豊島株式会社のプレスリリース
快適なライフスタイルの提案を目指す豊島株式会社(代表取締役社長:豊島半七、名古屋市中区)は、東南アジアに自生する植物・カポックから採取した繊維と、トウモロコシやサトウキビのデンプンから作られるバイオマス原料のPLAをブレンドした、100%植物由来の素材「POLAK(ポラック)」を独自開発しました。
この「POLAK」を採用した商品が、株式会社アーバンリサーチが展開する、“心地よい暮らし”をテーマに環境に良いロングライフ商品を提案するブランド「URBAN RESEARCH DOORS(アーバンリサーチドアーズ)」から、 2023年2月に発売予定です。
世界的なSDGsやサステナビリティの流れを受け、ファッション業界では環境配慮型の素材への注目度が高まっており、これらの素材を使用した商品が多く見られるようになっています。
今回、豊島が独自開発した「POLAK」は、東南アジアに自生する植物・カポックから採取した繊維と、トウモロコシやサトウキビのデンプンから作られるバイオマス原料のPLAとブレンドして生まれた、100%植物由来の素材です。
これまで、カポックは繊維への加工が難しく、繊維製品への開発が進まず商業化に至らなかったため、カポックの木々が多く自生する東南アジアでは、廃材同様の扱いで捨てられているという背景がありました。技術の発達により、廃材として扱われていたカポックをポリエステルとブレンドして繊維へ加工する方法が生まれる中、当社はPLAとブレンドすることで、100%植物由来の繊維を開発。本来であれば廃棄されてしまうものを、100%植物由来の環境配慮型素材に生まれ変わらせることに成功しました。石油や動物由来の繊維に比べて環境への負荷が少なく、大規模栽培や森林伐採が不要なため、循環型社会への貢献も期待できます。
さらに機能面では、カポックが持つ軽量性(綿の1/8の軽さ)や、寒い時に湿気を吸って発熱する吸湿発熱、暑い時に湿気を放出して涼しく快適にする吸放湿性といった特徴が活かされているため、中綿材としてアパレル製品や、寝具などに使用いただくことができます。
2023年2月には、この「POLAK」を素材に採用した2023SS商品が、株式会社アーバンリサーチが展開する、「心地よい暮らし」をテーマに環境に良いロングライフ商品を提案するブランド「URBAN RESEARCH DOORS」から発売予定です。
今後、サステナビリティと機能性を両立した素材として、アパレル製品以外にも、土木関係の土壌改良シートなどの資材、手芸用の資材、寝具など、様々な場面で「POLAK」を採用いただくことを目指しています。
■POLAK(ポラック)について
「POLAK」は、東南アジアに自生する植物・カポックから採取した繊維と、トウモロコシやサトウキビのデンプンから作られるバイオマス原料のPLAとブレンドして生まれた、100%植物由来の素材です。石油や動物由来の繊維に比べて環境への負荷が少なく、大規模栽培や森林伐採が不要なため、循環型社会への貢献もできます。
〈POLAKの原料、カポックとは?〉
カポックは、主にジャワ島に自生する植物です。高さ10~30mの喬木の蒴(さく)果中から繊維を採取します。カポック繊維は、繊維長18~27mm、直径が約0.02mmでストロー状の中空構造が特徴です。軽量かつ保温性や対浸水性に優れているため、多くは救命具や布団の中綿に使用されてきましたが、紡績難易度が高いことから他の繊維よりシェアが少ないのが現状です。そこで、豊島独自の技術でカポック繊維を板綿シート状に製造した、100%植物由来の中綿機能性シート「POLAK」が誕生しました。
〈軽さと暖かさの理由〉
・中空構造
カポック繊維の中空率は70~80%。
天然繊維の中で最も高い中空率を保有しているため、コットンの1/8の軽さが特徴です。
・保温性
シートの内部がエアパック状で熱伝導率が低いため、断熱効果があります。
・吸湿発熱性
身体から発せられた水分をカポック繊維の中空部分が吸収し、水蒸気が水に変わる時に発生する凝縮熱を利用して発熱します。※一般財団法人ニッセンケン品質評価センターにて効果測定済
▶一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
カポック中綿シートの吸湿発熱試験のデータ
ライフスタイル提案商社
■豊島株式会社 https://www.toyoshima.co.jp/
1841年創業。180年を超える実績を礎として、時代の変化に応じて事業領域を拡大。グローバルな原料手配から最終製品の企画・生産管理・納品まで、ファッション産業のサプライチェーンを総合的に担います。また持続可能なライフスタイルを提案する企業として、Society5.0の社会に向かってサステナブル素材や機能的な商品の開発を進めるとともに、テックベンチャーへの投資や提携を通じてインフォメーション・テクノロジーを活用したサービスの提供を進めて参ります。2019年より「MY WILL(マイ・ウィル)」をステートメントとし、当社の姿勢を打ち出しています。