポリフェノールが含まれるセロリ、実は、切ることでポリフェノール量が30%アップし、抗酸化作用も4倍以上になるといわれます。ただし、切って時間が経つとビタミンCなどが減ってしまうので、切ったらすぐにいただきましょう。
炒め物編
A:カレー粉
イカは薄皮をそのままにして炒めると、タウリンもコラーゲンも逃さず食べることができます。
炒め物で注目!の栄養素
β-カロテンは粘膜強化に役立つ成分。β-カロテンは生で食べると吸収率8%程度ですが、加熱すると吸収率が2倍以上になります。油と相性がよく吸収率は70%までに上昇。β-カロテン豊富なにんじんはぜひ、油いためで食べましょう。
免疫維持に役立つといわれるビタミンD(きくらげ、干し椎茸などに豊富)、血管の酸化などを防ぐことで血行維持をサポートしてくれるビタミンE(卵などに豊富)
●放置すると増える!?ビタミンC
風邪予防のための栄養の代表格であるビタミンC。野菜炒めでよく使われるにんじんにも豊富に含まれていますが、実はにんじんの食べ方にもコツがあります。にんじんは切ってから1~2日置いたほうが、ビタミンCが増加することがわかっているのです。また、上下の先端を切り落としてしまいがちですが、ビタミンC量の順番は、多い順に下の先端約3~4cm部分、上から約2cmの部分、下から約4~6.5cm部分の下部、中央部となっているので、端から端までいただくのがおすすめ。
薬味編
A:加熱して使う! ただし、100℃以下で。
生姜に含まれるジンゲロールは白血球の数を増やし、免疫機能を活性化します。気管支炎などを引き起こす細菌を攻撃してくれるとも言われます。ショウガオールはジンゲロールを加熱したり乾燥させたりするとできる成分で、そのパワーはジンゲロールの30倍ともいわれます。血行を促進し、免疫細胞も活発にしてくれます。ただし、100℃を超えてしまうと働きを失ってしまうので、90℃くらいのオーブンで1時間ほどローストしてカラカラになるまで乾燥させる、を数回繰り返したものをスープに切って使うのがおすすめ。
薬味で注目!の栄養素
薬味の代表選手、長ネギに含まれるネギオールという成分には、抗菌・抗ウイルス作用があります。また、同じくネギの緑の部分に含まれるフルクタンという糖がインフルエンザ予防に効果があると言われています。
●アルファピネン
ミョウガに含まれるアルファピネンという精油成分には、消化促進、血流改善や免疫力向上の効果が期待できます。