ピジョン株式会社のプレスリリース
水野 克己 / 以下略:日本母乳バンク協会)の活動に賛同し、2020年より同協会初のゴールドスポンサーとして支援を開始しました。当社1階に開設した「日本橋 母乳バンク」への継続的な支援や全国のママ・パパや医療従事者への普及啓発活動のほか、商品の売上の一部を寄付する本キャンペーンを4年連続で実施しています。
今年度は、株式会社赤ちゃん本舗の協力を得て、全国のアカチャンホンポとアカチャンホンポ オンラインショップにて4月28日(金)より開始いたします。
■母乳バンクとは
母乳を必要とする早産・極低出生体重児(出生体重1,500g未満の赤ちゃん)が自分の母親から母乳を得られない場合、医療機関からの要請に応じ、寄付された母乳を低温殺菌処理した安全な「ドナーミルク」を提供する施設が「母乳バンク」です。当施設では、国際的な運用基準に基づき、母乳の検査や低温殺菌処理を行い、安全に保管、保存することが求められます。また、ドナーミルクは赤ちゃんの医学的な必要性に応じて利用すべきという考えに基づき、無償で提供されています。
■年間約5,000人守りたい、ちいさな命があります
日本では年間約6,000人※1の極低出生体重児が生まれ、約5,000人の赤ちゃんがドナーミルクを必要としています。当社は、小さく生まれた赤ちゃんの健やかな成長を願い、商品の売上の一部を日本母乳バンク協会に寄付するキャンペーンを開始しました。本キャンペーン実施の結果、2022年までの寄付総額は10,017,950円となりました※2。
■対象商品購入につき10円を「日本母乳バンク協会」に寄付
今年度のキャンペーンは、全国のアカチャンホンポにて開催され、2023年4月28日(金)~6月29日(木)の期間中にご購入いただいた対象の母乳パッド1個につき10円を当社から日本母乳バンク協会へ寄付いたします。本キャンペーンで集まった寄付金は、赤ちゃんに安全なドナーミルクを提供するため、母乳の低温殺菌や検査、ドナーミルクの発送などの費用に充てられます。
※1 令和3年(2021)人口動態統計
※2 当社は、同協会のゴールドスポンサーとして、本キャンペーンでの寄付金に上乗せし、2020年~2022年の寄付金額としては1,500万円を寄付しました。
- 【「母乳バンク寄付キャンペーン」概要】
<実施内容>
期間中にご購入いただいた対象の母乳パッド1個につき10円を当社から日本母乳バンク協会へ寄付いたします。
<対象商品>
母乳パッド フィットアップ®
母乳パッド フィットアップ® プレミアムケア
母乳パッド フィットアップ® 抗菌プロテクト
※商品パッケージが異なる場合がございます。
※一部店舗でお取り扱いがない場合がございます。
<対象期間>
2023年4月28日(金)~6月29日(木)
*期間中にアカチャンホンポで購入された対象商品の数量に準じて寄付を行います。
<実施店舗>
全国のアカチャンホンポ および アカチャンホンポ オンラインショップ(https://shop.akachan.jp/shop/)
<キャンペーンページURL>
母乳バンク寄付キャンペーン:https://pigeon.info/breastpad/campaign/pad2008.html
- 【参考】
1.「ちいさな産声サポートプロジェクト」とは
ピジョンは、早産で生まれた赤ちゃん、低体重で生まれた赤ちゃん、病気の治療が必要な赤ちゃんなど、専門的なケアを必要とする赤ちゃん一人ひとりの健やかな成長を支え、ご家族がより安心し幸せを実感できるように「ちいさな産声サポートプロジェクト」を各国で行っています。
このプロジェクトの取り組みとして、2020年9月の「日本橋 母乳バンク」の開設サポートをはじめ、社会への母乳バンクの普及啓発活動などの継続した支援を実施しております。今後も、赤ちゃん一人ひとりの健やかな成長を支え、ご家族がより安心し幸せを実感できるよう、日本はもちろん、海外での母乳バンクの普及に向けた支援や、社会への情報発信を継続的に行ってまいります。
●特設サイトURL:https://www.pigeon.co.jp/csr/tinycry/
2.母乳・ドナーミルクはなぜ必要なのか
