ピジョンが全面的に支援した「日本橋 母乳バンク」の開設から3年目の意識調査を実施 プレママ・ママが「母乳バンクの言葉を知っている」割合は、2020年から20%ポイントアップし、約7割に到達

ピジョン株式会社のプレスリリース

ピジョン株式会社(本社:東京、社長:北澤 憲政)は、専門的なケアが必要な赤ちゃんとご家族向けの支援活動「ちいさな産声サポートプロジェクト」の一環として、一般社団法人 日本母乳バンク協会(代表理事:水野 克己)の活動に賛同し、2020年9月に本社1階へ「日本橋 母乳バンク」の開設を支援するなど、ゴールドスポンサーとして支援を開始しました。
母乳バンクが提供する「ドナーミルク」とは、母乳がたくさん出る母親から寄付された母乳を、低温殺菌処理した安全な母乳のことです。体重1,500g未満で生まれた極低出生体重児が、自分の母親から母乳を得られない場合などに、使用されます※。極低出生体重児にとって「母乳は薬」とも言われ、赤ちゃんの生死に関わる壊死性腸炎に罹るリスクを人工乳に比べ約1/3に低下させるなど、各種疾患の予防効果があるほか、神経発達における長期予後の改善など様々な利点があるとされています。2018年からドナーミルクを利用する病院が増加しており、国内の需要に見合うだけの母乳バンクの整備と経済的サポートが必要とされています。

「日本橋 母乳バンク」の開設より当社が毎年実施し今年で3年目となります「母乳バンクに関する意識調査」の結果をご報告いたします。日本における母乳バンクの普及を目指した本調査の対象は、現在妊娠されている女性(プレママ)、現在3歳未満のお子さんがいる女性(ママ)、現在妊娠されている女性の配偶者(プレパパ)、現在3歳未満のお子さんがいる男性(パパ)の合計1,032名です。
 

  • プレママ・ママの母乳バンクの認知率は約7割、プレパパ・パパも約6割に到達

プレママ・ママにおいて「母乳バンクの言葉を知っている」割合は、2020年が約5割から2022年は約7割まで拡大し、20ポイント増加。「内容も知っている」と回答した割合は、2020年はわずか14%であったのに対し、2022年には、約2倍の30%に到達しました。プレパパ・パパにおいても、2020年は「母乳バンクの言葉を聞いたことがある」と回答した割合は56%で合ったのに対し2022年には61%となり、「内容も知っている」割合は2020年の18%から2020年は25%と拡大しました。★調査結果詳細 1.
 

  • ドナーミルク利用への抵抗感は年々減少するも、プレママ・ママ、プレパパ・パパともに依然抵抗感が残る

プレママ・ママがドナーミルクの利用に「抵抗がある」と答えた割合は、2020年は61%であったのに対し、2022年は49%となり、年々抵抗感は減少しているものの、依然約5割の方は抵抗を感じていることがわかりました。また、プレパパ・パパにおいても「抵抗がある」と答えた割合は45%(2022年)あり、プレママ・ママだけでなくプレパパ・パパにおいても同様に抵抗感があることが判明しました。★調査結果詳細 3.
また、本調査では、母乳バンクへの理解度が高いほど、ドナーミルクへの抵抗感が低いことがわかりました。そして、その抵抗感を乗り越えドナーミルクの利用を判断する際に参考にしたい情報としては、➊母乳バンクや病院における「ドナーミルクの安全管理」(53%)、➋「ドナーとなるママの選定基準」(42%)など、ドナーミルクがどこから来て、どう管理されているかに関する情報が上位2つに入りました。また、3番目には➌「ドナーミルクを使用したママやパパの体験談」(41%)が挙がってきました。※複数回答★調査結果詳細 4.5

※ドナーミルクの使用可否は、医師の判断に基づきます。
 

『ドナーミルクご利用家族向け・情報Book』『ドナーミルクご利用家族向け・情報Book』

当社では、ドナーミルクの利点への理解を促進し抵抗感を減らすため、日本母乳バンク協会と連携し「ドナーミルクご利用ご家族向け・情報Book」を制作し、日本財団母乳バンクに協力をいただき8月より配布を開始しました。本冊子では、母乳バンクの安全管理やドナーとなるママの基準、ドナーミルクの利点など基本的な情報をわかりやすく掲載したほか、ドナーミルクを利用したご家族の体験談を掲載しました。また、産後直後は母体にかかる心身の負担が大きく、パパがドナーミルクの利用を判断することが多いことから、パパ向けのアドバイスや、パパの体験談も掲載しています。当社は、この情報Bookを活用し、より多くの方に、より正しく母乳バンクを理解いただくための普及啓発活動を継続的に取り組んでいきます。

 

