株式会社クロシェのプレスリリース
「ここち良さを、あたらしい視点から」をスローガンに掲げるクロシェは、受注生産の新しい靴ブランド【wf】開発の中で困った「素材探し」ができる情報を無償で公開し、サスティナブルなモノづくりの循環を目指します。
タブーに挑戦《靴の素材やメーカーを公表するポータルサイト=靴の履歴書》について
ところが、クロシェの新しい靴ブランド【wf】では、ポータルサイトを作り、靴に使用した素材を公開しています。
これは、靴のお客さまのためのいわゆる商品詳細ページなどとは別のページで、それぞれの靴に使用したサスティナブルな素材を紹介するものです。
《wf 使用サスティナブルパーツ一覧》を公開する目的=靴と素材のマッチング
「靴 サスティナブル 素材」などの検索キーワードでこのサイトにたどり着いたブランド担当者、もしくは素材メーカーの担当者が、問い合わせができるよう、会社名や素材名、HPへのリンクを貼り付けています。
お客さまへのプロミス《靴のパーツ80%以上を環境配慮型の素材で作るブランド》の根拠提示
開発秘話《ブランドMDに聞く》なぜこのような情報を公開するか
「実際にSDGsを意識した靴を作ろうとして、いろんな素材メーカーさんとお話しするうちに見えてきたことがあります。それは素材開発のメーカーさんは、常に新しい素材を開発していこうとしているのですが、横のつながりがないんです。マッチすればもっと素晴らしく、ここちが良くていいものを作れるのに、もどかしくて」と香川は話しています。
「バイオマスウレタンの件で打ち合わせの際に大阪のイノアックさん(※1)と神戸・長田の靴の生地屋・マルショーさん(※2)に顔合わせをして頂きました。現在はリサイクルポリエステルを使用したマルショーさんのクールマックス(R)ファブリックに、イノアックさんのバイオマスウレタンフォームECOLOCEL(R)BEH(※3)を貼り合わせる試験中です。こんなふうに、マッチングすることで新しい靴素材ができ、長田だけでなく全国の靴業界に広まればいいなというのが私の願いです」
写真は株式会社大福(代表取締役:山下智郁、本社:兵庫県神戸市長田、以下大福)のコルク混焼底。
コルク混焼底は、天然ゴム70%・コルク15%でできており、wfのロゴとブランドのイメージポエム「奇跡の色に出会う永遠の旅(An eternal journey to meet ephemeral colors)」を抜粋し、左右に刻印しました。
※1:株式会社イノアックコーポレーション(代表取締役社長:野村 泰、本社:愛知県名古屋市中村区、以下イノアックコーポレーション)
※2:株式会社マルショー(取締役社長:木村勇夫、本社:兵庫県神戸市長田区、以下マルショー)
※3:ECOLOCEL(R)BEHは、植物由来原料を50%以上配合したイノアックの国産バイオマスウレタンフォームの名称です。
お客さまの「安心感」のために
SDGs17項目の「12.つくる責任 つかう責任」を体現する受注生産
過剰在庫をもたないブランドは、言うは易くですが実際にはこの考えに賛同して生産してくれる工場との協力体制がなければ成り立たないビジネスモデルでした。
受注生産を引き受けてくれた神戸・長田の株式会社ロンタムとの協業
構想から3年【wf】ブランド、ものづくりの現在と今後の展開について
ブランド名はクロシェの主力商品でバレエシューズブランドのファルファーレから“f”をもらい、【wf wonderful world by farfalle】(ダブリューエフ ワンダフルワールドバイファルファーレ)と決まりました。
履き心地が良く、なるべくサスティナビリティにこだわろうということろまではすぐに見えましたが、「パーツの8割以上を環境配慮型の素材で作る」「受注生産で無駄な在庫を作らない」というコンセプトにたどり着くまでに紆余曲折があり、時間がかかりました。
コロナ禍の中、社会を取り巻く環境や、おうち時間にリモートワークなど、ライフスタイルの変化もあり、靴に対するマインドが変わった人も多かったのではとクロシェでは推測しています。
ローンチまでまさに「漕ぎつけた」シューズブランド【wf】
この苦労の経験をもとに、公開したポータルサイトの効果もあり、香川の元には「こんな素材を見つけた」「この素材は靴に使えますか?」といった声が寄せられるようになりました。
既に新しい型の靴の計画も順調に進んでおり、「靴づくりだけにとどまらず“サスティナブルなモノづくり“の循環や、携わる人のちょっとした意識の変革にもつながれば」と香川は話しています。
最新情報《イノベーション報告》さっそく新しいコラボレーションも決定
「ついにイノアックコーポレーションのバイオマスウレタンECOLOCEL(R)BEHを、裏材生産を依頼しているマルショーが試行錯誤の末に、ライニングと張り合わせることに成功しました。
ウレタンの表面を少し溶かして生地と張り合わせる「熱圧着」を試しましたが、ECOLOCELと相性が悪く失敗し、いろいろな方法を試した結果、水性糊で通気性の良い貼り合わせ方法が見つかり、8月以降に商品化することになりました」