マックスマーラ「マックスマーラ・アート・プライズ・フォー・ウィメン」を受賞したエマ・タルボット、ホワイトチャペル・ギャラリーで新作をプレミア公開

株式会社マックスマーラ ジャパンのプレスリリース

この『Age/L’Età』は、アニメーション、 フリーハンギングのシルクのパネル画、3D作品、デッサンで構成されており、表象と加齢、権力と統治、自然に対する姿勢などのテーマを探求したものです。「マックスマーラ・アート・プライズ・フォー・ウィメン」を受賞したタルボットは、後期資本主義に絶望した人類が生き残るため古代の権力構造を見直し 自然界を賛美するホリスティックな古代の工芸や、帰属のあり方に目を向ける未来を描いています。

©Dan Weill

第8回マックスマーラ・アート・プライズ・フォー・ウィメンを受賞したエマ・タルボット(1969年生まれ)は 6月より、ホワイトチャペル・ギャラリーにて新作を初公開します。この『Age/L’Età』は、アニメーション、フリーハンギングのシルクのパネル画、3D作品、デッサンで構成されており、表象と加齢、権力と統治、自然に対する姿勢などのテーマを探求したものです。「マックスマーラ・アート・プライズ・フォー・ウィメン」を受賞したタルボットは、後期資本主義に絶望した人類が生き残るため古代の権力構造を見直し自然界を賛美するホリスティックな古代の工芸や、帰属のあり方に目を向ける未来を描いています。
 

 

この展覧会は、コレツィオーネ・マラモッティが企画した特別な6か月間のイタリア滞在の中で生まれたものです。2020年の受賞後、タルボットはレッジョ・エミリア、カターニア、ローマにて旅をする中で、テキスタイルのクラフツマンシップや、パーマカルチャー、古典神話を研究、新しい作品のインスピレーションを与える多くの史跡や、施設を訪ねました。タルボットはイタリア滞在中に『Age/L’Età』の出発点でもあるグスタフ・クリムトの絵画『女の三世代』(Three Ages of Women – 1905年)を直接目にする機会を得ました。クリムトが作品で描いていたのは恥じるような表情で頭を抱える老女。タルボットの新作では、この人物を主体性を持った女性として再考しています。

ローマにて/エマ・タルボット

Emma Talbot at the Museo Nazionale Etrusco di Villa Giulia, Rome 2021  ©Tiwi

スタジオでの様子

Emma Talbot in her studio in Catania 2021  ©Tiwi

タルボットはロックダウンによってスタジオに行けない期間、独学でアニメーションを学びました。展覧会の中心的な作品である12章からなるアニメーションは『ヘラクレスの十二の試練』のように、タルボットの主人公が試練を乗り越えていくというストーリです。ローマ滞在中、タルボットはヴィラ・ジュリア国立博物館のヴァレンティノ・ニッゾ館長とともに、古典神話を力強く伝える古代エトルリア陶器の表現を研究しました。主人公はヘラクレスのように破壊や窃盗、詐欺、殺人によって試練を乗り越えるのではなく、大地とともに、倫理的で持続可能な生き方を送るパーマカルチャーの12の原則よりヒントを得て、生産的で思いやりと実用性を中心とした解決策を取り入れます。主人公は、現代的な試練を通じて、老いや 権力、気候変動に対する否定的な考え方に対抗し、現代社会を再構築する可能性を持っているのです。展示会では、タルボットがアニメーションのために描いた原画も展示されています。

ヴィラ・ジュリア国立博物館のヴァレンティノ・ニッゾ館長とエマ・タルボット

Emma Talbot with Valentino Nizzo, Rome 2021  ©Tiwi

『Age/L’Età』では、廃墟や火山地帯など近未来の不安定な風景を描き、その中で主人公が探検し暮らす様子を手描きした、シルクパネルの大作2点がハンギングで展示されています。タルボットの作品の多くと同様に、シルクパネルに本展のテーマに沿ったテキストを刻み、鑑賞する方が自らの認識を正面から問いかけるよう誘います。このシルクパネルの主題は、タルボットがシチリア島の旅の中で火山地帯や古代遺跡を探索し、カーザ・ディ・パリア・フェルチェッロッサでパーマカルチャーの原理を学び生まれました。また コモを訪れた際には、イタリアで初めて100%リサイクルシルクを生産したマンテロ社で、シルクのリサイクルについて学びました。リサイクルされた布や持続可能な資源が使用されたタルボットの作品は、ライフサイクルや再生、エイジレスに対する問いを投げかけます。

作品に刻まれたテキスト

Emma Talbot/Detail from Ruins 2022  ©Carlo Vannini

『Age/L’Età』を構成する最後の要素は、老人の姿をやわらかい布を詰めた等身大の像という形で物理的に表現したものです。IMAXマックスマーラのニットウェア部門と共同でデザインした素材は、老人の厚い皮膚に似せて作られたもので、皺や鎧を思わせます。ヘラクレスの神話や古代エトルリア陶器に見られるシーンにインスピレーションを受けたタルボットの主人公は、イタリアで最も重要なニットウェアの アーカイヴのひとつである、モダテカ ディアンナとのコラボレーションにより生まれた「ポータル」、または「ネット」の中心に向かって進み、そこから新しい世界や代替エネルギー、新しい存在に近づいているように見えます。

©Dan Weill

モダテカ ディアンナにて/エマ・タルボット

Emma Talbot at Modateca Deanna, Reggio Emilia 2021  ©Tiwi

「マックスマーラ・アート・プライズ・フォー・ウィメン」は、ホワイトチャペル・ギャラリー、マックスマーラ、 コレツィオーネ・マラモッティの協賛の下、2005年から隔年で開催され、これまで個展を開催していない英国を拠点とする女性アーティストを支援する賞です。アーティストの奨励・育成を図る場として知られ、英国で唯一の女性を対象としたビジュアルアート賞です。ヘレン・カモック、エマ・ハート、コリン・スウォーン、ロール・プルーヴォ、アンドレア・ビュットナー、ハンナ・リッカーズ、マーガレット・サーモンが歴代の受賞者であり、第8回マックスマーラ・アート・プライズ・フォー・ウィメンの審査委員長は、ホワイトチャペル・ギャラリーの前館長である大英帝国四等勲爵士、イヴォナ・ブラズウィックが務め、画廊主のフローレンス・ イングルビー、アーティストのシャンタル・ジョフィ、コレクターのファティマ・マレキ、美術批評家のヘティ・ ジュダなどの美術界の専門家が審査に参加しました。

左からイヴォナ・ブラズウィック、ルイージ・マラモッティ、エマ・タルボット

 ©Dan Weill

 

ホワイトチャペル・ギャラリーでの展覧会では、タルボットの6か月間のイタリア滞在の体験を記録した短編ドキュメンタリーも同時に公開されます。

『Age/L’Età』は、ホワイトチャペル・ギャラリーで公開後、レッジョ・エミリアのコレツィオーネ・マラモッティで巡回展示される予定です(2022年10月23日~2023年2月19日)。

タルボットは、2022年11月27日まで開催予定のセシリア・アレマーニのキュレーションによる 第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展「The Milk of Dreams」にも選出されています。

『Age/L’Età』
マックスマーラ・アート・プライズ・フォー・ウィメン:エマ・タルボット
2022年6月30日~9月4日
#MaxMaraArtPrize #EmmaTalbot

公式サイト:https://jp.maxmara.com
Instagram:https://www.instagram.com/maxmara

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