【配布方法】
➀「ピジョン ちいさな産声サポートプロジェクト」のサイトよりダウンロードが可能
:ドナーミルクご利用家族向け・情報Book:https://www.pigeon.co.jp/csr/tinycry/about.html
➁日本財団母乳バンクの協力により、ドナーミルク利用病院にて無償提供
問い合わせ先:https://milkbank.or.jp/contact/

■調査結果詳細
<調査概要>
調査対象者:プレママ(現在妊娠されている母親/20~49歳)258名・ママ(現在3歳未満の赤ちゃんを持つ母親/20~49歳)258名
プレパパ(現在妊娠されている配偶者がいる父/20~49歳)258名・パパ(現在3歳未満の赤ちゃんを持つ父親/20~49歳)258名 合計1,032名
実施期間:2022年7月28日~30日 調査主体:ピジョン(株)調査方法:インターネット調査 調査委託先:マクロミル

1.プレママ・ママの母乳バンクの認知率は約7割、プレパパ・パパも約6割に到達
プレママ・ママにおいて「母乳バンクの言葉を知っている」割合は、2020年が50%から2022年は70%まで拡大し、20ポイント増加。「内容も知っている」と回答した割合は、2020年はわずか14%であったのに対し、2022年には、約2倍の30%に到達しました。プレパパ・パパにおいても、2020年は「母乳バンクの言葉を聞いたことがある」と回答した割合は56%で合ったのに対し2022年には61%となり、「内容も知っている」割合は2020年の18%から2020年は25%となりました。プレママ・ママ、プレパパ・パパの間で母乳バンクの認知は年々広がっていることがわかりました。

2.プレママ・ママにおけるドナーミルクへの理解は上昇したものの「よく知っている」割合は未だに低い
プレママ・ママでは、「どんな赤ちゃんを対象に、どんな場合にドナーミルクが必要となるか」について、「よく知っていた」と「なんとなく知っていた」と回答した人が約6割を占めました。(2020年の調査結果 39%)一方で、「よく知っていた」と回答した割合は、約17%程度にとどまっていることから、プレママやママに母乳バンクをより深く正しく理解してもらう必要があることが明らかになりました

3.ドナーミルク利用への抵抗感は年々減少するも、プレママ・ママ、プレパパ・パパともに依然抵抗感が残る
自分の子どもにドナーミルクを与えることについては、プレママ・ママがドナーミルクの利用に「抵抗がある」と答えた割合は、2020年は61%であったのに対し、2022年は49%となり、年々抵抗感は減少しているものの、依然約5割の方は抵抗を感じていることがわかりました。また、プレパパ・パパにおいても「抵抗がある」と答えた割合は45%であり、プレママ・ママだけでなくプレパパ・パパにおいても同様に抵抗感があることが判明しました。

4.母乳バンクへの理解度が高いほど、ドナーミルクへの抵抗感が低い
母乳バンクを「知らない」と答えた方の中では、ドナーミルクの利用に「抵抗感がある」と答えた割合は55%であったのに対し、母乳バンクの「言葉を聞いたことがある」と答えた方では50%、「内容も知っている」と答えた方では32%となり、母乳バンクへの理解度が高いほど、ドナーミルクへの抵抗感が低いことがわかりました。

5.「ドナーミルクの安全管理」は、ドナーミルクのご利用を判断する際に一番参考にしたい情報
もしご自身の赤ちゃんが1,500g未満で小さく生まれ、医師からドナーミルクを案内された場合に、プレママ・ママ、プレパパ・パパともにドナーミルクの利用を判断する際に参考にしたい情報は、➊母乳バンクや病院における「ドナーミルクの安全管理」(53%)、➋「ドナーとなるママの選定基準」(42%)など、ドナーミルクがどこから来て、どう管理されているかに関する情報が上位2つに入りました。また、3番目には➌「ドナーミルクを使用したママやパパの体験談」(41%)が挙がってきました。

 

  • ■ピジョンの母乳バンクへの具体的な支援

ピジョンは2020年から日本母乳バンク協会のゴールドスポンサーとして支援を開始、同年9月には、当時国内2拠点目となる母乳バンク「日本橋 母乳バンク」(運営:日本母乳バンク協会)を、当社の全面サポートによりピジョン本社1階に開設しました。また、当社の独自の強みである、ママ・パパ、プレママ・プレパパとの接点を活かし、国内シェア8割以上の商品パッケージに母乳バンクの情報を記載した他、母乳パットの売上の一部を同協会に寄付するキャンペーンを実施。さらに、社会への母乳バンクの普及およびドナーミルク利用の抵抗感を低減するため、普及啓発動画の作成や、情報Bookの無償提供などを行っています。

■日本橋母乳バンク紹介動画 ※ロングver.では、母乳バンクの仕組みについてわかりやすく説明しています。
ロングver. :https://www.youtube.com/watch?v=XMFCzYv3YrE
ショートver.:https://www.youtube.com/watch?v=CddEKL7Bhwk