母乳には、赤ちゃんにとって必要な栄養素がバランスよく、消化しやすい形で含まれており 「最適な栄養食」と言われます。特に、様々な感染症、病気にかかるリスクが高い早産児において、母乳には赤ちゃんの生死にかかわる壊死性腸炎(腸の一部が壊死する病気)に罹患するリスクを、人工乳のおよそ1/3 に低下させる効果があることがわかっており※3、「母乳は薬」とも言われています。また、早産児がかかりやすい未熟児網膜症や慢性肺疾患などの予防に役立つ物質が含まれているほか※4・5、長期的な神経発達予後を改善する効果についてのエビデンスも出てきています※6・7。しかし、全ての母親が、出産直後から充分な母乳が出るわけではなく、早産となった場合には、母親が必要量の母乳を与えられないこともあります。そのような際に、ドナーミルクを提供することで、上記のような疾患の罹患率と重症度を低下させ、長期的予後の改善を図ることができます。
※3 Quigley MA. Henderson G. Anthony MY. et al. Formula milk versus donor breast milk for feeding preterm or low birth weight infants. Cochrane Database Syst Rev. 2007; (4):CD002971.
※4 Patel AL et al. Influence of own mother’s milk on bronchopulmonary dysplasia and costs. Arch Dis Child Fetal Neonat Ed. 2017;102(3):F256-F261.
※5 Zhou J et al. Human milk feeding as a protective factor for retinopathy of prematurity: a meta-analysis. Pediatrics. 2015;136(6):e1576-1586.
※6 Lewandowski AJ et al. Breast milk consumption in preterm neonates and cardiac shape in adulthood. Pediatrics. 2016;138(1):pii:e20160050.
※7 Vohr BR et al. Beneficial effects of breast milk in the neonatal intensive care unit on the developmental outcome of extremely low birth weight infants at 18 months of age. Pediatrics. 2006;118(1):e115-123.
3.日本における母乳バンクの課題
2002年にWHO(世界保健機関)より「母親の母乳が得られない場合は、ドナーミルクが第一選択である」と推奨されたことをきっかけに、今では世界50カ国以上で600カ所を超える母乳バンクが開設されています。日本では、2017 年に一般社団法人 日本母乳バンク協会が設立され、2019年当時日本に唯一の昭和大学江東豊洲病院内の母乳バンクでは、2018年9月から2019年8月までの1年間において80例に対応しました。しかし、日本においてドナーミルクが必要な赤ちゃんは年間約5,000人と想定され、施設が圧倒的に不足しているのが現状です。一方で、2019年7月には、日本小児医療保健協議会栄養委員会から「自母乳が不足する場合や得られない場合、次の選択肢は認可された母乳バンクで低温殺菌されたドナーミルクである」との提言※8が出され、母乳バンクの普及が期待されています。
※8 日本小児科学会雑誌 第123巻 第7号 日本小児医療保健協議会栄養委員会 早産・極低出生体重児の経腸栄養に関する提言
- 【一般社団法人 日本母乳バンク協会 概要】
日本母乳バンク協会は、日本の新生児医療において「母乳」の活用を促進することを主な目的として2017年5月に設立された一般社団法人です。本協会は「母乳提供者の善意」を基盤に、以下を主な内容として活動をされています。
・提供者の健康チェック
・提供母乳の各種検査(血液検査によるスクリーニング検査を含む)
・提供母乳の安全な保管、保存、その方法の開発
・低出生体重児への母乳の提供
・低出生体重児の母親への母乳育児支援
・周産期医療における効果的な「母乳活用」の研究
●日本母乳バンク協会URL:https://jhmba.or.jp/