(株)キョードーメディアスのプレスリリース
同作は、1975年にブロードウェイで初演され、トニー賞9部門を受賞。15年にも及ぶ大ロングランを記録した、ミュージカルの金字塔ともいえる名作だ。原案・オリジナル振付・演出のマイケル・ベネット(1943~87年)は、ダンサー仲間を集め、個人的な体験やダンスへの思いを語り合うトークセッションを実施。性的嗜好にまで話が言及した、このセッションをもとに『コーラスライン』を作り上げた。
世界中で上演が繰り返されている同作だが、来日公演は4年ぶり。前回の来日公演に続き、初演でコニー役を務めたバーヨーク・リーが、演出・振付・再構成を手がける。
初日の前にはプレスコールが行われ、バーヨークの解説のもと、作中の4曲が披露された。冒頭で、バーヨークはこんなエピソードを披露した。「初演の少し前に、マイケルに『いいかい、バーヨーク。あなたは、この作品を世界中に届けるんだよ』と言われたの。あれから47年、今、日本でまたこの作品を上演できることをとても誇りに思うわ」
バーヨークは、マイケル自らが語った、同作のコンセプトについても紹介してくれた。
「みなさんの多くは、きっとオーディションというものを見たことがないわよね? 舞台に立っている俳優が、どうやってここまで来たのか──。それを見ていただきたいというのがコンセプトになっているの。舞台構造もとてもシンプルで、白い線(コーラスライン)の前で行われていることは現在進行形のオーディションを、後ろで行われていることはキャラクターの記憶やキャラクターが頭の中で考えられていることを表わしているの」
2回に及ぶトークセッションで収録したテープを、マイケルは、繰り返し聞き、オーディションをテーマにした同作の構想を練り上げたという。
「最初のワークショップでは、上演時間が4時間を超えてしまったの(笑)。そこでマイケルは、いくつかのエピソードを合わせてひとつのナンバーにするという方法を思い付いたの。それが、『ハロー12歳、ハロー13歳、ハロー恋』というナンバーよ」
当初はマギーやコニーにビックナンバーがあったというエピソードも興味深い。
同作のクライマックスで、マイケルが自分を投影したと言われているザックは、ダンサーたちに問いかける。「もし踊れなくなったらどうする?」。そのアンサーともなるナンバー「愛のためにしたことは」についてバーヨークはこう解説する。
「それぞれのキャラクターには、それぞれのストーリーがあるわ。たとえば、私が演じたコニーは、田舎に行って食べるのを楽しんで太ってやる、そして子どもを産むと言うの。ハリウッドに行ってスターになると言うキャラクターもいるわ。この曲で伝えたいのは、ダンサーにもそれぞれの人生があるということ。この曲はダンサーへのアンセムのようなものよ。子どもの頃、ダンスを始めた時、この仕事でいくら稼げるか考えないわよね(笑)。ダンスするのが楽しくて愛しているからこそ踊っていた──そういうナンバーよ」
『コーラスライン』は、オリジナルキャスト本人のエピソードをもとに作られた、ダンサーのリアルを見せるミュージカルだ。初演から半世紀近い時間が流れ、時代は大きく変化したが、夢を追うダンサーたちの情熱はきっと変わらない。なんといっても、来日公演を率いるのは、オリジナルキャストのひとりであるバーヨークである。また、キャストは、アメリカでのオーディションを勝ち抜き、作中のダンサー同様、ブロードウェイを目指す俳優たちだ。2022年夏、オーチャードホールの舞台にダンサーたちのリアルがある。
ブロードウェイミュージカル コーラスライン
※生演奏/英語上演/日本語字幕あり
日程:2022年8月11日(木・祝)~28日(日)
会場:Bunkamuraオーチャードホール
原案・オリジナル振付・演出 マイケル・ベネット
演出・振付・再構成 バーヨーク・リー
台本 ジェームズ・カークウッド&ニコラス・ダンテ
⾳楽 マーヴィン・ハムリッシュ
作詞 エドワード・クリーバン
オリジナル共同振付 ボブ・エイヴィアン
キャスト アメリカ・カンパニー
チケット:S席:14,000円 A席:12,000円 B席:10,000円(全席指定・税込)※未就学児童入場不可
U-25席:6,000円(25歳以下当日引換券・税込・前売り販売のみ・数量限定)
お問い合わせ: Bunkamuraチケットセンター 03-3477-9999(10:00~17:00)
公式ホームページ https://www.acl-2022.jp