【参考資料】
■母乳バンクとは

母乳を必要とする早産・極低出生体重児(出生体重1,500g未満の赤ちゃん)が自分の母親から母乳を得られない場合、医療機関からの要請に応じ、寄付された母乳を処理した「ドナーミルク」を提供する施設が「母乳バンク」です。当施設では、国際的な運用基準に基づき、母乳の検査や低温殺菌処理を行い、安全に保管、保存することが求められます。また、ドナーミルクは赤ちゃんの医学的な必要性に応じて利用すべきという考えに基づき、無償で提供されています。国内では、2018年からドナーミルクを利用するNICU(新生児集中治療室)が増加しており、国内の需要に見合うだけの母乳バンクの整備と経済的サポートが必要とされています※1。

■母乳・ドナーミルクはなぜ必要なのか
母乳には、赤ちゃんにとって必要な栄養素がバランスよく、消化しやすい形で含まれており 「最適な栄養食」と言われます。特に、様々な感染症、病気にかかるリスクが高い早産児において、母乳には赤ちゃんの生死にかかわる壊死性腸炎(腸の一部が壊死する病気)に罹患するリスクを、人工乳のおよそ1/3 に低下させる効果があることがわかっており※2、「母乳は薬」とも言われています。また、早産児がかかりやすい未熟児網膜症や慢性肺疾患などの予防に役立つ物質が含まれているほか※3 ・4、長期的な神経発達予後を改善する効果についてのエビデンスも出てきています※5 ・6。しかし、全ての母親が、出産直後から充分な母乳が出るわけではなく、早産となった場合には、母親が必要量の母乳を与えられないこともあります。そのような際に、ドナーミルクを提供することで、上記のような疾患の罹患率と重症度を低下させ、長期的予後の改善を図ることができます。

※1 日本小児科学会雑誌 第123巻 第7号 日本小児医療保健協議会栄養委員会 早産・極低出生体重児の経腸栄養に関する提言
※2 Quigley MA. Henderson G. Anthony MY. et al. Formula milk versus donor breast milk for feeding preterm or low birth weight infants. Cochrane Database Syst Rev. 2007; (4):CD002971.
※3 Patel AL et al. Influence of own mother’s milk on bronchopulmonary dysplasia and costs. Arch Dis Child Fetal Neonat Ed. 2017;102(3):F256-F261.
※4 Zhou J et al. Human milk feeding as a protective factor for retinopathy of prematurity: a meta-analysis. Pediatrics. 2015;136(6):e1576-1586.
※5 Lewandowski AJ et al. Breast milk consumption in preterm neonates and cardiac shape in adulthood. Pediatrics. 2016;138(1):pii:e20160050.
※6 Vohr BR et al. Beneficial effects of breast milk in the neonatal intensive care unit on the developmental outcome of extremely low birth weight infants at 18 months of age. Pediatrics. 2006;118(1):e115-123.

■世界の母乳バンクの現状と日本における母乳バンクの課題
2002年にWHO(世界保健機構)より「母親の母乳が得られない場合は、ドナーミルクが第一選択である」と推奨されたことをきっかけに、今では世界50カ国以上で600カ所を超える母乳バンクが開設されています。日本では、2017 年に一般社団法人 日本母乳バンク協会が設立され、2019年当時日本に唯一の昭和大学江東豊洲病院内の母乳バンクでは、2018年9月から2019年8月までの1年間において80例に対応しました。しかし、日本においてドナーミルクが必要な赤ちゃんは年間3,000~5,000人と想定され、施設が圧倒的に不足しているのが現状です。一方で、2019年7月には、日本小児医療保健協議会栄養委員会から「自母乳が不足する場合や得られない場合、次の選択肢は認可された母乳バンクで低温殺菌されたドナーミルクである」との提言が出され、母乳バンクの普及が期待されています。

■母乳バンク協会概要
日本母乳バンク協会は、日本の新生児医療において「母乳」の活用を促進することを主な目的として2017年5月に設立された一般社団法人です。本協会は「母乳提供者の善意」を基盤に、以下を主な内容として活動をされています。
・提供者の健康チェック
・提供母乳の各種検査(血液検査によるスクリーニング検査を含む)
・提供母乳の安全な保管、保存、その方法の開発
・低出生体重児への母乳の提供
・低出生体重児の母親への母乳育児支援
・周産期医療における効果的な「母乳活用」の研究

■日本母乳バンク協会URL: https://jhmba.or.jp/

 

  • 会社概要

社名:   ピジョン株式会社
代表:   代表取締役社長 北澤 憲政
所在地:  〒103-8480 東京都中央区日本橋久松町4番4号
設立:   1957年8月
事業内容: 育児・マタニティ・女性ケア・ホームヘルスケア・介護用品等の製造、販売および輸出入、ならびに保育事業
URL:   https://www.pigeon.co.jp/

 

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